Flex/Flash Builderはスマホアプリ開発の神ツールとなるか

Flex/Flash Builderは
スマホアプリ開発の神ツールとなるか


Adobe MAX 2011まとめレポート(2)


有限会社オングス
杉山貴章
2011/10/27

マルチプラットフォーム対応に向かうFlash

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 ここ数年、アドビシステムズがFlashプラットフォームの拡充ポイントとして力を入れてきたのがマルチプラットフォーム対応である。その結果、現在ではデスクトップPCだけではなく、iOSAndroidをはじめとしたモバイルデバイスや、テレビへの対応を実現し、その構想は家庭向けの家電製品やセットトップボックスにまで及んでいる。

 これら複数のプラットフォームに対して1つのコードベースで開発できる点がFlashの強みだが、そうはいっても、スクリーンサイズも使えるハードウェアリソースも全く異なるデバイスに対応するのは容易なことではない。そこで鍵になるのが、開発ツール/フレームワークの存在だ。Flashには、「Flash Builder」「Flex SDK」がある。Adobe AIRの機能と組み合わせることで、すでに1つのソースコードでiOS用とAndroid用に書き出すことも可能だ。

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 本稿では、ユーザーカンファレンス「Adobe MAX 2011」(10月3〜5日ロサンゼルスコンベンションセンターにて開催)で行われた技術セッションより、Flex SDKとFlash Builderの最新動向を紹介しよう。

モバイル対応を、さらに推進する「Flex 4.6」

 従来バージョンであるFlex 4.5のフォーカスはモバイルデバイスのサポート強化であった。Flex 4.6は、既存のFlexに対する無償アップデート版として提供されることになる。Flex MobileのプロダクトマネージャーであるJacob Surber氏によれば、Flex 4.6ではモバイル端末のサポートを、さらに推し進める方針で開発が進められているという。

タブレット端末向けのUIとナビゲーション

 Flex 4.6のモバイル対応は、スマートフォンだけではなくタブレット端末にフォーカスしたコンポーネントが追加されている点が大きな特徴といえる。その代表が「SplitViewNavigtor」だ。SplitViewNavigtorは2カラム構成のレイアウトを実現するためのトップレベルコンポーネントである。広い画面を生かし、左にメニュー、右にメインコンテンツというような形でコンテンツを配置できる。

 SplitViewNavigtorが特徴的なのは、画面の向きが縦の場合と横の場合で、レイアウトを自動で調整してくれる点である。例えば横向きの場合のみ2カラムで表示し、縦向きの場合は左のカラムを隠して1カラムのレイアウトで表示したり、左カラムのコンテンツをポップアップで表示するなどといった設定ができるようになっている。SplitViewNavigtorの動作やAPIなどの詳細は、このページで解説されている。

新しいコンポーネントの追加

 新しく追加されるコンポーネントも、モバイル端末でのUIを強く意識したものである。例えばリストコンポーネントの一種である「SpinnerList」は、縦型のダイヤル式に選択項目を表示するもの。「DateSpinner」は日付選択に特化したSpinnerListといったところで、ローカライズされたフォーマットの日付表示にも対応する。

縦型ダイヤル式のSpinnerコンポーネント

 「CallOutButton」はコンテンツをポップアップで表示するためのコンポーネント。ポップアップの中にはテキストはもちろん、他のコンポーネントやビューを格納できる。「ToggleButton」はオン/オフの切り替えをスイッチのように表示するボタンコンポーネントである。

ToggleButtonはオン/オフスイッチ用コンポーネント

 これらのコンポーネントはスマートフォンやタブレットのアプリでは一般的に見られるもので、特別に目新しいというものではない。しかし複数プラットフォーム間で違和感のないUIを実現するためには、そのようなスタンダードなコンポーネントこそ必要不可欠だといえる。

ネイティブのテキスト入力(StageText)

 従来のFlexアプリでは、テキスト入力の操作感がプラットフォームごとに大きく異なる点が問題となっていた。これを改善するため、Flex 4.6ではプラットフォームネイティブのテキスト入力が利用できるようになる。

 前回のレポート「HTML5の先を行くFlash Player 11/Adobe AIR 3の新機能14選」にもあるが、10月4日にリリースされたAdobe AIR 3では、ネイティブのテキスト入力を呼び出すための「StageText」というクラスが追加された。Flex 4.6では、このStageTextに対応するということだ。

 ネイティブのテキスト入力を利用することには複数のメリットがある。まずコンポーネントのレンダリングがOSネイティブのライブラリで行われるため、ユーザーにとっては見た目の違和感がなくなる。また、自動補完やカット/コピー/ペースとなどといったOSの持つ機能も利用できるようになる。OSのソフトウェアキーボードを利用できるという点も大きな特徴である。ユーザー独自にカスタマイズされた設定を適用できるからだ。

ネイティブのテキスト入力の使用例

パフォーマンスの向上

 Flexのどのバージョンにおいても、パフォーマンスの向上は常に目標の1つとして挙げられてきた。Flex 4.6では、特にモバイルアプリにフォーカスしたさまざまなチューニングが施されている。その結果、既存のFlexアプリを単純にFlex 4.6でパッケージングし直すだけでも、50%ほどのパフォーマンスの向上が期待できるとSurber氏は語っている。

 さらに、Flex 4.6を使って新たに開発されたアプリケーションであれば、ネイティブアプリと同等のパフォーマンスを実現できるという。

iOS 5.0、Android 4.0に対応?

 新しいデバイスやプラットフォームのサポートもFlex 4.6の目標となっている。Flex 4.6のリリース時には、その時点でのiOSやAndroidの最新版、そして最新のスマートフォンやタブレットデバイスに対応するよう準備を進めているとのことである。iOSは5.0以降、Androidは4.0以降に対応すると見られる。

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 INDEX
Adobe MAX 2011まとめレポート(2)
Flex/Flash Builderはスマホアプリ開発の神ツールとなるか
Page1
マルチプラットフォーム対応に向かうFlash
モバイル対応を、さらに推進する「Flex 4.6」
  Page2
ネイティブ拡張も備える「Flash Builder 4.6」の新機能
Flex/Flash Builderを取り巻く、その他の動向
リリースはもうすぐ? リバースデバッグ機能にも期待


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