商業利用もOK! Google Mapsについて知りたいこと
ピーデー 川俣晶
2009/5/11
Google Mapsライセンス担当者インタビュー。問い合わせの多い質問から順に、意外と知らない利用規約を分かりやすくお伝えする
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Googleの担当者にサービスについて話を聞くインタビュー特集。前回のAndroidに続き、Google Maps担当者に話を聞いた。問い合わせの多いライセンスの問題と、エンタープライズ向けのサービスに関してGoogle エンタープライズセールスの横山直人さんにお話を伺った。この2つの話題は実は密接に直結しているのである。
利用規約のFAQ
Google Maps APIはシンプルで枯れているので、技術関係の質問は多くない。その代わりに多いのは、ライセンス関係だ。つまり、こういう使い方をしていいのか、という皆がグレーだと思っている領域の質問が多い。
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| Google エンタープライズセールスの横山直人氏。5月より日本で販売代理店とパートナーシップを結び、日本円と日本語の技術的サポートを開始する |
最も多い質問は商用利用していいか、というものである。
これは基本的には「よい」。
ただし、1つだけ条件がある。誰でもアクセスできることが、許可される条件である。より具体的にいえば、有料会員制サイトや、イントラネットでの使用、独自アプリケーションでの使用は不可である。 誰でも登録できる限り、無料会員制サイトの場合は「よい」そうである。以上で、よくある質問の半数近くはカバーしている。
GPSと連動したリアルタイムトラッキングシステム(追跡アプリケーション)で使うのも「よい」。
最近増えているのは、Webブラウザではなく、デスクトップアプリから使用していいかという質問だ。しかし、これも誰でも自由に利用できるよう作成し配布していれば「構わない」そうである。JavaScriptエンジンを持つクライアントアプリで使うことはいい。
トラフィックの上限は1日当たり1万5000回のGeocodingのリクエストだ。ただし上限に達しても翌日になれば再度使用できるようになる(この上限に触れる場合は、PART-2で紹介するジオコードのキャッシュなどのテクニックを使う)。
JavaScriptを使用しない地図サービスであるGoogle Static Maps APIには独自のアクセス制限が存在する。1IPアドレス1日当たり1000回のリクエストに制限されている。しかし、これはサーバのIPアドレス当たり1000回ではなく、クライアントのIPアドレス当たり1000回であり、サービスのユーザーが増えてもそれによってすぐに制限に達するわけではない。ただし、携帯電話など、1つのIPアドレスから多数のユーザーのアクセスが発生する場合は、上限に達する可能性がある。このようなケースへの対応は、検討中である。
これらの制限を確実に突破する場合は、制限が異なる有償版のGoogle Maps API Premierの契約を行うことで対処できる。
HTTPSでの利用はできない。しかし、これもGoogle Maps API Premierの契約を行えば、利用できる。
以上で、利用規約関係の質問の大半はカバーしている。かなり参考になったという読者も多いのではないだろうか?
Google
Maps API Premier
有償サービスのGoogle Maps API Premierについても、さまざまな話題がある。
利用料金は利用用途によって異なり、3つのカテゴリに分かれる。
- 完全公開サイトでの利用
- 制限のあるサイトでの利用(イントラ、有料サイト、独自アプリケーションなど)
- 車両トラッキングなどでの利用(GPS利用など)
いままで、決済はすべてUSドルだったので、気軽に利用しづらかったかもしれない。5月より日本で販売代理店とパートナーシップを結び、日本円と日本語の技術的サポートを可能とする。これで、Google Maps API Premierの利用ハードルが下がることは間違いないだろう。開発のパートナーシップを提供するサービスも始まる。
利用料金は年間2500ドルからだが、 製品によっては代理店経由の購入の方が安くなる場合もあるかもしれない。
このサービスは、高いというイメージを持たれているが、実際にはスクロール拡大・縮小しても1ページ扱いにするなど、価格破壊的に安い。
Google Maps API Premierの利用実績としては、以下のようなものがある。
- 物販の車両を管理側が把握
- 営業マーケティングのビジュアル化
- デバイス組み込み(GPSなど)
ちなみに、有償でよいから制限を撤廃してほしい、あるいはサポートがほしいというリクエストが日本国内に多い。金は出したくないが制限を撤廃してくれ、といったリクエストの多い国もあるが、それとは違う。日本の利用者は、どのようなサービスにせよ維持するには金が掛かることを承知しているからだ。タダで寄越せ、という要求を押し通すことは、相手のサービスを維持不能に追い込んでつぶすことを意味する。つまり、単なる自滅行為である。日本人の中にも、タダであることが当たり前だと誤認している人たちが若干いるようだが、世の中「タダより高いものはない」のである。
改善されるFAQ
これらの情報はすべてFAQに出ているが、英語版しかないためにあまり読まれていない。そこで、日本語化の作業も進行中だ。
またもう1つ重要なポイントとして、FAQの内容そのものの改良も進んでいる。内容は大幅に変わり、より実践に即して分かりやすさも向上している。
過去に読んでもよく分からなかった人も、もう一度読みに行くと有益な情報が得られるかもしれない。
ちなみに、日本語化が進行中とはいえ、現状は英語で提供されている。そのため、日本固有の事情が含まれていないのではないか、という懸念もあり得る。しかし、Googleでは、できるだけ国ごとに違う条件で出さないで済むようにしたいとしている。国によって違うことがないわけではないが、いまのところ、特に日本固有の相違はないそうである。
Google
Maps API Japan Group
Googleグループで提供されているGoogle-Maps-API-Japanグループは、Google Maps APIについて日本語でディスカッションするGoogleの準公式グループである。
![]() |
| Google Maps API Japan Group |
これはGoogle Maps APIに関する質問や情報交換などを行う場として用意されていて、Google が認定したAPI Expertも参加している。また、内容はGoogle のエンジニアにフィードバックされることもある。手厚い対応の付いたインパクトの大きなグループでトラフィックも少なからずある……のだが、 まだご存じない方も多いようだ。実は浅川浩紀さんに教えられるまで、私も存在を知らなかった。Google Maps APIを使うプログラマは多いはずなので、もっと活用する価値があるだろう。
この場を使って、その点をアピールしたい。
Issue Tracker
Google Maps API Japan Groupと並んでもう1つ特記すべき話題が、Issue Trackerである。これは、Google Mapsに関する話題を登録してそれをトラッキング(追跡)できるシステムである。
例えば、Google Maps APIを使っていて、これはバグではないか、こういう機能が欲しい、といった問題が発生したときに、このシステムを使うことができる。
このサイトを調べ、すでに同じ話題があれば「スター」というマークを追加できる。スターの多い話題は重要度が高いと認識され、対処される可能性が高まる。
もし、同じ話題がない場合は、新規に登録することもできる。
しかし、ここで重要なポイントは、Google Maps APIは基本的に全世界で共有されるものであり、Issue Trackerも全世界で共有される。つまり、日本語でコミュニケーションできるGoogle Maps API Japan Groupと異なり、こちらは英語でのコミュニケーションが必須となる。
これはもう、そういうものだと割り切って使うしかない。その代わり、全世界レベルのAPI開発者に対して、ダイレクトにリクエストが届く可能性がある。とてもお勧めだそうである。日本語版のサイトからのリンクも近日追加予定である。
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