RIA&帳票はSaaSを巻き込み
PCを超えて多様化する
SODEC 2008 リッチクライアント&帳票レポート
@IT編集部
平田 修
2008/6/4
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2008年5月11〜13日、東京ビッグサイトにて「第17回ソフトウェア開発環境展(以下、SODEC)」が開催され、今年も多種多様な製品/サービスが展示された。その中の「リッチクライアント ゾーン」と「帳票ソリューション ゾーン」はもはや定番となってきた感があり、例年にたがわず盛況となっていた。
そんな中から本稿では、RIA/リッチクライアントと帳票関係の展示を中心にいくつかお届けしよう。
FlashベースのWebデスクトップでSaaS/クラウド
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| 「iZE Web Platform Desktop」上で動くさまざまなFlashベースのWebウィジェット |
数多く出展されていたSODECのRIA製品の中でも特に異彩を放っていたのが、アイズの「iZE Web Platform」だ。使用するときには、ユーザーが使うクライアント端末のFlash Player上に、アイズが提供するサーバからWeb経由でデスクトップのようなユーザーインターフェイス(以下、UI)のアプリケーションが提供される。そして、その「iZE Web Platform」のデスクトップ上に専用アプリケーション/ウィジェットを自分で作成して配信・追加できるという、いわゆるSaaS/クラウドコンピューティングを実現できるのだ。さらに、専用ウィジェットは複数同時に起動/操作でき、ドラッグ&ドロップで自由に配置もできる。
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| DBのSELECT文抽出結果を表示する動作をボタンにドラッグ&ドロップで配置 |
専用ウィジェットの中には、データベース管理ツールや専用ウィジェットのための開発環境もあり、そこで作成したアプリケーションはアイズのサーバでコンパイルされ、クライアントに配信されて実行できる。クライアントに開発ツールやデータベース環境をインストールする必要はなく、すべてFlashベースのWebコンテンツとして配信されるのだ。
専用ウィジェットの開発は、UI部品やデータベースのデータをドラッグ&ドロップで配置する開発環境上で行うことができ、開発言語/コンパイラはオープンソースの「haXe(ヘックス)」をベースにしているという。
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| iZE Web Platformのエディタに表示されたソースコード |
「haXe」はコンパイルするときにJavaScriptの.jsファイルやActionScriptの.swfファイル、PHPファイル、さらに独自の.nファイルにも実行形式を変えることができるという独特の機能がある。これを採用したのはAdobe Flex(以下、Flex) 2のコンパイラよりも軽く感じられたからだという。
2008年5月の取材日には、まだ1.0のα版という段階だった。年内に正式リリースを目指し、データベース操作や印刷以外のAPI(チャットやVoIP、マッシュアップによる外部データの活用など)を拡充していく予定で、今後の展開に注目だ。
SilverlightやFlash/Adobe AIRをタッチパネルで
昨今のRIAで旬な技術といえるのが、SilverlightやAdobe AIRだろう。さまざまなRIA技術のデザイン・開発を独自の方法で手掛けるセカンドファクトリーは、展示ブースにタッチパネルの画面を用意し、マウスの代わりに手でタッチしてSilverlightやFlash/Adobe AIRのアプリケーションを動かすデモを披露していた。
| SODECのセカンドファクトリ−のブースでタッチパネルでSilverlightを動かすデモ(見るにはFlash Playerが必要になります) |
Silverlightのデモは「Photo Viewer」と名付けられたもので、さまざまな写真をサムネイル表示して、そのうちの1つをタップ(マウスだとクリック)すると拡大する。手によるサムネイルのスライドがとても滑らかでSilverlightのアニメーション能力が生かされた興味深いデモだった。
また、ブースでは、Silverlightの技術を紹介するセミナーも頻繁に行われていたが、来訪者の反応が良かったので、予定を変更して急きょ追加したとのことだった。Silverlightは来訪者も注目の技術なのだろう。さらにセカンドファクトリーは、Windows SharePoint Services 3.0の機能とSilverlightのリッチなUIで、ExcelやWordなどの文書を管理・検索できるシステム「Knowledge GATE Document Search」を2008年9月に発表予定だという。
ユーザーエクスペリエンスを自動生成するツール
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| 自動生成されたFlexアプリケーション |
RIAは開発ツールも充実してきている。キヤノンソフトウェアのJavaベースWebアプリケーションを自動生成するツール「Web Performer」(参考「ワークフロー機能を搭載したJava100%自動生成ソフト」)は、もともとJSP/サーブレットにリッチなAjaxのUIを付加するアプリケーションも自動生成できたが、新たにFlex 2のオプションを搭載して、Flex+Javaアプリケーションも自動生成できるようになった。
自動生成されたサーブレットとFlexクライアント(SWFファイル)をサーバにデプロイして実行するようになっていて、FlexクライアントとサーブレットはWebサービスとSOAP通信でデータをやりとりする。デモを行っていたキヤノンソフトウェア 商品企画本部 ソリューション企画部 ソリューション企画課 細貝恵氏は、「Web Performer」によるRIAの実現について、次のように付け加えた。「Flexを使ったユーザーエクスペリエンス性の高いRIAが流行の兆しを見せている。ユーザーエクスペリエンスとは日本でいう“おもてなし”の心だ。Web Performerを使えば、いままであきらめていたユーザーへのUIの細かい配慮などを自動生成で簡単に実現できる」
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| Flexのクライアント画面を、コンポーネントのドラッグ&ドロップで作成 | Flex+Javaアプリケーションを自動生成中 |
「Web Performer」の次期バージョンでは、Flex 3も自動生成できるオプションも付加する予定だという。
テレビ上でも携帯端末上でも同じウィジェットを動かす
SODECの併設展、「第11回 組込みシステム開発技術展」(以下、ESEC)でも興味深いRIA技術が紹介されていた。携帯端末や家電製品への組み込み分野のベンダACCESSは、テレビ上でも携帯端末上でも同じウィジェットをダウンロードして実行できる「NetFront Browser Widgets」という実行エンジンのデモを披露していた。
| ESECのACCESSブースにてテレビ上で「NetFront Browser Widgets」が動くデモ(見るにはFlash Playerが必要になります) |
「NetFront Browser Widgets」で動くウィジェットはW3C Widgets 1.0仕様に準拠したHTML/XHTMLやCSS、JavaScript、Ajaxでできる標準的なもの。独自のセキュリティと認証方式をサポートしていて、デバイス情報(位置、電源、ワイヤレス情報など)を取得できるJava Script機能やJavaScript機能を拡張するフレームワークを提供するなど、さまざまな機能を備えている。
2008年夏ごろには、コミュニティサイトを立ち上げて開発ツールやPC上で動かせるエミュレータなどを提供し始める予定だという。
JavaのWebアプリからRIAへの移行、初心者でも安心
日立システムアンドサービスは、Java/XMLとAjaxベースのリアルタイム性が高いRIAプラットフォーム「Nexaweb」の開発を効率化する統合フレームワーク「Extended Struts for Nexaweb」の展示を行っていた。
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| 「簡単サンプル」の使用例 |
Nexawebの初心者であっても、Eclipseプラグインとして「Extended Struts for Nexaweb」で提供しているオンライン型のヘルプ/手順書や50種類以上もの「簡単サンプル」によって、安心して開発ができるという。
また、徹底的なコンポーネント化によるNexaweb層とJava層の完全分離による並行開発が可能であり、何といってもStrutsベースということで、JavaのWebアプリケーション開発には慣れたがRIA開発はこれからという開発者にとって心強い製品ではないだろうか。
豊かな地図表現を実現するWeb GISエンジン
RDBMS(リレーショナルデータベース管理システム)ベンダのアイエニウェア・ソリューションズはGIS(Geographic Information System、地理情報システム)や地図を使ったRIA技術「Maplet」を披露していた。「Maplet」はもともとアイエニウェア・ソリューションズが買収したコボプランの製品。地図の画像ファイルを多く使い、画像ファイルのURLをデータベースに保存して操作によって画像ファイルを動的に表示する。データベースはアイエニウェア・ソリューションズのRDBMS製品、「SQL Anywhere」である必要はないという。
| SODECのアイエニウェア ソリューションズのブースでMapletが動くデモ(見るにはFlash Playerが必要になります) |
さまざまな地図データフォーマットを流用でき、スクロール表示や回転表示、地図の表示上にデータのレイヤを透過表示で重ねることもできるなど豊かな地図表現が可能だ。地図上にデータに合わせた文字を表示したり、ポリゴンで地域の形を表示できる。さらに、丁目や番地ごとに別の色を付けたり、地域ごとのデータを円グラフで表現したり、マンションをクリックしたら契約者の一覧を表示することもできる。
Windows上で動作する.NETアプリケーション版とAjaxを駆使したWebブラウザアプリケーション版がある。さらに「Maplet」に加え、SQL Anywhereや地図データや住所ポイントデータを組み込んだ「FantaGISTA」というパッケージでも販売している。
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| INDEX SODEC 2008 リッチクライアント&帳票レポート | ||
| RIA&帳票はSaaSを巻き込みPCを超えて多様化する | ||
| Page1 FlashベースのWebデスクトップでSaaS/クラウド SilverlightやFlash/Adobe AIRをタッチパネルで ユーザーエクスペリエンスを自動生成するツール テレビ上でも携帯端末上でも同じウィジェットを動かす JavaのWebアプリからRIAへの移行、初心者でも安心 豊かな地図表現を実現するWeb GISエンジン |
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| Page2 地方自治体にも使いやすいRIAは帳票のモバイル印刷も 3Dグラフがリアルタイムに変わる帳票も表示できるRIA 帳票とRIAなくして“SaaS”なし 帳票をそのままWeb入力画面にできたら直感的 RFID管理や自動化などオプション機能が豊富な帳票 帳票と連携する多彩なPDF技術に“こだわり” CADソフト並みの複雑な帳票を部品ごとに動的に生成 関連リンク |
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