PC InsiderからSystem Insiderへ
PC Insiderが2000年5月22日にスタートしてから約2年。PCアーキテクチャを中心としたハードウェア・フォーラムとして情報を提供してきました。しかし、この業界はドック・イヤーだといわれるように、PCアーキテクチャは常に変化を続けています。この2年間にも、プロセッサだけに絞っても、Pentium IIIからPentium 4へ移行や、CrusoeやItaniumの登場など多くの変化がありました。そのほか、ADSLや無線LANの普及、書き換え型DVD規格の乱立、1Uサイズやブレードといった高密度サーバの登場など、数え上げれば切りがないほどです。
このように、ネットワークとPCハードウェアの進化が両輪をなして、情報システムを大きく変貌させました。もはやクライアントPCといえども、スタンドアロンを基本とし、必要ならネットワークに接続するというかつての存在ではなく、企業にしろ家庭にしろ、ネットワークに接続して初めて真価を発揮する情報ターミナルに生まれ変わりました。PCの代表的な用途は、これまでの「ワープロや表計算」ではなく、「電子メールやWebブラウズ」に変わったのです。クライアントPCとPCサーバの位置付けや、これらの用途は、ネットワークと情報システムの発展により、従来とはまったく異なるものに変化したといってよいでしょう。
こうした変化は、単にハードウェアだけでなく、クライアントPCとサーバの関係や、それらの使い方にも大きな影響を与えています。例えば、これまでは企業内の情報提供といえば、グループウェアなどの専用ソフトウェアを利用していましたが、最近ではイントラネットを利用したWebベースを採用する傾向が強くなっています。
また、企業においては、PCだけでなく、PDAや携帯電話などを駆使し、業務の効率化を推進するという方向性も見られます。企業はもとより、家庭内のPCや家電機器さえもネットワークにつながる世界がすぐそこに来ています。もはやクライアントPCやサーバといった単体のハードウェアではなく、それらがネットワークでつながった「システム」として捉えなければ、ハードウェアの適切な導入、管理・運用が行えない環境になりつつあります。
さらに、次々と登場する新しい技術によって、PCアーキテクチャはもはや「PC」とはまったく異なるものになりつつあります。そこでPC Insiderは、「PC」という限定された範囲から、「システム」という幅広い領域に対象範囲を明示的に拡大するため、フォーラム名称を「System Insider」と変更し、こうした時代の変化を的確に捉え、IT管理者/システム管理者の皆さまに役立つ情報を発信していくことにしました。今後とも、ご愛読のほどよろしくお願い致します。
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