植物の「緑さん」がブロガーになるまで
仲里淳2009/1/13
ガチャピンをはじめ、人間以外もブログを書くことが珍しくなくなった今日。ブログを書くホームロボット(「ネットタンサーウェブ」)も発売され、ブロガーの広がりはとどまるところを知らない。そしてついに、ブログを書く植物まで登場した
ついに現れた植物ブロガーは鎌倉在住の女性!?
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鎌倉にブログを書く植物がいるらしい。10月に公開され、海外メディアやテレビ、さらに女性向けの雑誌でも紹介されたブロガーの名前は「緑さん」。体長約30センチ、スウィートハートというハート形の葉を持つ多肉植物である。鎌倉にあるどんぶり専門カフェ「bowls」(ボウルズ)で、来客者との相性占いをしながら毎日ブログを書くのが彼女の仕事である。
| これがうわさの緑さん。鎌倉のどんぶりカフェで粛々とブログを書き続ける。基本的にシャイで無口 |
この緑さんを企画したのはインターネットサービス事業を手がける「面白法人カヤック」。bowlsを運営するのも同社で、そのユニークなWebサイトの企画や社内ルールが業界外からも注目されている。今回の緑さんもその斬新さで人気を集めているが、そもそもどのような経緯で企画が生まれたのだろうか。
「IT企業がやっている店舗としてひとひねりした何かが欲しくて、植物をコミュニケーションのツールとして使えないかと考えました。そこで思い付いたのが昔の喫茶店にあるような『お客さんノート』や占い。植物の表面には生体電位という微弱な電流が流れているのですが、人間が触れるとそれが瞬間的に上がるんです。異性に触れられたときにドキッとする感覚に似ていると思い、相性占いに応用しました。また、同じブログでも店員が書くのは当たり前なので、植物自身が書くようにしました。『○○で働く植物のブログ』というタイトルも語呂がいいかなと思いました」
緑さんについて説明するのは、企画を担当したカヤックの瀬尾浩二郎さん。Flash開発者であり、同社ラボ組織BM11の一員としてさまざまな企画に携わってきた。
| 瀬尾浩二郎さん。Flash開発者として株式会社カヤックの閃光部(Flashチームのこと)に所属。これまで、慶應義塾大学稲蔭研究室との共同企画である「閃考会議室」や「元気玉」「超能力ラボ」など多数のプロジェクトに携わる。社内の選ばれし11人のみが参加できる少数精鋭のラボ組織「BM11」(ブッコミイレブン)にも所属 |
Webにはない面白さを感じたリアルの企画
瀬尾さんは、以前「閃考会議室」というプロジェクトにも携わっており、その経験が緑さんにも少なからず影響しているという。インタラクティブ会議室というのは、カヤックと慶應義塾大学稲蔭研究室のSurroundings Projectとの産学共同プロジェクトで、テレビなどメディアでも多く取り上げられた。
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| カヤックの閃考会議室。グッドデザイン賞も受賞している |
「閃考会議室のプロジェクトを経験して、Webブラウザ以外の環境で行う表現や仕組み作りも結構面白いなと感じました。それに、いろいろなWebサイトやテレビ、新聞で取り上げられるなど反響もありました。そのとき、やっぱりWebブラウザの中だけではないリアルなモノは世間から注目されやすいということを実感しました。それで、リアルなモノで新しいビジネスやプロダクトを生み出すということを、もう1回やりたいなと考えていました」
そんなことを考えていた瀬尾さんは、大学の研究発表会で植物をインターフェイスとして表現を行うプロダクトに出会う。それは、慶應義塾大学SFCの田中浩也研究室で、植物インターフェイスを研究する栗林賢さんの作品だった。そこから、一緒に何かできるのではないかとやりとりが始まった。
| 植物インターフェイスと栽培メディア(慶應義塾大学環境情報学部田中浩也研究室) |
栗林さんの研究は、植物の生体電位を環境センサーとして応用するというもの。センサーやコンピュータを使って植物の反応を可視化するさまざまな実験を行っている。栗林さんもネットを使って何かできるのではないかと考えており、今年の春ごろから少しずつお互いにアイデアを出し合って具体化していったという。
「実際の開発は7月中旬ごろから着手して、完成したのは9月。店舗に置いたのは10月からです。ネット側の技術はカヤックが担当して、デバイス側は栗林さんが担当しました。企画のミッションは、まず大学で研究されている技術とコラボレートしていままでにない、話題になるものを作ることでした」
| 植物の「緑さん」がブロガーになるまで | |
| ついに現れた植物ブロガーは鎌倉在住の女性!? Webにはない面白さを感じたリアルの企画 植物の生体電位を基に占い、ブログ、ブログパーツへ |
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| 最も苦労したのは技術面ではなくダジャレの生成 Webとリアル2つの入り口が話題作りの秘訣 植物をより身近に感じることでエコを意識する |
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