モバイルサイト/SNSアプリ運営のためのCMS独断と偏見のCMS比較(終)(3/3 ページ)

» 2009年12月03日 00時00分 公開
[清水亮株式会社ユビキタスエンターテインメント]
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【2】SNSアプリ対応

 SNSアプリは、アプリと名がついていますが、実体はWebサイトです。北米をはじめとして全世界で3億人の会員がいるというSNS(ソーシャルネットワークサービス)、「Facebook」がその火付け役です。

 Facebookアプリとは、Facebookの会員同士が一緒に使えるような外部サービスで、すでに2万種類以上のFacebookアプリがリリースされており、その中にはアクティブユーザー数が4000万人近くまで達するアプリが登場してきています。

mixiアプリがスタート、モバイルが人気

 その成功を横目に、日本でも最大手のSNSであるmixiが早速mixiアプリをスタートしたところ、早くも250万人を超える会員を抱えるアプリも登場しました。mixiアプリのユニークなところは、広告に対するレベニューシェアがあるところで、すでに月間1億PVを超えるアプリが複数存在し、その広告レベニューの割合は「1000万円近くに達する」という話もあります。

 特に、この傾向はPC用のmixiアプリよりもモバイル用のmixiアプリモバイルに強く、あまりの人気ぶりにSAP(ソーシャルアプリケーションプロバイダ:SNSアプリを提供するサードパーティ)のサーバが続々とダウンするなど、かなりの白熱ぶりを見せています。

2010年にはモバゲータウンもアプリ投入

 さらに2010年早々には、会員数1500万人以上を抱えるモバゲータウンもアプリの投入を発表しており、わずか80社の限定枠に、「われ先に、とSAPが殺到している」という話もあります。

 これだけ景気のいい話は業界では久しぶりで、「ブームに乗り遅れまい」と各社がロケットスタートを指向しているようです。

「ソーシャルゲームをCMSで作る」とは

 筆者としては、こういう分野にこそCMSの活用できる余地があるのではないかと考え、現在、筆者らの開発したZEKE(ジーク) CMSには、上記で紹介した全機能のほかに、SNSアプリの作成と運営に対応した「SGK(ソーシャルゲームキット)」という新パッケージを提供しています。

 これは、人気ソーシャルゲームのデザインパターンを分析し、ゲームの根幹となる要素をシステム化することで、画像とシナリオだけ用意すれば最低限のSNSゲームを作成でき、企画内容によって柔軟にカスタマイズして提供可能というパッケージです。

図2 ZEKE CMS SGKの画面 図2 ZEKE CMS SGKの画面

モバイルサイトを作る難しさと面白さ

 モバイルサイトは「エンドユーザーから直接お金をもらっている」という点が、通常のPCサイトとは大きく異なります。その分、投資額も大きく、大きな利益を得られる半面、競争が厳しく、また、過去のコンテンツ資産を容易に捨てたりはできません。その結果、システムの入れ替えやサイトのリニューアルに膨大な経費が掛かってしまうという難しさもあります。

 とはいえ、モバイルサイトの構築は面白く、ユーザーの反応もすぐに返ってくるのでやりがいもある仕事です。そういうわけで、筆者は数あるCMSの中でも、とりわけモバイル向けCMSを生業にしているのです。

著者プロフィール

清水 亮

清水 亮(しみず・りょう)
株式会社ユビキタスエンターテインメント 代表取締役 兼 CEO

98年、電気通信大学在学中に米Microsoft corp.初のゲーム機向けオペレーションシステム WindowsCE for Dreamcast SDKの開発に携わる。99年同大学を中退し、株式会社ドワンゴに入社。同社研究開発部門の立ち上げに参加する。同社で初となる携帯電話コンテンツ「釣りバカ気分」を企画・開発し、その後同社アーキテクトとしてコンテンツ開発部隊を率いる。2002年3月にカリフォルニア州サンノゼで行われたゲーム開発者会議(GDC)をきっかけに海外市場に目覚め、同年7月より単身渡米。米DWANGO North America社のコンテント開発担当副社長として コンテンツ開発を行う。2002年末に帰国し、2003年より現職。2005年、IPAより天才プログラマー/スーパークリエイターとして認定される。


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