特集
Windows Server 2003完全ガイド

2.新機能/改良機能一覧(2)

デジタルアドバンテージ
2002/10/25

[表の見方]
・表の左端の列は、Windows 2000 Serverから比較して、新しく追加された機能か、改良された機能かを表しています。

N(New Feature):新規追加された機能
E(Enhanced Feature):改良された機能

・右端列の各アルファベットは、Windows .NET Server 2003の各エディションを表しています。

W:Web Edition
S:Standard Edition
E:Enterprise Edition
D:Datacenter Edition
64:64bit Edition
 
  機能 内容 W S E D 64
ファイル/プリント・サービス
N 共有フォルダのシャドウ・コピー 従来、(ネットワークの)共有フォルダ上のファイルを削除すると、ごみ箱には入れられずにすぐに削除されてしまっていた。これに対し共有フォルダのシャドウ・コピーでは、共有フォルダのコピーをスケジュールに基づいて定期的に作成し、不慮のファイル削除や上書きなどに備えることができる。ただしこれを利用できるのは、Windows .NET Server(サーバ)とWindows XP(クライアント)を組み合わせた場合に限られるし、復旧できるのはシャドウ・コピーを作成した時点のものに限られる(削除してすぐに復旧できるというわけではない)
N シャドウ・コピー復元 シャドウ・コピーの機能を使い、管理者が共有フォルダのある時点のバックアップにアクセス可能にする機能  
N リモート・ドキュメント共有 (WebDAV リダイレクタ) WebDAVHTTPプロトコルを通してリモート・ドキュメントを共有する機能。Windows .NET Server 2003ではWebDAVリダイレクタがサポートされ、既存のアプリケーションからもWebDAVを使ったドキュメント共有を利用できるようになった
E デフラグメント・ツールの高速化 従来のWindows 2000 Server添付のものを改良し、実行速度とデフラグ効率を向上させた。またオンラインでのMFT(Master File Table。NTFSにおけるファイル管理の中核となるデータ構造部分)のデフラグメント、任意クラスタ・サイズのNTFSボリューム・サポートが追加された
 
  機能 内容 W S E D 64
IIS 6.0
E IIS (Internet Information Services)6.0 従来のIIS 5からプロセス・モデルを抜本的に変更し、各アプリケーション・プロセス(ワーカー・プロセス)を完全に分離した。これにより、ほかのプロセスが問題を起こしても、残りのプロセスはその影響を受けることなく処理を実行できる。
N Webガーデン 上記ワーカー・プロセスの分離により、デフォルトでは各アプリケーション単位に1つのワーカー・プロセスが起動されるが、設定を変更することで、複数のワーカー・プロセスを起動し、作業を共有することも可能である。このようなワーカー・プロセスのグループはWebガーデンと呼ばれる
N 自動アップデート 重大なセキュリティ・ホールなどに対処するhotfixなどを自動的にダウンロードし、設定(スケジュールなど)に従ってシステムに適用する機能          
E QoS (Quality of Service) 特定のコンポーネントやWebサーバ、コンテンツなどによってメモリやCPUといったサーバ・リソースが占有されてしまわないように調整する機能
E 帯域幅スロットリング IIS 6.0では、サーバ側のHTTPリクエストを集中的に処理する単一のカーネルモード・ドライバ(HTTP.sys)が提供されるようになった。このHTTP.sysはQoSに対応しており、要求に応じて帯域幅の調整が可能になっている
 
  機能 内容 W S E D 64
システム管理
N サーバの管理 サーバの役割(ファイル・サーバ、Webサーバ、Active Directoryドメイン・コントローラなど)を選択し、ウィザード形式で情報を与えるだけで、必要なコンポーネントのインストールや設定作業を行えるようにするツール
N コマンドライン・ツール 従来はリソース・キットとして提供されていた多数のコマンドライン・ツールを標準で提供。Active Directory関連、イベントログ関連、ディスク関連、パフォーマンス・ログ関連、タスク・スケジューリング関連、ポリシー関連など
N ユーザー環境移行ツールUSMT (User State Migration Tool) クライアント環境のファイルや設定内容を新しい環境(新バージョンのOSなど)に移行するツール。古い環境でファイルや設定内容をキャプチャし、新しい環境でそれらを再現する。多数のクライアントOS環境を一斉に更新する場合などに有効
N パスワードのバックアップと復元 ユーザーがパスワードを忘れたときに備え、パスワードのリセットと再設定を可能にするフロッピー・ディスクを作成可能にする。フロッピー・ディスクにはパスワード自体が記録されるわけではない(フロッピーから、既存のパスワードをリセットできるようになる)
E Intellimirror グループ・メンバーシップや場所に応じたポリシーを設定しておき、このポリシーに従ってクライアント・デスクトップ(Windows 2000 Professional/Windows XP Professional)を自動的に再構成する機能
E バックアップ・ユーティリティ ボリューム・シャドウ・コピーの機能により、オープン中のファイルでもバックアップ可能になった
N RSoP (Resultant Set of Policy)) グループ・ポリシーの実装や、ポリシーに関するトラブルシュートを支援する機能。条件に応じたポリシーの適用などを可能にする
E グループ・ポリシーの強化 管理用テンプレートの強化(160以上のポリシーを追加)、ソフトウェアのインストールと実行を制限するポリシーを追加し、エンドユーザーによる不用意なアプリケーション・インストールなどを制限できるようになった
N グループ・ポリシー管理コンソール グループ・ポリシー・オブジェクト(GPO)のバックアップやコピー&ペースト、GPOやRSoPの設定など、GPOの管理を効率化、簡素化するツール。Windows .NET Server 2003の発売後、無償提供される予定          
E WMI コマンドライン WMI(Windows Management Instrumentation)のコマンドライン・インターフェイス。WMIを利用して実行できる各種管理をコマンドライン・インターフェイスから利用可能にする
E リモート・アシスタンス クライアント・ユーザーのヘルプデスク業務をリモートから実行可能にする仕組み。ただしリモート・アシスタンスで操作できるのはWindows XP以上のクライアントのみ  
N ハイパーターミナルのVT-UTF8サポート VT100ターミナルのスーパーセットであるVT-UTF8サポート。VT-UTFでは、ブロック・キャラクタや拡張PCキーボード・キーのサポート、カラー・サポート、非英語圏サポートなどがなされる
E Automatic System Recovery (ASR) ASR(自動システムリカバリ)は、自動でシステム構成情報などをバックアップしておき、万一のシステム・クラッシュ時に正常時の状態を復帰可能にする機能。Windows .NET Server 2003のASPでは従来から操作性が改善され、1ステップでOSやシステム状態、ハードウェア構成などをリカバリ用バックアップからリストア可能になった
E MMC (Microsoft Management Console:管理コンソール) MMCは、各種管理ツールを実行するための共通プラットフォームである。Windows .NET Server 2003には、Windows XPと同じMMC 2.0が組み込まれている
N OSのの移行 / サポート / 統合 Windows .NET Server 2003は、従来OSとシームレスに統合が可能である。NT 3.51/4.0との相互運用性、Windows 3.x以上のクライアント・サポート、Macintosh向けファイル/プリント・サービスなどが提供されている。Windows NT Server 4.0、Windows 2000 ServerからWindows .NET Server 2003へのインプレース・アップグレードが可能  
N 構成チェック・ツール カスタマイズされた構成情報を使って、サーバの基本構成を比較するツール。ハードウェア・ベンダから提供された構成ファイルを検索する場合に利用する。Windows .NET Datacenter Server、および64bit版Windows .NET Serverでのみ提供
E 回復コンソール(recovery console) 何らかの障害でシステムが正常起動しなくなったときに、システムの復元などを行えるようにするためのコマンドライン・ベースの管理画面
E 管理用リモート・デスクトップ ネットワーク内の任意のコンピュータから、ほかのコンピュータをリモートから管理する機能。管理用リモート・デスクトップはサーバ管理用として追加されたツール
E RIS (Remote Installation Services) デスクトップ設定やアプリケーション構成などを含め、OSのイメージを作成しておき、これを展開可能にするサービス  
E ソフトウェア制限ポリシー 強化されたグループ・ポリシーにより、クライアントにおけるソフトウェアのインストールと実行を制限する機能。これにより、出所不明のソフトウェアのインストールなどが禁止される。制御はファイル名だけでなく、ファイル・イメージのチェックサムも使われるので、ファイル名を偽装しただけでは制限を突破できない。ただしこの機能が利用できるのはWindows XP以上のクライアントのみ
N トラブルシューティング診断ツール 標準的な問題解決のステップを自動化し、発生したトラブルの原因を究明し、障害を修復する作業を支援するツール
E セーフ・モード システムが正常起動できない場合に、コンポーネントを限定した状態でシステムを起動するモード。マウスやディスプレイ、キーボードなど最低限の構成で起動するモード、それにネットワーク機能を追加したモードなどがある。ほかに起動時ログの取得、前回正常起動の状態で起動、サーバ向けのディレクトリ・サービス・リカバリ・モードなどを起動時に選択できる
E Windows Update セキュリティ・パッチなど、日々公開されるhotfixなどを自動的に適用可能にする機能。Windows 2000ではモジュールの追加が必要だったが(SP3には同梱)、Windows .NET Server 2003では標準でWindows Updateの機能が組み込まれている
 

 INDEX
  [特集]Windows Server 2003完全ガイド
     1.新機能/改良機能一覧(1)
   2.新機能/改良機能一覧(2)
     3.新機能/改良機能一覧(3)
     4.新機能/改良機能一覧(4)
 
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