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WCR Watch [4]


MIT誕生のリッチクライアント技術が日本に、Curl


宮下知起
2005/3/1

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 読者はCurl(カール)言語をご存じだろうか? Curl言語はMIT(マサチューセッツ工科大学)出身のメンバーによって開発されたインターネット言語だ。Webの生みの親として知られるティム・バーナーズリーも参画したことから、2002年の誕生当初には、米国インターネット業界を大きくにぎわした。@ITでも、「安藤幸央のランダウン 第6回 次世代のインターネット言語Curl登場」(Java Solution)で以前紹介したが、その後のCurlが日本に活動の舞台を移している。

マーケットのターゲットは日本に

 そのカールは、2004年、住商情報システム株式会社(以下SCS)によって買収され、マーケティングの拠点は日本に移った。米カールの日本法人株式会社カール・アジアパシフィックはSCSと合併のうえ解散し、SCSは国内のマーケティング拠点としての株式会社カールを設立。米カールは実質開発会社となった。

株式会社カールのWebサイト。国内における導入事例が豊富に掲載されている

 アカデミックな新インターネット言語としてスキルフルなプログラマたちに人気のあったCurl言語が、いよいよ国内のリッチクライアント市場に本格的に攻勢をかけてきた。とはいえ、これまで国内にカールの事例がまったくなかったわけではない。長崎県庁の電子申請システム、東京三菱銀行の個人資産分析支援ツールなど、大手の事例が多い。

東京三菱銀行の『資産分析ツール』は「口座一覧管理サービス」のメニューの1つ。収集した顧客の口座情報をパソコンにダウンロードして、専用のアプリケーションソフトにより把握・分析するツール。グラフ生成に強いCurlの特長を生かしたサービスだ

テクノロジの特性はマイクロソフトのスマートクライアントに近い

 Curlは、アクシスソフトのBiz/Browser、マクロメディアのFlexといった主要なリッチクライアント技術と同様のテクノロジとして取り上げられることが多いが、実は「マイクロソフトのスマートクライアントに近い」(株式会社カール 営業推進グループ アシスタントマネージャー 栗林亘氏)。Biz/Browserはデータエントリに、FlexはFlashをベースとした端的にいえばプレゼンテーション層に特化した特長を持っているのに対し、Curlはプログラミング言語としての包括的な体系に基づき設計されているため、乱暴ないい方をすれば“コードを書きさえすればどんな処理でもできる”言語だ。

 現在のリッチクライアント技術が、クライアント側にはプレゼンテーション層の機能に限定する考え方であるのに対し、Crulはすべてのロジックをクライアント側に、データのみをサーバ側に配置する考え方をもつ。すなわち、従来のC/S型に近い考え方である。

Curlのデモアプリケーション。エクゼクティブ情報システム(EIS)の例。項目ごとにタブで区分けされた中に、ポータルレイアウトが表示されている。ウインドウの中に表示されているコンテンツは、地域、年度、期間という切り口を変更することができ、見栄えも、表形式、棒・線・積み上げ棒グラフとそれぞれ変更することが可能。各ウインドウはドラッグアンドドロップで入れ替えることもできる

Curlのデモアプリケーション。ホワイトハウスを題材にしたセキュリティのデモ。サーバから送られるリアルタイムデータを取得・表示することもでき、Curlの機能を用いて各部屋の入退室者のプロフィールや、カメラ位置などを確認すると同時に、カメラの映像をActiveXを経由して、QuickTimeで利用することもできるため、これまで複数の画面を切り替えながら見ていたような管理を、1画面で行える。このように、複数の機能をひとつのアプリケーションや画面に取り込めるところもCurlの特長の1つだ

 Curlのアーキテクチャは、Surge RTEと呼ばれるランタイムエンジンをクライアントに配置し、アプリケーションはサーバ側からクライアントに随時ダウンロードされて実行される仕組みを持つ。これはマイクロソフトのスマートクライアントにおける.NET Frameworkとアプリケーションの関係とほぼ同様である。Webによるアプリケーション配布とバージョン管理、C/S並みのGUIのリッチさとレスポンスの実現という点で、アーキテクチャとメリットの面でスマートクライアントに類似点を持つ。大きく異なるのは、Curlの場合、サーバ・プラットフォームをWindowsに限定しないという点だ。さらに言語機能的には3DのためのAPIが豊富に容易されている点が大きな差別化となる。

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 INDEX

WCR Watch(4)
Page1
マーケットのターゲットは日本に
テクノロジの特性はマイクロソフトのスマートクライアントに近い
  Page2
言語はプロプライエタリではないのか?
リッチクライアントがSOAクライアントとなる


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