iPhone/Android開発者が知るべきWindows Phone 7つの特徴

iPhone/Android開発者が知るべき
Windows Phone 7つの特徴


Windows Phone Developer Dayレポート

仲里淳
@nakazato
2011/6/30
6月8日、マイクロソフトは開発者向けイベント「Windows Phone Developer Day」を開催し、Windows Phoneの次期メジャーリリースとなる「Mango」を紹介した。イベントの内容とともに、Windows Phoneの特徴についてまとめた

間近に迫るWindows Phoneの日本市場投入

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 6月8日にマイクロソフトが開催した「Windows Phone Developer Day」では、Windows Phoneの次期メジャーリリース「Mango」(開発コード名)が紹介された。そもそも、現行バージョンが日本国内では未展開なため、国内でWindows Phoneが公式に紹介されたのは今回が初めてとなる。

 もちろん、これは日本での展開が間もなく始まるからであり、マイクロソフトも今秋には端末が国内発売される予定だとしている。市場投入を目前に控えて、国内の開発者へWindows Phoneをアピールすることがイベントの目的だ。

 イベントの基調講演では、日本マイクロソフト執行役デベロッパー&プラットフォーム統括本部長の大場章弘氏が「人と人をつなげる新しいアプリケーション開発の世界へ」と題して、Windows Phoneの特徴を紹介した。

 講演の中で大場氏は、「マイクロソフトの戦略の中でクラウドはとても重要なものと位置付けている。その本格的な利用段階に入る中で、それを扱うさまざまなデバイスの存在が重要になってくる。

 PC、ケータイなど多くのデバイスからアクセスして、必要な情報を簡単に手に入れられる。そしてソーシャルを通じて多くの友人などともつながっていく。その中でWindows Phoneが担う役割は大きく、全社を挙げて取り組んでいく」とした。

 これは、Windows Phoneが単なるデバイスのOSではなく、インターネットやクラウドが中心に位置する大きな利用環境の中で、互いに連携しながら役割を担う存在であることを意味している。

「社内でも触ったことのある人は少ない」というMango搭載のWindows Phone端末でデモを行った大場章弘氏

 続いて大場氏は、Windows Phoneの開発コンセプトは「コミュニケーション」「アプリケーション」「インターネット」の3つだと説明した。これはそれぞれ「メールや電話、ソーシャルメディアとの連携強化」「デザインガイドラインと開発環境の整備、Marketplaceの強化」「IE9の搭載とHTML5やFlashへの対応」という形で具体化されている。

 この後も基調講演や技術セッションにおいて、Windows Phoneの機能、デザイン、開発の情報などが紹介された。それらの特徴を以下7つのキーワードごとにまとめ、順番に紹介しよう。

  1. 独自のユーザーインターフェイス
  2. クラウドと連携する6つのハブ
  3. プラットフォーム
  4. アプリ実行&開発環境
  5. アプリストア
  6. 開発者コミュニティ
  7. 後発の利

【1】Windows Phone独自のユーザーインターフェイス

 新たに採用されたデザインフレームワークの「Metro(メトロ)」によって、Windows Phoneでは統一感のあるUIが実現されている。その名前は「誰でも目的地に簡単にアクセスできる」という地下鉄に由来する。

 ホーム画面の四角いタイルを並べたような「ライブタイル」、横へスライドしていくことで必要な情報や機能にアクセスできる「パノラマ」などが特徴的だ。ライブタイルは、iPhoneやAndroidのアプリアイコンに比べると大きな印象を与えるが、そのおかげでライブタイル自体に情報やステータスを表示できる。単なるボタンとしてだけでなく、テキストによる情報の「窓」としても働く。

日本語はフリック入力が利用できる(画像はエミュレータ)。濁音なども1回のフリック操作で入力できるようになっている

 また、フォントはWindows Phone 7専用にデザインされたもので、日本語を含む多言語に対応したMangoでも、それは変わらない。デモでは日本語の縦書きも違和感なく表示されていた。日本語入力システムでも随所に工夫が見られ、単なる多言語対応だけにとどまらないローカライズが期待できそうだ。

 これらWindows Phoneのデザインフレームワークは、Windows 8にも採用される予定だという。PC向けOSであり、画面サイズも異なるため単純に流用できるわけではないだろうが、UI作法の共通化が図られることで開発効率は高まるだろう。

 また、ARM版Windows 8のことも考えると、タブレットやスマートフォンのOSがWindows 8なのかWindows Phoneなのか気にしなくても使えてしまうような状況も考えられる。さらにメトロは、Xbox 360の将来の拡張にも取り込まれるとしており、「マイクロソフト製品共通のUI」として定着する可能性もある。

 Windows MobileのUIデザインは、「スタート」ボタンの存在などWindowsであることに縛られてきた感もあるが、ここで抜本的に見直されることで、PCのUIにも革新がもたらされることを期待したい。

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 INDEX
Windows Phone Developer Dayレポート
iPhone/Android開発者が知るべきWindows Phone 7つの特徴
Page1
間近に迫るWindows Phoneの日本市場投入
【1】Windows Phone独自のユーザーインターフェイス
  Page2
【2】クラウドと連携する6つのハブ
【3】モバイルのプラットフォームとしての展開
【4】Silverlight・XNAベースのアプリ実行&開発環境
  Page3
【5】アプリストア「Windows Phone Marketplace」
【6】開発者コミュニティ「Windows Phone Arch」が発足
【7】後発の利を生かしたバランス感覚に期待


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