[運用]

Hyper-V実践サーバ統合術
── 導入現場のエンジニアが教える、仮想化導入のポイントとノウハウ ──

第4回 Hyper-Vによるクイック・マイグレーションの実践

1.Hyper-Vを利用したクイック・マイグレーションとは

日本ヒューレット・パッカード
ESSプリセールス統括本部 ストレージソリューション本部
ストレージソリューション推進第一部
木村 智和
2009/02/12


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第3回 SCVMMによる仮想サーバ作成と仮想システムの管理
Hyper-V実践サーバ統合術
第1回 仮想化環境導入の実際と構築ノウハウ
第2回 Hyper-Vゲスト環境管理法
第3回 Hyper-Vによる実践サーバ統合
第4回 Hyper-Vによるクイック・マイグレーションの実践
3大仮想化ソフトウェア機能比較
第1回 VMware ESXのアーキテクチャ概要
第2回 Citrix XenServerとMicrosoft Hyper-Vのアーキテクチャ概要
第3回 仮想化ソフトウェア選択の用途別ポイント

 新規にサーバを導入する際には、ソフトウェアの障害だけではなく、ハードウェアの物理的な故障も想定し、「どの部分が冗長化されているか?」「どこが単一障害点になるか?」といった確認が必要である。そのうえで、サーバに求められる可用性要件に応じた構成でサーバを導入しなければならない。もちろん、仮想化環境においても同様の確認が必要となる。通常の物理サーバと異なる点としては、さまざまな可用性要件を持った複数の仮想マシンが1台の仮想サーバ(Hyper-Vホスト・マシン)に集約されることにある。この場合、最も可用性要件の厳しい仮想マシンに合わせて、仮想サーバの物理構成を検討する必要がある。本稿では、現時点でHyper-Vシステムの可用性を高める唯一のソリューションである、「クイック・マイグレーション」について、基本動作と構築方法、注意点などを解説する。

クイック・マイグレーションとは?

 「クイック・マイグレーション」とは、Windows Server 2008のEnterprise/Datacenterに標準搭載されているフェイルオーバー・クラスタ機能を利用した、仮想マシンをクラスタリングするための機能である。同一構成のサーバを2台以上用意したフェイルオーバー・クラスタ環境に仮想マシンを動作させることで、仮想サーバの計画外停止/計画停止における可用性を向上させる。

 まず、計画外停止時の動作だが、例えば物理サーバがハードウェア故障などによって予期せずにダウンしてしまった場合では、仮想マシンの所有権を別の物理サーバに移して再起動させる。イメージとしては、Exchange Serverのメールボックス・サーバやSQL Serverのデータベースなどアクティブ−パッシブ構成のクラスタで動作させた場合と同様に考えていただいてよい。なお、フェイルオーバー後の仮想マシンは強制的に電源オフされた状態となるので、動作していたアプリケーションの状態や処理中のデータが失われる可能性がある。

計画外停止時の仮想マシンの移動イメージ
ノード1に障害が発生した場合、稼働していた「仮想マシン2」をノード3に移動して再起動することで、停止時間を大幅に短縮可能とする。

 次に計画停止を行う場合の動作について解説する。計画停止では、サーバ管理者が[フェイルオーバー クラスタ管理]画面から仮想マシンをほかのノードへフェイルオーバーさせる必要がある。その際、仮想マシンが「オンライン」状態であれば、仮想マシン内のメモリ内容をいったんファイルへ保存し、仮想マシンが「保存」の状態になる。次に、ネットワークやディスクなどのクラスタ・リソースが移動した後、移動先のノードで仮想マシンを「復元」させる。「復元」が完了すると、仮想マシンは移動先のノードで、フェイルオーバー実行前の状態(デスクトップの状態やアプリケーションの起動状況などにも変化はない状態)で起動する。

クイック・マイグレーションによる仮想マシンの移動
計画停止の場合、ノード1で稼働している「仮想マシン2」を保存状態とし、ノード3で復元させることで、サービスを数秒から数分停止させるだけで済む。あとは、ノード1をメンテナンスすればよい。

 フェイルオーバーによる仮想マシンのダウンタイムは、仮想マシンの状態が「保存」〜「復元」となる間であるが、数秒から数分程度の停止で移動が完了する(時間は、仮想マシンの負荷状況やデータ容量による)。


 INDEX
  [連載] Hyper-V実践サーバ統合術
  第4回 Hyper-Vによるクイック・マイグレーションの実践
  1.Hyper-Vを利用したクイック・マイグレーションとは
    2.クイック・マイグレーションの構築の実際
    3.クイック・マイグレーションの実行手順
    4.SCVMM 2008へのフェイルオーバー・クラスタの登録方法

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