[運用]

Hyper-V実践サーバ統合術
── 導入現場のエンジニアが教える、仮想化導入のポイントとノウハウ ──

第3回 Hyper-Vによる実践サーバ統合

1.Hyper-VによるP2V/V2V

日本ヒューレット・パッカード
ESSプリセールス統括本部 ストレージソリューション本部
ストレージソリューション推進第一部
木村 智和
2009/01/08


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運用
仮想化環境を効率よく管理するSCVMM 2008の概要
第1回 SCVMMによって複数のHyper-Vを一元管理する
第2回 SCVMMによる仮想システムの構築
第3回 SCVMMによる仮想サーバ作成と仮想システムの管理
Hyper-V実践サーバ統合術
第1回 仮想化環境導入の実際と構築ノウハウ
第2回 Hyper-Vゲスト環境管理法
第3回 Hyper-Vによる実践サーバ統合
第4回 Hyper-Vによるクイック・マイグレーションの実践
3大仮想化ソフトウェア機能比較
第1回 VMware ESXのアーキテクチャ概要
第2回 Citrix XenServerとMicrosoft Hyper-Vのアーキテクチャ概要
第3回 仮想化ソフトウェア選択の用途別ポイント

 連載のここまでは、標準機能でできる範囲の仮想化環境の導入ノウハウや運用管理方法について解説してきた。本稿では、既存サーバの環境を仮想化環境に移行する際に必要となる作業である物理サーバから仮想化サーバへの移行(P2V:Physical to Virtual)と仮想化サーバから仮想化サーバへの移行(V2V:Virtual to Virtual)の機能について解説する。

P2V/V2Vにはなぜ専用のツールが必要なのか?

 P2Vの利用事例としては、既存の物理サーバが老朽化やリース切れといった理由でリプレースが必要となった際に、サーバ・リソースを効率的に使用する目的で、仮想化サーバに集約させるというケースが多い。また、最新の物理サーバではサポートされない古いOSを、そのまま仮想化サーバに移行させて継続利用したいというニーズもあるだろう。V2Vについては、VMwareの仮想化サーバや旧バージョンのVirtual Serverなどに点在している仮想マシンを、Hyper-V環境に統合して一元的に管理したいといったニーズが想定される。

 ここで重要なのが、P2VやV2Vなどの、異なるハードウェアへの移行を実現するには専用のツールが必要であるということである。手動でシステム・ディスク(C:ドライブ)の中身をバックアップ/リストアするだけでは、移行先でOSは起動しない。これは、移行元(物理サーバや仮想化ソフトウェア)と移行先(仮想化ソフトウェア)でハードウェアが異なるために、移行元環境で使用していたHALやデバイス・ドライバが移行先で正常動作することができず、クラッシュを引き起こしてしまうことがあるからだ。つまり、異なるハードウェア環境へシステムを移行させるには、ディスクの中身をバックアップし、移行先でリストアを行う前に、新しいハードウェアで起動できるHALやデバイス・ドライバに書き換える作業が必要となるわけだ。これらの複雑な作業を専用のツールであれば自動的に行ってくれる。移行先がHyper-Vであれば、「System Center Virtual Machine Manager 2008(SCVMM 2008)」などがこれらの機能を提供している。

 本稿では、SCVMM 2008があらかじめ構築されており、移行先のHyper-Vホストマシンもすでに登録されているという前提で、P2V/V2Vの手順を解説する。SCVMM 2008の詳細に関しては、「仮想化環境を効率よく管理するSCVMM 2008の概要」を参照していただきたい。

物理サーバを仮想化環境へ移行する(P2V)

 移行元のサーバ環境では、以下の条件を満たしている必要がある。

  • 物理メモリが512Mbytes以上搭載されている

  • SCVMM 2008サーバと同じドメインに所属しているか、SCVMM 2008サーバのドメインと完全な双方向の信頼関係のあるドメインに所属している

  • 以下のいずれかのOSが稼働している
      Windows Server 2008(x86/x64)
      Windows Server 2003 SP1以降(x86/x64)(*1
      Windows 2000 Server/Advanced Server SP4 以降(*2オフラインP2Vのみ)
      Windows XP Professional SP2以降(x86/x64)
      Windows Vista SP1(x86/x64)

*1 移行元のOSが統合サービスをサポートしてないバージョン(Windows Server 2003 SP1など)の場合、P2Vの作業時に自動的に統合サービスが導入されないため、P2V後に手動でサービスパックの適用や統合サービスの導入を行う必要がある。よって、可能であれば、移行前に移行元サーバのサービスパックをアップデートしておくことをお勧めする。

*2 Windows 2000 Server/Advanced Serverについては、移行元の物理サーバをオフライン状態にしてのP2Vのみ可能である。そのほかのOSについては、OSのVSS(Volume Shadow Copy Service)の機能により、OSが稼働している状態で、すべてのファイルにアクセスしてスナップショットを取ることができるため、オンライン状態でのP2Vが可能である。

 なお、移行元のサーバにハードウェア固有のデバイス・ドライバや監視ツールなどが導入されている場合は、移行前にアンインストールしておくことをお勧めする。これは、移行後にハードウェア構成が変更になったことにより、アンインストールできなくなるのを防止するためである。


 INDEX
  [連載] Hyper-V実践サーバ統合術
  第3回 Hyper-Vによる実践サーバ統合
  1.Hyper-VによるP2V/V2V
    2.オンライン状態でのP2Vの手順
    3.オフライン状態でのP2Vの手順
    4.V2Vの手順

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