特集:アクセス解析ツール比較

アクセス解析ツールを比べてみよう


ソフトバンク・テクノロジー
システムソリューション事業部 Webマーケティング部
高橋 歩
2007/2/21


Webサイトの利用増で、ユーザーのアクセス状況を分析することが重要になっている。市場のツールを比較してみよう


 なぜアクセス解析が必要か
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 アクセス解析とは、Webサイトに訪れるユーザーのアクセス状況を記録し、それを分析することをいいます。サイトを訪れるユーザーがどこから来て、何に興味がありどのような経路をたどっているのか。このようなことを知ることでユーザーのニーズをつかむことができます。

 また、最近ではキーワード広告をはじめとした各種のマーケティング施策に、より厳格なROI(投資収益率)の算定が求められています。効率的で効果的な予算配分のためにも、アクセス解析が重要視されています。

 アクセス解析ツールの分類

 アクセス解析を行うためには、必要な情報を蓄積し、解析加工し、必要なレポートにまとめる必要があります。これらの作業を行うツールをアクセス解析ツールといい、データの取得方法から次の3点に分類されます。

・サーバログ形式

 通常、ウェブサーバでは、どのIPアドレスからどのファイルにアクセスがあったのかを記録しています。これを「アクセスログ」と呼びます。このアクセスログを基に解析・加工することでレポートする方法をサーバログ形式と呼びます。

図1 サーバログタイプにおけるアクセス解析データの収集プロセス

 蓄積されたログファイルを解析するためリアルタイムに分析することは難しいものの、過去蓄積したログファイルを対象に分析することができます。そのため、ツール導入前のログファイルがあればその期間の分析も行うことが可能です。

・パケットキャプチャ形式

 ウェブサーバが置かれているネットワークを監視するシステムを設置し、流れているパケットを取得します。その中から、必要な情報を選別し、解析する方法をパケットキャプチャ形式と呼びます。

図2 パケットキャプチャ形式におけるアクセス解析データの収集プロセス

 ネットワークを監視するシステムを同じネットワーク内に導入する必要があります。

・タグ形式(Webビーコン形式)

 上記2方式は、取得できるデータを取得した後に加工をしてレポートするという考え方の下作られています。しかし、例えばアクセスログのデータだけでは、必要なデータがそろわなかったり、大きな加工を行う必要が生じるケースがありました。

図3 タグ形式におけるアクセス解析データの収集プロセス

 そこで、あらかじめ必要なデータを定義しておき、そのデータが取得できるように、各HTMLにJavaScriptのタグを埋め込みます。そして、ユーザーがこのファイルが読み込まれたときにデータが送信される仕組みが生まれました。この仕組みを用いてデータを収集し、解析する方法をタグ形式、または、Webビーコン形式と呼びます。

 解析対象としたいすべてのページにタグを埋め込む必要がある半面、他方式では取得できない情報をタグの中に埋め込むことで、収集できるデータ項目を増やすことができる場合があります。

 また、これらのツールの提供(運用)形態として、自社で運用する方法と、ASPサービスの2つがあります。

 多様なアクセス解析ツール

 最近は、アクセス解析ツールを提供している各社ともに開発に力を入れており、レポートの種類には差が少なくなってきました。そのため、アクセス解析ツールを表示できるレポートの種類だけで選ぶことは難しくなってきています。導入するアクセス解析ツールを選定するためには、レポートの数だけでなく、以下の点を配慮するとよいでしょう。

・Webサーバの運用環境

Webサーバをどのように運用しているかをチェックします。データセンターにサーバを預けてしまっている場合など、同じネットワーク内にサーバを増設できない場合は、パケットキャプチャ形式のツールを使うことができません。また、複数の拠点にサーバが分散されている場合は、サーバの環境に依存しないで使うことができるタグ形式が便利です。

・Webサイトの運用体制

 サイトの更新や管理の体制によっても、ツールに向き不向きがあります。更新作業を複数の担当者が手作業で実施している場合、サーバログ形式やパケットキャプチャ方式であればWebページのソースコードを意識せずに情報を取得できます。タグ形式を使う場合はテンプレートを用意するなど、あらかじめタグ実装のルール作りをするとよいでしょう。

・どのような分析をしたいのか

 アクセス解析ツールは、導入しても活用できなければ意味がありません。サイトのページビュー数だけを確認しても、それをサイト改善に結び付けることは難しいでしょう。ポイントは、分析結果をどのように生かせるのかを知ることです。

 例えばECサイトの場合、サイトへの流入元別の売上金額が分かれば、次の広告戦略に生かすことができます。サイト内の経路を確認することで、サイトに訪れたユーザーがなぜ目的のページにたどり着くことができないかを把握し、ページの構成を変えたりリンクを目立たせたりするといった改善をすることができます。

 ツールによって表示できるレポートに得意不得意があるため、どのような使い方をするのかで、必要な機能や要件が変わることがあります。そのために、どのようなレポートが必要なのかが重要になるわけです。

 もちろん、分析をしていくことで気付くことがたくさんあり、まずアクセス解析を始めてから気付きを得るという方法もあります。また、アクセス解析ツールを販売している会社は分析のノウハウを持っていますので、相談してみるのも1つの方法です。

・誰がアクセス解析を担当するのか

 アクセス解析ツールを誰が、どのくらいの頻度で使うのかも考えておくとよいでしょう。ツールによって、解析データにアクセスするための物理的な制約があったり、アカウント数に制限がある場合があります。

 また、システム担当者や営業担当者など、異なった目的を持つ複数の担当者がアクセスする場合も考えられます。そのようなときは、アカウントごとにそれぞれの担当者が必要なレポートが表示できるかどうかや、適切な権限を与えることができるかどうかを確認します。

 導入までの費用と運用

 アクセス解析ツールの価格はさまざまです。しかし、自社で運用する前提の自社運用型と運用までをサービスに内包するASP型で、一概に価格を比較することはできません。解析ツールそのものの価格だけで比較するのではなく、総合的に把握するようにします。

・ツールの導入・運用費

 ツールの提供方法の特性から、自社運用型の場合は導入時にパッケージを購入するため、初期に掛かる費用が大きくなります。また、ASP型の場合は毎月利用料金が発生します。

 一般的に、サーバログ型やパケットキャプチャ型は買い取り型が多く、タグ型ではASP形式で提供されるものが多くなっています。また、ツールによっては、両方の提供形態を持っているものもあります。

・サーバやネットワーク構築費

 自社内にサーバを設置して運用を行う場合、サーバを用意する必要があります。また、アクセスログを保存するためにストレージを用意したり、バックアップをするための仕組みを検討する必要があります。

・サポート・コンサル費

 ツール提供業者によっては、使い方を学んだり、効果的なデータの取得・加工方法を提案するサービスを持っている場合があります。このようなサービスを利用する場合は、あらかじめ予算に組み込んでおくのがよいでしょう。

・人件費

 ツールを導入しても、効果的な利用ができなければ成果を上げることができません。自社内で運用する場合はオペレーションのコストを計算します。また、レポートを自社のフォーマットとして加工したり、分析をするための人件費を考慮しておく必要があります。

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 INDEX
アクセス解析ツールを比べてみよう
Page1<なぜアクセス解析が必要か/アクセス解析ツールの分類(サーバログ形式・パケットキャプチャ形式・タグ形式/多様なアクセス解析ツール/導入までの費用と運用>
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