
PDFによるJ2EEリッチクライアント計画(4) Page 1/3
PDF&Flashで強化されるJ2EEリッチクライアント
アドビ システムズ小島 英揮
2006/3/11
リッチクライアント製品と認識されることは少ないが、PDFは業務システムのクライアントにリッチな機能を提供する機能を持っている。本連載では、J2EEのクライアントにPDFを採用することで、開発者がどのようなメリットを得られるのか、全4回の記事で紹介していく。(編集部)
本連載ではこれまで3回にわたり、「Adobe LiveCycle」(以下、LiveCycle)を中心にしたPDFアプリケーションの開発環境や手順について紹介してきた。最終回の今回は、2005年にアドビによる買収が完了したマクロメディアの技術の統合に触れつつ、今後のエンタープライズ、デベロッパー向けのアドビの戦略についてご紹介したい。
■デベロッパーへの支援を強化
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第3回で紹介したように、「Adobe LiveCycle開発者センター」のWebサイトを通して、LiveCycle製品群の試用版やさまざまなサンプルプログラム、インテグレーションの際に参考となるドキュメント類の提供が開始されている。また、まだ北米のみに限定されているが、Java開発者がすべてのLiveCycle製品の評価版ダウンロードと、メールベースでの問い合わせ対応を受けられる有償の開発者向けサポートサービスも開始されるなど、これまで以上にデベロッパーを意識した活動が行われている。これは、デベロッパーに認知され、受け入れられることがLiveCycle製品戦略上、重要なことであるとアドビ自身が認識していることの表れである。
余談だが、マクロメディア買収後に行われたアドビ社内の組織変更では、LiveCycleを管轄する事業部の名称が従来の「インテリジェントドキュメントビジネスユニット」というテクノロジー主体の名称から「エンタープライズ&デベロッパービジネスユニット」と明らかに“デベロッパー”市場を意識したものに変更された(マクロメディアより統合されたFlex、Coldfusionも、このビジネスユニットの管轄)。また、マクロメディアがデベロッパー向けに運営していた情報提供サイト<labs>も、統合後はAdobe Labsとして継続して運営されている。
■PDFとFlashテクノロジーの統合
多くの読者の方がご存じのとおり、昨年末(2005年12月)マクロメディア社の買収が完了し、マクロメディアが持つ多くの技術がアドビの製品戦略に組み込まれることになった。個々の製品がどのようになるかということに興味を持つ方も多いと思うが、リッチクライアントの観点からいうと、最も注目すべきはFlashテクノロジーをどのようにPDFソリューションと連携・統合していくかである。
PDFを使うことでドキュメントを中心とした業務プロセスをセキュアに効率化できることは、すでに3回に分けて述べてきた。ここにFlashテクノロジーを加えることで、ドキュメントだけではカバーできないエリアにも、アドビのリッチクライアントソリューションを拡張することが可能となる。
PDFが「紙イメージを電子化したもの」というとらえられ方をしている(実際はデータキャプチャやセキュリティコントロールが可能)ことが多いのと同様に、FlashもWeb上での「アニメーション技術」としての認識が先行しており、業務に適用可能というイメージを持っていない方もいるかもしれない(@ITの読者には少ないかもしれないが……)。
しかしながら、実際はFlashベースのUI(ユーザーインターフェイス)は、コールセンターでの業務処理環境や、インタラクティブな電子カタログと連動した商品購入サイトなど、インターネット/イントラネットを問わず利用されている。例えば、Ajaxの利用例としてGoogle Mapがあるが、現在公開中のYahoo Mapsでは、Flashテクノロジーを利用して、よりインタラクティブ、よりリッチな操作性を提供している(図1)。
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| 図1 公開中のYahoo Maps(画面をクリックすると拡大します) 画面上部の「Live Traffic」をONにすると、リアルタイムで渋滞情報が3段階で表示される。 http://maps.yahoo.com/beta/index.php# |
こうしたサイトの多くを構築しているのは、アニメーション制作を得意とするデザイナーではなく、Java開発をバックボーンとしたデベロッパー(プログラマ)が中心となっている。彼らが利用しているのはアニメーションなどを作るためのFlashオーサリングツールではなく、Javaデベロッパーのために開発されたFlexという開発・実行環境である。このツールを使うことで、Flashはすでに企業システムにリッチなユーザーエクスペリエンスを提供する方法として広く利用が進んでいる。(次ページへ続く)
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INDEX |
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| PDFによるJ2EEリッチクライアント計画(4) PDF&Flashで強化されるJ2EEリッチクライアント |
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| Page1 デベロッパーへの支援を強化 PDFとFlashテクノロジーの統合 |
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| Page2 Java開発者を意識した開発環境 画面プッシュやデータ同期も実現するFlex Enterprise Services 補完関係にあるPDFとFlashアプリケーション |
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| Page3 PDFとFlashアプリケーションを統合するメリット デザイナーとプログラマの垣根を越えて |
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PDFによるJ2EEリッチクライアント計画 バックナンバー
- 第1回 J2EEのMVCモデルを変革する“PDF”の正体とは?
- 第2回 J2EEを拡張するAdobe LiveCycleの全容
- 第3回 リッチクライアント環境を生かしたセキュアなBPM
- 最終回 PDF&Flashで強化されるJ2EEリッチクライアント
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