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光ディスクとテープ・バックアップ規格が分かるキーワード

1.次世代DVD規格の動向が気になる光ディスク関連用語

デジタルアドバンテージ
2002/09/11


 ビデオ・レコーダーといった民生機器などでの利用も考えられるためか、このところ記録型光ディスクは、青紫レーザーを使った次世代規格などで注目を集めている。その一方でテープ・バックアップというと、以前ほど注目されない地味な存在となってきている。しかし、テープ・バックアップにも時代に対応した新しい規格が提唱されている。そこで今回は、記録型光ディスクとテープ・バックアップ規格を中心にキーワードを集めた。

標準化動向が話題の光ディスク関連

 青紫レーザーを使った容量20Gbytesクラスの記録が可能な次世代光ディスクが注目を集めている。ソニーや松下電器産業など9社が規格化している「Blu-ray Disc」に対し、東芝と日本電気が共同で異なる規格を提案したことから、標準規格の一本化の行方に暗雲が立ち込めている。一方で、DVD-RWやDVD-RAM、DVD+RWと規格が複数に分かれてしまったことが普及しない原因、といわれている記録型DVD規格も、サッカーのワールドカップ以降、テレビ録画用として少しずつだが普及し始めている。コンピュータ向けとしても、ドライブやメディアが安価になってきたことから、バックアップやデータ配布メディアとして利用されるようになってきた。

 ここでは、複数の規格が乱立している記録型光ディスク規格をまとめてみた。

■CD-R
 1回だけデータの書き込みが可能なCD。データを記録できる点ではハードディスクやフロッピーディスクと同じだが、1度書き込んだデータ部分に上書きすることはできない(書き込んだデータを無効にすることは可能)。マルチセッションと呼ばれる記録方法を利用して、1枚の記録メディアに何度も追記できるが、このような特性から、データを記録するごとにメディアの空き容量は一方的に減少していく。このためCD-Rの記録方式は「ライト・ワンス」(write once)と呼ばれることもある。
■CD-RW
 相変化記録方式による書き換え型CD規格。記録型CD規格である「Orange Book Part III」で定義されている。レーザーによって、記録層の相変化材料を結晶化したり、非結晶(アモルファス)化したりすることで、反射率を変化させてデータの記録を行う方式だ。ただし、記録層の反射率は、CDやCD-Rに対して低いため、初期のCD-ROMドライブやCD-Rドライブでは、CD-RWメディアの読み出しが行えないという問題があった。そのあと、CD-RWの読み出しをサポートしたマルチリード・ドライブが一般化し、現在ではDVD-ROMドライブを含むCD-ROMドライブ全般でCD-RWメディアの読み出しがサポートされている。
 
■CD-MRW(Mt Rainier)
  CD-RWをベースに、フロッピーディスクやMOなどのリムーバブル・メディアと同等の使い勝手を提供する規格。「Mount Rainier(Mt Rainier)」とも呼ばれる。Philips、Compaq Computer、Microsoft、ソニーの4社をコア・メンバーとして、多くのベンダが賛同している。
 MOディスクやフロッピーディスクのように、Windowsのエクスプローラからドラッグ&ドロップでCD-RWにデータを書き込むためには、現時点では、パケットライトをサポートしたサードパーティ製ソフトウェア(パケットライティング・ソフトウェア)を利用する必要がある(Windows XPではOSがラインティグ機能を標準で装備する)。しかし、この方式はほとんどのOSが標準でサポートしているわけでないため、書き込みにサードパーティ製ソフトウェアが必要なだけでなく、読み出すためにも専用のリーダー・ソフトウェアが必要になる。また、市販のメディアをパケットライティング・ソフトウェアで利用するには、事前にフォーマット作業を行わなければならず、買ってすぐに使えるというわけでもない。こうした問題を解決するのがCD-MRWの最大の目的である。
 CD-MRWでは、ハードウェア(ドライブ)によるデフェクト(不良セクタ)管理、セクタ・サイズの2Kbytes固定化、コマンド・セットの統一を行い、OSによる標準サポートを実現する。従来のパケットライトでは、パケットライティング・ソフトウェアが不良セクタの管理や、OSから渡される2Kbytes単位のデータを64Kbytesの固定長パケットにまとめて書き込む、といった処理を行っている。こうした処理をハードウェア側に移すことで、OSによるサポートを容易にしている。また、ドライブごとに微妙に異なるコマンド・セットに、ライティング・ソフトウェアが個別対応しているというCD-RWドライブの現状を改め、CD-MRWではMMC-2(マルチメディア系データを扱うための標準コマンド・セット)を拡張した統一コマンド・セットを採用し、OSの対応を簡略化している。加えて、メディアのフォーマット作業を、ハードウェアによるオンデマンドのバックグラウンド処理とすることで、ユーザーは購入したメディアをドライブに入れるだけですぐに使えるようになるという特徴を持っている。
 すでに、CD-R/RWドライブ側ではCD-MRWに対応する製品が次々と登場しており、開発コード名「Longhorn(ロングホーン)」で呼ばれる次世代Windowsでは、CD-MRWが標準でサポートされる予定だ。
■DVD-R
 1回だけ書き込み可能(ライト・ワンス型)なDVD規格の一種。DVD規格の技術規格策定機関であるDVDフォーラムにより、最初のバージョン1.0が1997年に認定された。容量は、バージョン1.0では片面3.95Gbytesだったが、バージョン2.0でDVD-ROMやDVDビデオの1層分と同じ容量、すなわち片面4.7Gbytesの容量をサポートする仕様が正式に決まった。
 
記録方式はCD-R同様で、レーザーの熱で化学反応を起こす材料が記録層に含まれており、読み出し時より強いレーザーを照射することで化学変化を起こさせ、反射率を変化させてデータを記録する。DVD-ROMドライブや再生専用DVDプレーヤーでも再生できるよう、読み出しに関係する物理的な仕様はこれらとほぼ同じになっている。
■DVD-RAM
 相変化記録方式による書き換え型DVD規格の一種。DVD規格の技術規格策定機関であるDVDフォーラムにより、最初のバージョン1.0が1997年に認定された。松下電器産業や東芝、日立製作所などが推進している。容量は、当初のバージョン1.0では片面2.6Gbytesだったが、バージョン2.0で片面4.7GbytesとDVD-ROMやDVDビデオの1層分と同じ容量まで増加された(両面で計9.4Gbytesのメディアも規定されている)。
■DVD-RW
 相変化記録方式による書き換え型DVD規格の一種。パイオニアによって開発され、DVD規格の技術規格策定機関であるDVDフォーラムで2000年に「DVD-RW」として認定された。容量は片面4.7Gbytesである。DVD-RWの特徴は、追記型のDVD-R(DVD-Recordable)と同様、記録済みディスクがDVDビデオ・プレーヤーやDVD-ROMドライブで容易に再生できること。そのため、DVDビデオやDVD-ROMタイトルを作成する場合の検証用としても用いることが可能である。
■DVD+RW
 DVD規格をベースとした相変化記録方式の書き換え可能な光ディスクの一種。1997年にHewlett-PackardとPhilips Electronics、ソニー、三菱化学、ヤマハ、リコーにより、最初のバージョンが発表された。発表当初のDVD+RWバージョン1.0では、記録容量は片面3.0Gbytes(両面で計6.0Gbytes)だったが、バージョン2.0の規格でDVD-ROMやDVDビデオの1層分と同じ容量、すなわち片面4.7Gbytes(両面9.4Gbytes)に増量された。
 DVD+RWでは、記録フォーマットとして高周波ウォブル・グルーブ(High-Frequency Wobbled groove)方式を採用し、ランダム・アクセスによるデータ変更で発生するデータ・ブロックとデータ・ブロックの継ぎ目を1μm以内に収めることを可能にしている(継ぎ目をなくすことを「ロスレス・リンキング」と呼ぶ)。高周波ウォブル・グルーブ方式とは、「うねり」の周波数を高く(つまり細かく)することで、高い精度でアドレス情報を得ることを可能にしようというもの。記録は、グルーブに対して行う。記録後のディスクは、DVD-ROMディスクやDVDビデオ・ディスクに近いものとなるため、DVD-ROMやDVDビデオ・プレイヤーとの互換性が高いといわれている。
■DVD+R
 2002年1月にDVD+RW Allianceが規格化した1回だけ書き込み可能(ライト・ワンス型)な光ディスクの一種。書き換えが可能なDVD+RWでは、その仕様からDVD-RWやDVD-RAMに比べて、DVD-ROMドライブやDVDビデオ・プレーヤーでの再生互換性が高いことを特徴としていたが、それでも読み出しが行えないドライブが多く存在した。そのため、より再生互換性を高めた規格として、ライト・ワンス型のDVD+Rの規格が策定された。記録容量は、DVD+RWと同様、片面4.7Gbytes(両面9.4Gbytes)である。
 
■Blu-ray Disc
 波長405nmの青紫色レーザーを用い、CD/DVDと同じ直径12cmサイズの書き換え可能相変化型光ディスクに片面最大27Gbytesを記録可能にした大容量光ビデオ・ディスク・レコーダ規格。2002年2月に日立製作所、LG電子、松下電器産業、パイオニア、ロイヤル・フィリップス・エレクトロニクス、サムスン電子、シャープ、ソニー、トムソン・マルティメディアの9社により策定された。高画質のデジタル・ハイビジョン映像なら2時間以上、標準テレビ放送の映像なら13時間以上を1枚のディスクに記録することができる。

次世代DVD規格 Blu-ray Disc
再生専用 書き換え型 書き換え型
容量 1層:15Gbytes/面
2層:30Gbytes/面
1層:20Gbytes/面
2層:40Gbytes/面
23.3G/25G/27Gbytes
ファイル・フォーマット UDF
データ転送レート 36Mbits/s 36Mbits/s
ディスク・サイズ 直径:120mm
厚さ:1.2mm(0.6mm×2)

 

直径:120 mm
厚さ:1.2 mm(光透過保護層厚:0.1mm)
レーザー波長 405nm 405nm
対物レンズ開口数 0.65 0.85
トラック構造 ランド&グルーブ グルーブ記録
カートリッジ寸法 約129×131×7mm
表区切り
東芝/日本電気が提案している次世代DVD規格とBlu-ray Discの主な仕様

 次ページでは、テープ・ストレージ規格について解説する。 

 
 INDEX
  [キーワード]光ディスクとテープ・バックアップ規格が分かるキーワード
  1.次世代DVD規格の動向が気になる光ディスク関連用語
    2.高性能化が進むテープ・バックアップ規格

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