Insider's Eye

見えてきたWindowsシステム管理の将来(前編)(2)

Peter Pawlak
2005/07/07
Copyright (C) 2005, Redmond Communications Inc. and Mediaselect Inc.

既存製品のロードマップ

 Systems Centerスイート製品の投入は決定したが、MOMもSMSもスタンドアロン製品として販売が継続される。同社は今後も両製品への投資を計画しており、各アプリケーション・チームもそれぞれの製品向けにMOM MPの開発を続ける。

 Tatarinov氏の製品グループではないが、Virtual Serverもまた、Microsoftの管理ポートフォリオにおいて重要な役割を担うことになる。

 これらの製品に加えて、Microsoftは管理技術をアップデートして、Windowsに組み込む計画だ。

Longhornを目指す管理製品のロードマップ

 2005年下半期は、新規およびアップデートされた管理製品、技術が数多く登場する。それ以降の製品は、ほとんどが次期Windowsクライアントおよびサーバ・プラットフォーム、すなわちLonghornに依存する。Visual Studioの次期リリース、Visual Studio 2005は、運用および管理要求項目をアプリケーションに組み込むための機能をいくつか搭載しているが、Dynamic Systems Initiative(DSI)完全対応アプリケーションを構築するためのサポートは、その次のリリース(コード名:Orcas)になる。DSI対応アプリケーションの管理機能を最大限に活用するためには、Longhorn以降に出荷される将来バージョンの管理製品に含まれる機能が必要だ。

 図の薄緑色の部分はMOM 2005など、Microsoftが2004年にリリースした製品。黄色の部分は、MOM v3などの開発中の製品。

拡大するMOMの適用範囲

 MOMの売り上げは急速に拡大しており、Microsoftによると、北米のWindowsモニタリング製品市場の19%をすでに確保したという。サーバ10台以下の廉価版であるMOM 2005 Workgroup Editionのリリースにより、小規模事業所もMOMの洗練されたモニタリング機能を利用できるようになり、MOMのインストール・ベースの拡大につながった。

 MOM 2005の最初のサービスパックは、2005年夏を予定している。ただし、このサービスパックはバグフィックスが中心で、Microsoftは新しい機能について特に発表していない。

MOM:2005年登場の新しい管理パック

 Microsoftは2005年初頭から、すでに12以上の新しい、あるいはアップデートしたMOM 2005 MPをリリースしている。2005年後半に投入予定のSQL Server 2005(コード名:Yukon)を始め、ほかのサーバ製品をアップデートすれば、同社のCommon Engineering Criteriaに準拠するため、さらに多くのMPが提供されるだろう。次の3つのMPは特に重要だ。

MOM 2005のオペレータ・コンソール画面
MOM 2005を利用した日常の管理作業を行うウィンドウ。複数のサーバから収集されたアラート、各アラートに対するナレッジなどを確認できる。(編集部追加)

■デスクトップのモニタが可能に
 歴史的に、MOMはサーバにフォーカスしてきた。しかし、新しいDesktop Base Operating System Management Packを利用すれば、企業はMOMを使って、無人キオスクや窓口端末など、重要なWindows XPデスクトップの稼働状況をモニタすることが可能だ。ただし、MicrosoftはMOMの価格およびライセンス体系に例外を設けていないので、デスクトップのモニタリングは高くつく。ボリューム・ディスカウントもあるが、通常、デスクトップ1台当たり540ドル支払う必要がある。

■Webサイト/Webサービス
 これまでもWebサイトやWebサービスをホストするInternet Information Services(IIS)のモニタリングには、Windows Base Operating System Management Packが提供されていたが、新しいWeb Sites and Services Management Packを利用すれば、特定のWebサイトやWebサービスの可用性とパフォーマンスをモニタすることができる。このMPは、監視対象のエンティティにハイレベルなHTTPリクエストを送ることで、モニタリングを行う。例えば、Webページのリンクが有効かどうかを確認するために、管理者はMPを設定して、スタンドアロンのURL(HTTP“ping”と同等)か、リンク先のページをモニタして、そのページが応答し、必要なリソース(画像やスクリプト)を含んでいるかどうか確認できる。ただし、この場合のMOMはサイトやサービスを“ブラック・ボックス”として扱うため、管理者や開発者がアプリケーション・コードの問題点をチェックするような場合は、あまり多くの情報を提供してくれない。

■.NET Frameworkアプリケーションの開発支援
 Microsoftは2005年夏、AVIcodeが開発したカスタム.NETアプリケーションのモニタリングが可能な汎用MPを提供する。このMPは、アプリケーション内部の動きは理解しないが、.NET Frameworkがその上で実行しているアプリケーションのデバッグ情報をトラップできる。新しいMPは、それらの情報を収集してMOMに転送する。開発者が.NETアプリケーションのトラブルシューティングを行うとき、この機能は非常に役立つ。

次期バージョンのMOM v3

 MOM 2005の後継バージョン、MOM Version 3(v3)は、2005年下半期に非 公開ベータ・テストに移行する。公開ベータは2006年上半期、そして出荷は2006年下半期になる予定だ。MOM v3には、次のような新機能が搭載される。

■モデルベースの管理
 MOM v3は、さまざまなシステム・コンポーネントの導入、構成、管理に必要な情報が記述された標準XMLドキュメントである、Systems Definition Model(SDM)を利用する最初のバージョンとなる。MOM v3 MPはまた、推定原因分析の実行が可能な公式化されたヘルス・モデルに準拠することになる。それによりMOMは、少なくとも問題の原因となっているコンポーネントを特定できるようになる。ただし、こうしたモデルベースのアプローチは、既存のMOM 2005 MPの書き換えが必要となり、モデルの有用性についても今回は疑問が残る。

■サービス指向モニタリング
 今日、MOM 2005はサーバ・レベルの稼働状況をモニタし、Active DirectoryやWebファーム、あるいは分散ファイル・システム(DFS)といった分散サービスのモニタリングは、MOM MPの機能に依存する。対照的に、MOM v3はサービスをモデル化する固有の機能を搭載する。複数のコンピュータに分散するサービスのモニタリングをサポートすることで、MOM v3はサービスを提供するサーバ間の関係性や依存性を知ることになる。例えば、あるWebサイトが3台のWebサーバ、フロントエンド負荷分散デバイス、2台のDNSサーバ、そしてバックエンドSQL Serverデータベースで構成されているような場合、MOM v3はそれぞれのデバイスの役割を理解し、コンポーネントの障害でサービスが低下したとき、その原因を特定することが可能になるだろう。

■SDKで管理パック作成を支援
 MP開発をアシストするツールに制限があったMOM 2005と異なり、MOM v3はオーサリング・ツールを含む広範なSDKを持ち、開発者によるMP作成を支援する。このサポートにより、非Microsoftアプリケーション向けのMPの数が大幅に増えることが見込まれる。

■役割ベースのユーザー・インターフェイス(UI)
 新しいUIは、MOM 2005の2つの独立したコンソール(オペレータ用と管理者用)を不要にし、ユーザーの役割に応じてさまざまな機能を表示したり、隠したりできる単一のフレキシブルなコンソールを提供する。

■Monadでスクリプティングをサポート
 Microsoftの次世代シェル・スクリプティング・エンジン(コード名:Monad)は、2006年下半期にExchange 12(Exchange Server 2003の次期版)の機能の1つとして出荷され、その後、Windowsに組み込まれる(まだ未確定だが、MonadはWindows Server 2003、XP、そしてLonghornにも搭載される見込み)。Monadにより、管理者はインタラクティブなコマンドライン管理タスクを実行することが可能になるほか、現在では不可能な、あるいは非常に面倒なルーティン・オペレーション用のスクリプトを記述できるようになる。Monadは現在のVBScriptやJavaScriptよりハイレベルな言語で、非開発系の管理者も簡単に利用できるはずだ。

 新しいMOMルール・エンジンは、Monadスクリプトを多用することになる。また、ExchangeやほかのWindows Server System製品向けの管理コンソールと同様、MOMの管理者向けコンソールもMonadの上のレイヤになる。そのため、グラフィカル・コンソールで実行するオペレーションは、すべてスクリプトで自動化することが可能だ。


 INDEX
  Insider's Eye
    見えてきたWindowsシステム管理の将来(前編)(1)
  見えてきたWindowsシステム管理の将来(前編)(2)
    見えてきたWindowsシステム管理の将来(後編)(3)
    見えてきたWindowsシステム管理の将来(後編)(4)
 
 「Insider's Eye」

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