[運用]
Outlook Express → Windows Liveメール2009 移行ガイド

3.Outlook ExpressからWindows Liveメールへのデータ移行

井上 孝司、デジタルアドバンテージ 島田 広道
2009/11/04
2011/12/19更新
Page1 Page2 Page3

Step 3:データの移行方法(USBメモリを使ってデータを移行)

 Windows 7にWindows Liveメールをセットアップしたら、データのインポート作業を行う。Windows Liveメール2009のユーザー・インターフェイスはOutlook ExpressやWindowsメールのそれを引き継いでおり、メニュー構成もおおむね同一だ。そのため、操作に迷うことは少ないだろう。ただし、通常はメニュー・バーが表示されておらず、[Alt]キーを押すとメニュー・バーが現れるところに、違和感があるかもしれない。

 メール・メッセージは以下の手順でインポートする。

  1. 先にコピーしておいたOutlook Expressのメッセージ・データを、ローカル・ハードディスクにコピーする。これは、インポート元を指定する時点のダイアログでローカル・ドライブしか表示されないためだ。
  2. Windows Liveメールで[Alt]キーを押してメニュー・バーをアクティブにしてから、[ファイル]メニューの[インポート]−[メッセージ]を選択する。
  3. 続いて表示されるダイアログで、インポートするメール・メッセージの形式を選択する。[Outlook Express 6]を選択して、[次へ]ボタンをクリックする。
  4. 続いて表示されるダイアログで、メール・メッセージの保存場所を指定する。ここで[参照]ボタンをクリックして、「1」でコピーしておいたメッセージ・データのフォルダを指定する(Windows転送ツールを使用して転送を行っていたときには、自動的にメッセージ・データの所在を調べて提示してくるので、そのまま[次へ]ボタンをクリックして続行すればよい)。
  5. 続いて表示されるダイアログで、インポートする対象を指定する。デフォルトではすべてのフォルダ(メール・クライアントで使用するフォルダのこと)が対象になるが、[選択されたフォルダー]を使った個別指定も可能だ。
  6. [次へ]ボタンをクリックするとインポートを開始する。完了後に最終画面を表示するので、[完了]ボタンをクリックする。

 こうしてインポートしたメッセージは、Windows Liveメールの画面左側にあるフォルダ一覧のうち、[保存フォルダー]−[インポートされたフォルダー]以下に現れる。そのままでもよいし、インポートした後で別のフォルダにメッセージを移動してもよい。

インポートするメッセージ・データの場所を指定する
Windows Liveメールのインポート機能を使うと、Outlook Expressのメッセージ・データからメール・メッセージをインポートできる。
インポート元のパスを表示する。Windows転送ツールでデータを移行していた場合、自動的にデータを検索して提示してくれる。
手作業で移行する場合、インポート元のパスを指定するために[参照]ボタンをクリックする。
続いて表示されるダイアログで、インポート元のパスを選択する。ただし、ローカル・ハードディスクしか選択できないので、事前にインポート対象のデータをローカル・ハードディスクにコピーしておくようにする。

 アドレス帳については、「*.wab」形式のファイルからインポートできるようになっている。手順は以下のとおりだ。

  1. Windows Liveメールで[Alt]キーを押してメニュー・バーをアクティブにしてから、[移動]メニュー以下の[アドレス帳]を選択する。
  2. [Alt]キーを押してメニュー・バーをアクティブにしてから、[ファイル]メニューの[インポート]−[Windowsアドレス帳(WAB)]を選択する。
  3. 続いて表示するダイアログで、Windows XP環境からコピーしておいた「*.wab」ファイルを指定して[開く]ボタンをクリックする。これでアドレス帳のインポートが完了する。
アドレス帳のインポート
Windows Liveメールでアドレス帳を呼び出すと、Outlook Expressで使用していた「*.wab」形式のアドレス帳からデータをインポートできる。
[ファイル]メニューの[インポート]−[Windowsアドレス帳(WAB)]を選択すると、インポート元の「*.wab」ファイルを指定するためのダイアログが表示される。

 最後にアカウント設定だが、これは以下の手順でインポートできる。

  1. Windows Liveメールの[ツール]メニューから[アカウント]を選択する。
  2. 表示される[インターネット アカウント]ダイアログで、右側に並んでいるボタンの中から[インポート]をクリックする。
  3. 続いて表示されるダイアログで、保存しておいた「*.iaf」ファイルを指定して[開く]をクリックする。これでアカウント設定のインポートが完了する。
【コラム】
Windows転送ツールを使用する場合は作業手順に注意

 Windows転送ツールを使用する場合には、操作手順に注意する必要がある。

 Windows Liveメールは、Windows転送ツールが移行してきたOutlook ExpressやWindowsメールのデータがあれば、それを初回起動時に自動的にインポートする。ただし、この動作は初回起動時にしか行わないため、転送作業より前にWindows Liveメールを実行してしまうと自動インポートが行われない。

 そこで、自動インポートを前提にした場合の作業手順は、以下のようになる。

  1. Windows 7のセットアップ
  2. Windows転送ツールを実行して、データと設定をWindows 7に転送
  3. Windows Liveメールのダウンロードとセットアップ
  4. Windows Liveメールを実行して設定とデータをインポート

 ただし、操作手順を誤って自動インポートを行えなかった場合でも、前述の手順で手動インポートを行うことができるため、データや設定に関する情報が失われることはない。

Windows VistaのWindowsメールからWindows Liveメールへの移行(インプレース・アップグレードの場合)

 Windows Vistaはメール・クライアントとして、Windowsメールを標準装備している。そのWindows VistaにWindows 7を上書きセットアップした場合、それまで使用していたWindowsメールは使用できなくなり、メール・メッセージ、アドレス帳、アカウント設定の情報だけが残った形になる。

 そこで、前述の手順でWindows Liveメールをセットアップする。セットアップが完了して、最初にWindows Liveメールを起動する際に、メール・メッセージ、アドレス帳、アカウント設定の情報が自動的にインポートされ、引き継がれる。そのため、特に何か移行作業を行う必要はなく、余分な手間はほとんど掛からない。

 このように、移行先となるWindows Liveメールの側でインポート機能を整備しているため、移行作業そのものは難しくない。むしろ、移行対象になるデータを拾い出す作業の方が勘所になるだろう。

 また、使用するコンピュータの変更、あるいはハードディスクの換装を伴う場合には、外部ストレージにデータを複製する必要があるため、どこにどのファイルをコピーしたのかを把握しておかないと、移行対象になるデータをなくしてしまう可能性がある。ファイルのコピーや削除に際しての「うっかりミス」には注意したい。End of Article

更新履歴
【2011/12/19】Windows Liveメール2009を対象としていることをタイトルなどに明記しました。

 

 INDEX
  [運用] Outlook Express → Windows Liveメール2009 移行ガイド
    1.Windows Liveメールに移行する必要性
    2.Outlook Expressのデータ保存とWindows Liveメールの入手
  3.Outlook ExpressからWindows Liveメールへのデータ移行

 「運用」

 「Windows XP→Windows 7移行支援記事集」



Windows Server Insider フォーラム 新着記事
@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)

注目のテーマ

Windows Server Insider 記事ランキング

本日 月間