Insider's Eye

Windows XP SP2の展開に失敗しないために(1)

―― 錯綜するXP SP2最新情報を整理する ――

デジタルアドバンテージ
2004/08/24


Windows XP SP2にまつわる不運な逆説
Windows XP SP2のセキュリティ機能
Windows XP SP2がいよいよ登場
ネットワーク管理者のためのXP SP2レビュー

 Windows XP Service Pack 2(以下XP SP2)が公開され、2週間以上がたった。「適用後も特に問題なし」とするユーザーも多い中で、おおかたの予想どおり、適用によるソフトウェアの互換性問題なども発生し、全体的な公開スケジュールは当初の予定よりも遅れ気味だ。

 特に日本国内では、原稿執筆時点(8月23日現在)では有償会員向けのMSDNサブスクライバー・ダウンロードへの登録のみで、広くだれでも入手できるダウンロード・センターへの登録や、企業向けパッチ管理ソフトウェアとしてマイクロソフトが無償提供しているSoftware Update Services(SUS)向けの提供もまだ行われていない。

 残念ながら、XP SP2に関する情報は錯綜ぎみだ。そこで本稿では、XP SP2の展開に向けてこれを評価しなければならない管理者に向けて、現在までに分かっている情報を整理してみよう。

米国での状況

 8月6日に最終版が公開されたXP SP2米国版であるが、アプリケーションの非互換性問題などから、自動更新向けの提供スケジュールが遅延している。関連記事でもお知らせしたとおり、当初、米Microsoftは、次のようなスケジュールでXP SP2を提供するとしていた。

日付 公開内容
8月6日
RTM(製造工程版)
8月9日
ダウンロード・センターへ登録(ネットワーク・インストール版)
8月9日
MSDNサブスクライバー・サイトへ登録(CD ISOイメージ)
8月10日
自動更新(Automatic Updates)へ登録(XP SP2プレリリース版インストール済み環境向け)
8月16日
自動更新(Automatic Updates)へ登録(XP SP2プレリリース版をインストールしていない環境向け)
8月16日
Software Update Services向けリリース
XP SP2米国版 発表当初の公開スケジュール(日付は米国時間)

 新しい情報では、これが次のように改訂された。

日付 公開内容
8月6日
RTM(製造工程版)
8月9日
ダウンロード・センターへ登録(ネットワーク・インストール版)
8月9日
MSDNサブスクライバー・サイトへ登録(CD ISOイメージ)
8月10日
自動更新(Automatic Updates)へ登録(XP SP2プレリリース版インストール済み環境向け)
8月16日
Software Update Services向けリリース
8月18日
自動更新(Automatic Updates)への登録(Windows XP Home向けのみ)
8月25日
自動更新(Automatic Updates)への登録(Windows XP Professional向け)
XP SP2米国版 現在の公開スケジュール(日付は米国時間)

 つまり、XP SP2プレリリース版をインストールしていないWindows XPへの自動更新対応を遅らせ、かつHome EditionとProfessionalで時間差を設けた。ただし米国では、ダウンロード・センターへの登録やSUS向けの公開などは上記の予定どおり実行された。

 Windows XP Professional向けの自動更新対応が遅れているのは、企業のネットワーク管理者を中心に、「自動更新対応にはもう少し時間が必要」との声が強かったからのようだ。

 企業の多くの管理者は、自動更新によるXP SP2の適用を奨励しないはずだ。既存の業務アプリケーションと、XP SP2の互換性などが確認できるまで、XP SP2の適用を延期したいと考えるのが自然だ。このためマイクロソフトは、企業内におけるXP SP2の自動更新を最大で4カ月間延期させるツール(後述)を公開した。

予定が見えないXP SP2日本語版

 提供スケジュールがかなり明確な米国版に対し、日本語版の提供スケジュールはまったく見えていない。XP SP2日本語版は、8月11日にインストールCDイメージ(ISO 9660イメージ)がMSDNサブスクライバー・ダウンロードに登録され、MSDNメンバーはダウンロードしてテストすることが可能になった。また翌8月12日には、Windows XP Professionalのインストール・イメージにXP SP2を統合した、統合イメージ版の公開もMSDNサイトで開始された。

 しかし米国版スケジュールに倣えば次に実行されるはずのダウンロード・センターへの登録、SUS向けの公開がなかなか実行されない。自動更新の公開スケジュールも不明である。

 XP SP2はすでに最終版になっており、MSDNサイトでは公開されていることから、XP SP2自体を修正しているというより、何らかの理由から、XP SP2の一般公開が差し止められていると考えるべきだろう。すでにXP SP2を適用した場合に発生する障害がいくつか報告されており、中には「システムが突然再起動する」など深刻なものもある。これは想像だが、マイクロソフトは、こうした問題に対するベンダ側の準備が整うのを待っているのではないかと感じる。

管理者向け情報が着々と準備

 マイクロソフトは、エンドユーザーやネットワーク管理者、開発者のそれぞれに向けて、XP SP2に関する各種ドキュメントを続々と公開している。まずは英語のドキュメント公開が先行するのだが、重要なものについては日本語化が進められており、順次日本語ドキュメントも公開されている。

 中でもIT管理者向けとしては、次のドキュメントが有用だろう。XP SP2の機能強化点について、内部仕様的な情報も含めて詳細に解説している。

 まだ日本語版はないようだが、Windowsファイアウォールのトラブルシュート向けとしては次のドキュメントが公開された。

 ドキュメント類は今後も続々と登場するものと思われる。新着ドキュメントをチェックするには、米Microsoftの次のページが役立つだろう。

自動更新保留ツールが公開

 前述したとおり、最終的にXP SP2は自動更新サイトに登録され、これを有効にしているクライアントに対して自動的に組み込まれるようになる。しかし、クライアントPCの状態を中央で完全に掌握したいと考える企業のネットワーク管理者にとっては、このような自動更新はありがた迷惑だ。

 このような管理者向けとしてマイクロソフトは、XP SP2の「自動更新」機能を最大で4カ月間延期可能にするツールの無償提供を開始した。以下のリンクからダウンロードすることができる。

 このツールには、以下のものが含まれている。

  • グループ・ポリシーで自動更新機能を集中的に管理するためのテンプレート・ファイル

  • グループ・ポリシーが使えないコンピュータ向けの保留/許可制御用コマンド

  • 自動更新を無効にするためのリンクを含むメール・メッセージ・サンプル(メッセージ内のリンクをユーザーがクリックするだけで自動更新を無効化できる)

 

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