iPhone/iPadスマートアプリ開発レシピ
iPhone/iPadスマートアプリ開発レシピ(1)

iOS端末ハードウェアの歴史と近接センサアプリ開発


クラスメソッド株式会社
開発部 姫野悟志
2012/3/8
スマートフォンの「スマート」は、さまざまなセンサやハードウェアを使うところにある。本連載で、さまざまなセンサやハードウェアを使うiOS(iPhone、iPad、iPod touch)のスマートなアプリを作ってみよう

iOS端末ハードウェアの歴史まとめ

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 日本でiPhone(iPhone 3G)が販売されてから、もうすぐ4年になります。その間にiPhone 3GS、iPhone 4、iPhone 4Sと3回のモデルチェンジがありました。モデルチェンジの中でハードウェアの機能も増えています。

  • iPhone 3G
    マルチタッチディスプレイ、マイク、スピーカー、GPS、カメラ、加速度センサ、近接センサ、環境光センサなど
  • iPhone 3GS
    iPhone 3Gの機能+カメラ(オートフォーカス、ビデオ)、音声コントロール、電子コンパスなど
  • iPhone 4
    iPhone 3GSの機能+3軸ジャイロスコープ、フロントカメラ、Retinaディスプレイ、LEDフラッシュなど
  • iPhone 4S
    iPhone 4の機能+Siri音声アシスタントなど

 またiPod touchも機能を増やしています。iPhoneと比べると、GPSや電子コンパス、近接センサ、バイブレータなどがありません。

  • iPod touch(第1世代)
    マルチタッチディスプレイ、加速度センサ、環境光センサなど
  • iPod touch(第2世代)
    iPod touch(第1世代の機能+スピーカーなど
  • iPod touch(第3世代)
    iPod touch(第2世代)の機能+マイク付きイヤフォン+音声コントロールなど
  • iPod touch(第4世代)
    iPod touch(第3世代)の機能+カメラ、フロントカメラ、マイク、3軸ジャイロスコープ+Retinaディスプレイなど

 さらに、本日新製品が発表されたiPadにも、以下のような歴史があります。

  • iPad
    マルチタッチディスプレイ、マイク、スピーカー、加速度センサ、環境光センサ、電子コンパスなど
  • iPad 2
    iPadの機能+カメラ+フロントカメラ+3軸ジャイロスコープなど
  • iPad(第3世代)
    iPad 2の機能+カメラ(オートフォーカス)、Retinaディスプレイなど

 本連載では、そんなiPhone/iPod touch/iPad単体のハードウェア機能を利用したアプリを作成し紹介していきます。

 iOS SDKで作るネイティブアプリのObjective-Cコードを解説するので、iOS SDKやObjective-Cについて詳細を知りたい方は、以下の連載を参照しておいてください。

SDKで始めるiPad/iPhoneアプリ開発の勘所
日初めてiPhone/iPadアプリ開発に挑戦する人が、迷わず短時間でアプリを作れるように、数多くの情報の中から要点をグっと絞った開発の勘所を紹介する入門連載です
Smart & Social」フォーラム
Cocoaの素、Objective-Cを知ろう
iPhone用アプリケーション開発で注目を集める言語「Objective-C」。C++とは異なるC言語の拡張を目指したこの言語の基本を理解しよう
Coding Edge」フォーラム

実は初代iPhoneからある!? 「近接センサ」とは

 実はiPhone/iPadには、最初から「近接センサ」というハードウェア機能があります。

 皆さんはiPhoneで電話をする際、耳に付けますよね。でも、画面に顔が触れた状態になっているのに、通話を切ってしまったり誤った操作をすることはないと思います。実は、ここに近接センサが利用されています。

 近接センサは通話音声スピーカーの上部にあり、何かがその部分に近づくと反応するセンサです。通話時は、この機能を利用して画面のロックを掛けているため、顔が触れても誤った操作をすることがありません。

 実際に近接センサを使ったアプリ例としては、以下のものがあります。



 連載第1回の今回は、この近接センサを利用したアプリを作成します。

近接センサを使う「腕立て伏せアプリ」

 通話関連のアプリ以外では、なかなか利用する機会がない機能ですが、今回はiPhoneに顔を近づけると反応するということを利用し、少し無理がありますが、腕立て伏せのアプリを作成します。

 腕立て伏せをする際に、顔の位置にiPhoneを置き、腕立て伏せのたびに顔で近接センサを作動させ、回数を数えるアプリを作成します。

 画面は非常にシンプルで、画面中央に「UILabel」と下部に「UIButton」を2つ配置したものです。テンプレートは「Single View Application」で作成しています。

 以下は、主な仕様です。

  • 近接センサをオフの状態で起動
  • 起動時に画面を上下反対にする(※通常の向きの場合、近接センサは通話音声スピーカーの上部にあるため、腕立て伏せをしながら回数が確認しにくいため上下を反対にしている)
  • 「Start」ボタンで近接センサをオンにする
  • 「Stop」ボタンで近接センサをオフにする
  • 近接センサを監視してセンサが動作するたびにカウントアップ

 次ページで作り方を説明します。

  1-2

 INDEX
iPhone/iPadスマートアプリ開発レシピ(1) 
iOS端末ハードウェアの歴史と近接センサアプリ開発
Page1
iOS端末ハードウェアの歴史まとめ
実は初代iPhoneからある!? 「近接センサ」とは
近接センサを使う「腕立て伏せアプリ」
  Page2
近接センサアプリを作る準備
腕立て伏せアプリの実装
勢いのある腕立てでiPhoneを壊さないように注意!



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