Apollo改めAIRプログラミング入門(2)

AIRとSQLiteで学ぶ ローカルDB操作の基本

クラスメソッド
杉浦篤史
2007/8/17


編集部注:前回より、連載「Apolloプログラミング入門」は本連載「Apollo改めAIRプログラミング入門」にリニューアルしました。この連載をより深く理解するためには、連載「Apolloプログラミング入門」も併せてご覧ください。

 いまさら聞けない、SQLiteとは?

 前回はAIR(Adobe Integrated Runtime)ベータ版の新機能として、ドラッグ&ドロップに注目して2つのサンプルを作成しました。

 今回はAIRベータ版から利用できるようになったローカルDBとの連携についてです。AIRには、DBエンジンとしてSQLiteが実装され、ActionScriptからSQLite形式のDBファイルを扱えるようになりました。

 SQLiteはMySQLやPostgreSQLといったDBと同じRDBMS(リレーショナルデータベースマネジメントシステム)でSQL92の機能の多くを実装しており、SQLでDB操作を行います。

 SQLiteの特徴としては、MySQLやPostgreSQLとは異なりサーバを用意する必要がなく、1つのDBに対して1ファイルという非常に簡単な構成になっており、扱いが容易で手軽に使い始めることができるという点にあります。

Google Gearsとも連携 ?

 また、Webをオフラインで見るためのアプリケーションであるGoogle GearsでもSQLiteが採用されており、AdobeとGoogleではAPIなどの整合をとる予定もあるようです。

AIRからローカルDBを使ってみよう

 今回は、画面1のようにローカルDBにユーザー情報を記録する簡単なアプリを作成して、DBの作成とINSERT/SELECT/UPDATE/DELETEといった基本的なDB操作が行えるようにします。なお、今回のサンプルのソースコードは記事の最後でダウンロードできます。

画面1 ユーザー情報をローカルDBに保存するアプリ
画面1 ユーザー情報をローカルDBに保存するアプリ

 AIRでDBを操作するには、ActionScriptのflash.dataパッケージ以下のクラスを使用します。

表1 AIRでDBを操作するためのクラス
クラス名 説明
SQLConnection ローカルDBへの接続を行う
SQLStatement DBに対してSQLステートメントの実行
SQLResult SQLStatementの実行結果へのアクセス

 クラスの詳細はリファレンス「ActionScript 3.0 Language and Components Reference」を、また、ActionScriptでのSQL仕様については、「SQL support in local databases」を参照してください。

SQLiteのDBを作成して接続

 まず、下記のようにSQLConnectionクラスを使用して、DBに接続します。

var file:File = File.documentsDirectory.resolve("user.db");

var connection:SQLConnection = new SQLConnection();

connection.addEventListener(SQLEvent.OPEN, connectionOpenHandler);
connection.addEventListener(SQLErrorEvent.ERROR, connectionErrorHandler);

connection.open(file);

 このようにすることで、DBを開くことができます。1行1行見ていきましょう。

var file:File = File.documentsDirectory.resolve("user.db");

 ここでDBファイルを指定するのですが、この例ではWindowsの場合マイドキュメント下にあるuser.dbを指定しています。通常、DBを作成する先としては、File.applicationStorageDirectoryなどが適当でしょう。

connection.addEventListener(SQLEvent.OPEN, connectionOpenHandler);
connection.addEventListener(SQLErrorEvent.ERROR, connectionErrorHandler);

 イベントを登録しておいて、接続に成功したら次の処理を行います。接続に成功すれば、SQLEvent.OPENイベントが送出され、失敗した場合はSQLErrorEvent.ERRORイベントが送出されます。

connection.open(file);

 SQLConnectionのopen()メソッドで指定したDBを開き接続します。ここで指定した先にDBファイルがない場合は、その場所に指定したファイル名で新たにDBファイルが作成されます。

  1-2-3

 INDEX
Apollo改めAIRプログラミング入門(2)
Page1
いまさら聞けない、SQLiteとは?
AIRからローカルDBを使ってみよう
SQLiteのDBを作成して接続
  Page2
「CREATE」文でテーブル作成
「INSERT」文でテーブルにデータを挿入
「SELECT」文でテーブルの参照・閲覧
  Page3
「UPDATE」文でデータを更新
「DELETE」文でデータの削除
AIRでのローカルDBの利用はとっても手軽で簡単!




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