Windows NT 4.0のRPC(Remote Procedure Call)ランタイム・ライブラリに未チェック・バッファの脆弱性が存在し、攻撃者によるサービス拒否攻撃を受ける危険がある。RPCは、ネットワークを経由して、プログラムが別のコンピュータにあるプログラムにアクセスできるようにするしくみで、各種ディレクトリ・サービスやセキュリティ・サービスを実現するためなどに使われている。RPCランタイム・ライブラリ自体はWindows
2000、Windows XP、Windows Server 2003でも提供され、デフォルトでインストールされるが、今回の脆弱性が存在するのはWindows
NT 4.0のみである。リモート・コード実行などはできないので緊急性はそれほど高くないが、NT 4.0 Serverで業務アプリケーションを運用している場合などは対策しておく必要があるだろう。
対象プラットフォーム
今回修正プログラムが提供される環境は以下のとおりである。修正プログラムの適用には、表中の「対象プラットフォーム」にあるService Packの事前適用が必要である。なおWindows
NT Workstation 4.0にも同様の脆弱性があるが、延長サポートが終了したため、Workstation向けの修正プログラムは提供されない。
■仮想DOSマシン(VDM)の脆弱性(最大深刻度:重要)
VDM(Virtual DOS Machine=仮想DOMマシン)サブシステムを処理するOSコンポーネントに脆弱性があり、本来はシステムの特権モードでしかアクセスできない、保護されたメモリ領域が攻撃者によってアクセスされる可能性がある。これを悪用することで、攻撃者は、攻撃用プログラムをシステム特権で実行できる。
Windows XPとWindows Server 2003では、標準でzipアーカイブ形式への圧縮/解凍機能がサポートされるようになった(拡張子.zip)。この機能はエクスプローラと統合されており、zipアーカイブをフォルダの一種として使える(圧縮フォルダと呼ばれる)。この圧縮フォルダ機能に未チェック・バッファの脆弱性があり、ユーザー権限でリモート・コードが実行される危険がある。
メール送信に使われるWindows SMTPコンポーネント/Exchangeルーティング・エンジンに未チェック・バッファの脆弱性があり、リモート・コードが実行される危険がある。Exchange
Server 2003はもちろん、SMTPコンポーネントを利用するWindows Server 2003は、インターネット/イントラネットでメール・サーバやWebアプリケーション・サーバなどとして機能しているもので、ネットワークを介した攻撃を受けやすい環境にある。攻撃を受ければ、リモート・コードが実行され、攻撃者によってシステムが完全に制御される危険がある。至急に修正プログラムの適用作業を開始すべきだ。
Windows Server 2003とExchange Server 2003という2つが脆弱性の対象になっているのは、Exchangeルーティング・エンジンの名前解決機能(今回脆弱性が発見された機能)がWindows
Server 2003付属のWindows SMTPコンポーネントに追加されたためである。Exchange Server 2003をインストールしていなくても、Windows
Server 2003単独で構築されたサーバでも攻撃を受ける危険があるので注意が必要だ。
逆にOSがWindows 2000(SP3、SP4)であっても、Exchange Server 2003をインストールしている場合は脆弱性がある。この脆弱性はExchange Server 2003 SP1で解消されている。従ってWindows 2000+Exchange Server 2003の組み合わせでは、SP1を適用しない状態でExchange Server 2003を運用している場合のみ影響を受ける。
Windows Server 2003上にExchange Server 2003をインストールした場合、Exchange Server 2003付属のルーティング・エンジン・コンポーネントは使われず、Windows Server 2003のSMTPコンポーネントが使われる。このためOSとしてWindows Server 2003を利用している場合には、Exchange Server 2003 SP1を適用していても、脆弱性は残っている。
Windows NT Server 4.0/Windows 2000 Server/Windows Server 2003/Exchange 2000 Server/Exchange Server 2003
再起動
必要
セキュリティ・ホールの概要と影響度
Webが一般化する以前から一種の掲示板システムとして利用されていたインターネット・ニュースの配信、取得、投稿を可能にするNNTP(Network News
Transfer Protocol)コンポーネントに未チェック・バッファの脆弱性があり、攻撃者のリモート・コードが実行される危険がある。
この脆弱性の影響を受けるのはサーバ製品だけで、Windows 2000 Professional、Windows XP Professionalは影響を受けない。Windows
NT Server 4.0、Windows 2000 Server、Windows Server 2003は影響を受けるが、NNTPコンポーネントは明示的に追加しないかぎり、デフォルトではインストールされず、IISを追加した場合もインストールされない。
最新のExchange Server 2003では、デフォルトでNNTPコンポーネントがインストールされ、インストールしたWindows OSにNNTPコンポーネントが存在する場合はこれを無効化する。ただしこの場合でも、明示的に指定しないかぎりNNTPコンポーネントは有効化されない。Exchange
Server 2003を使っている場合は、管理者が明示的にNNTPコンポーネントを有効化しなければ脆弱性の影響は受けない。なおExchange Server
5.0/5.5では脆弱性自体が存在しない。
今回修正プログラムが提供される環境は以下のとおりである。修正プログラムの適用には、表中の「対象プラットフォーム」にあるService Packの事前適用が必要である。このMS04-038は「緊急」と判断され、Windows
98/98SE/Meについても修正プログラムが提供されている。またMS04-038は、Windows XP SP2を適用した環境であっても適用が必要である。
影響を受けるソフトウェア
対象プラットフォーム
Internet Explorer 5.01 SP3
Windows 2000 SP3
Internet Explorer 5.01 SP4
Windows 2000 SP4
Internet Explorer 5.5 SP2
Windows Me
Internet Explorer 6
Windows XP SP未適用
Internet Explorer 6 SP1
Windows 98/98SE/Me、Windows NT Server 4.0 SP6a、Windows 2000
SP3/SP4、Windows XP SP未適用/SP1/SP1a
Internet Explorer 6
Windows Server 2003
Internet Explorer 6 for XPSP2
Windows XP SP2
XP SP2環境での自動更新でハングアップ
Windows XP SP2を適用した環境で、自動更新機能を有効化してある場合、今回の修正プログラムの適用時にシステムがハングアップするという障害がマイクロソフトから報告されている。