特集
NAS導入事始め

4. NASのハードウェアを見てみよう

デジタルアドバンテージ
2002/06/20


PowerVault 715Nのハードウェア 

 NASがどのようなハードウェアで構成されているのか見ていこう。前述のようにNASの多くがPCアーキテクチャをベースに設計されている。PowerVault 715Nも同様である。プロセッサはCeleron-850MHz、チップセットはVIA Apollo Pro133という組み合わせで、1世代前のエントリPCのようなハードウェア構成だ。写真を中心にPowerVault 715Nのハードウェア構成を見ていこう。

PowerVault 715Nのマザーボード
独自の形状を採用している。画面表示が不要であるため、グラフィックス・チップは搭載されていない。
  チップセットの「VIA Apollo Pro133」→
  IDEコントローラの「PDC20265」→
  イーサネット・コントローラの「Intel 82559」→
  プロセッサのCeleron-850MHz
  PCIスロット→
 
チップセットの「VIA Apollo Pro133」
PowerVault 715Nが採用しているチップセット。SDRAM対応でチップセットの規格では、最大2Gbytesのメイン・メモリを搭載できる。
 
IDEコントローラの「PDC20265」
イーサネット・コントローラの「Intel 82559」
Promise Technology製のIDEコントローラ「PDC20265」が搭載されている。このコントローラ・チップはハードウェアRAIDをサポートしていないため、PowerValut 715NのRAID 0/1/5はWindows Powered NASによるソフトウェアRAIDで実現しているものと思われる。
10/100BASE-TXに対応したIntel製イーサネット・コントローラ「Intel 82559」が2個搭載されており、2系統のイーサネットをサポートする。インテルの負荷分散機能「ALB」に対応しており、2系統のイーサネットを束ねることができる。
 
拡張スロット
PowerVault 715Nは拡張スロットを1本装備しており、Broadcom製ギガビット・イーサネット・カード「NetXtreme 10/100/1000 ネットワーク・カード」もしくはAdaptec製SCSIホストアダプタ「Adaptec 29160 Ultra 160 LVD SCSI」のどちらかを搭載可能である。
 
ハードディスク・ユニット(左)と接続コネクタ(右)
ハードディスクはIDEで、最大4台が内蔵可能だ。ハードディスクとPowerVault 715Nのバックプレーンとは、簡単にハードディスクを交換できるように、SCAコネクタに似た専用コネクタで接続される。ただし、ホットスワップには対応していないので、故障時にはいったん電源をオフにする必要がある。
 
大きな画面へ
PowerVault 715Nの背面
インターフェイスが2系統のイーサネットとシリアル・ポートのみであるため、背面はシンプルだ。
  10/100BASE-TX対応のイーサネット
  シリアル・ポート
 
プロセッサ(下のヒートシンク部分)と冷却ファン(上の黒いパーツ)
冷却ファンは、シロッコ・ファン(円筒の周辺部に羽根がついた形状の冷却ファン)が採用されており、1Uサイズの薄さでも十分な冷却能力を発揮するように工夫されている。ただし、稼働音は若干大めで、机の横に置くと気になるレベルであった。

 このようにプロセッサやチップセットは、通常のデスクトップPCやエントリ・サーバと同じものが採用されており、PCアーキテクチャそのものといった内容となっている。NASの機能は、実はNAS専用OSが担っていることが分かる。

 次ページでは、まとめとしてNASのメリットとデメリットについて考察しよう。


 INDEX
  [特集]NAS導入事始め
    1.NASの概要と選択ポイント
    2.NASの設定を試してみよう
    3.ドメインによるNASの統合の実際
  4.NASのハードウェアを見てみよう
    5.NASのメリット/デメリット
  
 「System Insiderの特集」


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