iPhoneアプリは「鏡」。あなたのiPhoneには何が映る?

iPhoneアプリは「鏡」。
あなたのiPhoneには何が映る?


イベントレポート「iPhone・iPadアプリ大賞2010」


@IT編集部
2010/12/16
今年、注目されたiPhone・iPadアプリ。アプリメーカーが集い、自作アプリの見せ所を競ったイベントの模様を紹介する(編集部)

選ばれしiPhone・iPadアプリ開発者11組

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 12月12日、東京カルチャーカルチャーにて「iPhone・iPadアプリ大賞2010(2010年iPhone・iPadアプリ大賞を勝手に決める今年のiPhone・iPad現象総括イベント!!)」が開催された。その模様を紹介したい。

 当日は11組の出場者が競い合ったが、募集には47組の応募があったという。イベントでは、iPhoneアプリ開発者6組とiPadアプリ開発者5組が出場し、自作アプリを5分の持ち時間のなかで披露し合い、その都度、ときには手厳しい、ときには暖かい審査員のコメントが挟まれた。

司会とプロデュースを担当したモダンシンタックスの永沢氏(左)。

 「2010年iPhone・iPadアプリ大賞」を選んだのは、5人の審査員。林信行氏(フリージャーナリスト・コンサルタント)、宮下泰明(AppBank編集長)、尾田和実氏(Lifehcker編集長)、ジェット☆ダイスケ氏(スーパービデオブロガー)、司会の永沢和義氏(日本でもっともまじめに更新されているブログ:モダン・シンタックスを運営)という、普段からiPhoneアプリをよく使い、よく観察している人々だ。

 出場した人々とアプリを順に紹介する。

関根元和氏
(CHEEBOW)
コトバトコ
AppBank
宮下泰明賞

 Twitter界で有名なCHEEBOW氏が生み出した、ユーザーが投稿する言葉同士をランダムにつなげて思いがけない一文を生み出すというアプリ。つなげた一文を共有できるようなサービスがあればさらに盛り上がるのでは、という審査員コメントがあった。

踏韻事典
たちこぎライダー
土井大輔氏

 編集者やゲームメーカー勤務を経験し、会社を立ち上げたばかりの社長自らが作った踏韻事典。App Storeで公開後、最初に購入した大阪のラッパーのブログに「俺の方が(韻が)踏める」と評価されたと明かした。アップデートでは、歌詞に使えるボキャブラリーを増やした。Webコンテンツに転用したり、英語版を作成したりしたいともくろんでいる。

フォントモンスター
ムームー

 iPadに出現するモンスターをタイピングで倒していくゲームアプリ。自作のモンスターが100体以上いるので、モンスターを見ているだけでも楽しい。出現する文字をアルファベットにしたのは米国での展開も考えているため。

トゥーエイト
木野敦氏
iレシピブック
林信行賞

 iPad専用のレシピビューア。iTunes App StoreのUIからインスピレーションを得て作ったという画面はiTunesユーザーにはなじみがあり、使いやすい。料理を検索し、雑誌的な目次を見ることができるアプリ自体は無料だが、実際のレシピは有料で1本200〜300円くらいで購入する仕組み。審査員からは無料のコンテンツを増やしてとのアドバイスがあった。


Air Melody
Skip Note Studio

 iPhoneをかたむけるだけで、電子楽器テルミン風の演奏ができるiPhoneアプリ。作者の大野氏が演奏して音色を聞かせたが、実際の演奏にはテクニックを要しそうだ。

リズムシ
成瀬つばさ
永沢和義賞
最優秀賞

 成瀬氏は、多摩美術大学大学院に在籍し、サウンド&メディアアートの分野で研究・創作活動を行っている。リズムを組み合わせて音楽が手軽に作れるリズムシは、永沢賞と最優秀賞を受賞し、永沢氏から「手書きのゆるいUIとできることの精度の高さのギャップが面白い」と評された。

うんこ演算
面白法人カヤック
野崎錬太郎
デイリーポータルZ賞

 すべての子供へのマジカルワードをキーワードとした子供向け算数学習アプリ。デイリーポータルZ賞を受賞した。この時点ではApp Storeに承認されておらず、オンラインでは入手できないまぼろしのアプリとなっている。


するぷろ
一心 坂倉勉
@するぷ
LifeHacker
尾田和美賞

 iPadでブログを便利に更新するためのアプリ。賞を贈ったLifehacker編集長の尾田氏は「このアプリのおかげでぼくたちの仕事の仕方が変わる。取材先でも簡単に記事を投稿したり、編集したりできるようになる」と評価した。


dpad
drikin、ooba、hirata

 するぷろと同様、iPadでブログを簡単に更新するアプリ。ooba氏は、「最近、Twitterなど、ブログの外にたまっているコンテンツを集めてブログにポストできる」と説明しながら、壇上でブログ記事を1本投稿し、会場を驚かせた。


Zen Artist
Eagle Founder
藤永真至氏

 Zen Artistは、水墨画の世界を味わえるiPad用ペイントツール。藤永氏は、Zen Artistが4人の本物の画家に使われていることをアピールしていた。


ToriSat
鳥人間
久川真吾
ジェット☆ダイスケ賞

 鳥人間が運営する国際宇宙ステーション観測支援サイト「ToriSat」のiPhone向けアプリ。自分のいる場所から国際宇宙ステーションが目視できる方角と時間が分かる。

iPhone2010年総括と今後どうなっていくか?

 「iPhone2010年総括と今後どうなっていくか?」のトークディスカッションでは、林信行氏が「iPhoneを一文字で表すと『鏡』である」と表現した。iPhoneには余計なパーツが表面に出ていないため、使っているアプリがディスプレイに表示されると、その瞬間、そのアプリ専用機になる。利用頻度の高いアプリが、使う人の趣向をよく表していて、今回の出場者にも見られるが、作り手や持ち主の気になっていることをそのまま映す鏡であると話した。

 また、審査員全員が、来年はAndroidが盛り上がると予想。スマートデバイス市場全体がさらに活性化し、アプリを作る人たちもさらに力を入れていくだろうと意見が一致した。

右から尾田氏、林氏、ジェット氏、宮下氏。熱いiPhone・iPad論が交わされた。

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