運用

実例で学ぶSBS 2003ネットワーク構築と運用
―― Windows Small Business Server 2003によるネットワーク構築、運用管理の実際を知る ――

第1回 SBS 2003のインストール

デジタルアドバンテージ
2004/03/04


実例で学ぶSBS 2003ネットワーク構築と運用(全3回)
SBS 2003のインストール
SBS 2003のメール設定
SBS 2003の運用

 Windows Small Business Server 2003(以下SBS 2003と表記)は、中小規模事業者(Small and Medium Business:SMB)を対象とする、オールインワンのサーバ・パッケージ製品である。イントラネット向けのファイル・サーバやWebサーバ、メール・サーバ、データベース・サーバ、そしてインターネット接続用のファイアウォール・サーバなどを1パッケージにして、コストの削減や導入/管理の容易さを狙っている。Windows NT Server 4.0ベースのSmall Business Server 4.0/4.5、Windows 2000 ServerベースのSmall Business Server 2000に続く、第3世代の製品であり、従来よりも安価なバージョン(Standard Edition)の導入や、情報共有のためのGroupBoardワークスペースの添付(スタートアップ・キャンペーン・パックのみ)などを特徴としている。

 SBS 2003には以下の2つの製品がある。

製品
参考価格
Windows Small Business Server 2003 Premium Editionスタートアップ キャンペーンパック(GroupBoardワークスペース、5CAL付)
28万3800円
Windows Small Business Server 2003 Standard Editionスタートアップ キャンペーンパック(GroupBoardワークスペース、5CAL付)
11万9800円
SBS 2003の製品ラインナップ

 各パッケージには以下のソフトウェアが同梱されている。

ソフトウェア
Standard Edition
Premium Edition
Windows Server 2003(ベースOS)
Exchange Server 2003(メール・情報共有サーバ)
Outlook 2003(クライアント・メール・ソフトウェア)
FrontPage 2003(Webサイト作成用)
SQL Server 2000(データベース・システム)
Internet Security and Acceleration Server 2000 Standard Edition(ファイアウォール)
Standard EditionとPremium Editionに含まれるソフトウェア一覧

 製品詳細やパッケージ内容、マイクロソフトの販売戦略などについては、2004年2月24日付けの「Insider's Eye―SBS 2003はSMB市場開拓の起爆剤になるか?」を参照していただきたい。単に各種サーバ製品を1つにまとめただけといえなくもない過去のバージョンとは違い、SBS 2003では、容易な管理(特にリモート管理機能の強化)や、Windows SharePoint Servicesの添付、強化されたOWA(Outlook Web Access)など、単なる寄せ集めだけではないさまざまな機能強化が行われている。本記事では、典型的な中小事業者のWindowsネットワーク環境を想定し、SBS 2003の導入から管理までを具体的にご紹介する。第1回である今回は、SBS 2003のインストールについてみていく。

 なお本Windows Server Insiderフォーラムでは、以前、Small Business Server 2000をベースにしてインターネット常時環境を構築する『インターネット「常時」接続計画――実験サイトを構築しながら学ぶ、SBS 2000を利用したインターネット常時接続の実際とノウハウ 』という記事を掲載した。この記事では、インターネット向けのDNSサーバやメール・サーバをSBS 2000で構築する方法を紹介している。今回はインターネット向けではなく、主にイントラネットでのSBS 2003の活用方法について解説する。もちろん、SBS 2003を利用してメール・サーバやWebサーバなど、インターネット向けのサービスを提供することも可能だ。しかし外部との接続では、SBS 2003システム1台ですべてを実現するよりも、インターネット接続にかかわる部分(DNSサーバやメール・サーバ、Webサーバなど)はISP(インターネット・サービス・プロバイダ)にまかせるなどの方法が現実的かもしれない。今回は、外部接続はこうしたSBS 2003以外の手段を使うと仮定し、あくまでイントラネット向けサーバとしてSBS 2003を利用することを前提に、インストールや機能、管理の実際などを解説する。

Windows Small Business Server 2003
SBSの管理コンソールとGroupBoard。従来バージョンよりも使いやすく管理ツールと情報共有ツールで、SMB市場への普及を目指す。

本稿の想定読者

 本記事の読者としては、大きく2つのグループを想定している。1つは、SBS 2003を購入して、自分でインストールして使おうと考えている比較的技術力のある管理者、もう1つは、SBS 2003を中小事業者へのITインテグレーション用として使おうと考えているインテグレータである。本稿では、これらの読者にとって最も気になるSBS 2003のインストールや初期設定、その後の運用管理の実際について、設定や管理に必要な関連知識などを織り交ぜながら解説していく。

 

 INDEX
  [運用]実例で学ぶSBS 2003ネットワーク構築と運用
第1回 SBS 2003のインストール
    1.今回想定するネットワーク環境
    2.SBS 2003のインストール
    3.インターネット接続の設定
 
 運用


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