運用
IT Proから見たSQL Server 2005 第3回

3.SQL Server Management Studio(2)

デジタルアドバンテージ 小川 誉久
2006/03/16

■クエリ・エディタ
 従来のSQL Server 2000では「クエリ・アナライザ」として独立していたデータベース操作機能がManagement Studio内部の「クエリ・エディタ」として統合された。このクエリ・エディタを利用すれば、Transact-SQLコマンドを記述して、テーブルの検索や更新などを行える。

クエリ・エディタ
SQL Server 2000の「クエリ・アナライザ」の機能は、Management Studio内部の「クエリ・エディタ」として統合された。

 この際のコマンド記述はキーボードから直接入力してもよいが、クエリ・エディタから起動される「クエリ・デザイナ」という支援ツールを利用すれば、テーブルの情報をビジュアルに表示し、これらをマウスで操作して線でつないだりすることで、Transact-SQLのコマンドを自動生成させることも可能だ。クエリ・デザイナを利用すれば、複雑なTransact-SQLを記述しなくても、GUIを操作するだけでクエリを作成し、実行して結果を取得することができる。

 クエリ・エディタでは、開発環境のVisual Studioではすっかりおなじみになったキーワードの着色表示が可能になった。

キーワードの着色表示
クエリ・エディタでは、Visual Studio同様にキーワードの着色表示が可能になった。

 Management Studioのクエリ・エディタでは、より大規模なデータベース・システム開発をサポートする機能が追加されている。1つはプロジェクトのサポートだ。これによりクエリ・エディタでは、関連する複数のファイルをグループ化して管理できる。

 もう1つは複数メンバーによるクエリ開発サポートの機能である。クエリ・エディタにはバージョン管理システムが統合されており、設定により、複数の開発担当者が同一のファイルを同時に編集する事故などを防止できるようにしている。バージョン管理が有効になっている場合、Transact-SQLを編集するには、まずソース・コードをチェックアウトして、ほかの開発者がこれを編集できないようにロックしなければならない。そして編集が完了したら、ソース・コードを再度チェックインする。チェックインされたソース・コードは、ほかの開発者によって編集可能になる。

■ソリューション・エクスプローラ
 管理ツールとして注目すべきManagement Studioの強化点の1つがこのソリューション・エクスプローラである。ソフトウェア開発環境のVisual Studioでは、開発中のアプリケーションに関連するファイル群(ソース・コード・ファイルやリソース・ファイルなど)をプロジェクトとしてひとまとめに管理することがずいぶん前から定着しているが、今回のManagement Studioでは、作成したクエリ・ファイルやデータベースの接続情報などをプロジェクトとして保持、管理できるようになっている。

ソリューション・エクスプローラ
作成したクエリ・ファイルやデータベースの接続情報などをプロジェクトとして保持、階層管理できる。

■テンプレート・エクスプローラ
 Transact-SQLを駆使すれば、データベースを自由に操ることが可能だが、これを実際に行うには、高度な知識と経験が必要である。これに対しManagement Studioでは、テンプレート・エクスプローラと呼ばれる機能があり、データベースのデータ操作やテーブルの定義に必要な代表的なTransact-SQLコマンド文、システム・メンテナンス用のDBCCコマンドなどのテンプレート(雛形)が用意されている。誰でも操作できるというものではないが、テンプレートを活用すれば、より簡単かつ確実にデータベース操作を行えるようになるだろう。

テンプレート・エクスプローラ
データベースのデータ操作やテーブルの定義に必要な代表的なTransact-SQLコマンド文、システム・メンテナンス用のDBCCコマンドなどのテンプレート(雛形)が用意されている。

■メンテナンス・プラン・ウィザード
 障害対策に備えるためのデータベースのバックアップや、検索性能向上のためのインデックスの再構築、データベース・ファイルの圧縮など、データベースの管理作業には、定型的ではあるが、いくつもの面倒な作業がある。Management Studioには「メンテナンス プラン ウィザード」と呼ばれるウィザードが用意されており、これらの作業をウィザードに従ってプランニングし、メンテナンスの実行やスケジュール実行などを行うことが可能だ。

メンテナンス・ウィザード
データベースの整合性確認やバックアップなど、管理作業をウィザードに従ってプランニングできる。
 
メンテナンス・プランの実行
作成されたメンテナンス・プランに従って、データベース管理を実行できる。

メンテナンス・プランの定期実行
作成したメンテナンス・プランをスケジュールすることも可能。

SQL Server Profiler

 SQL Server Profilerは、SQL Serverの処理内容を監視するためのしくみであり、前版のSQL Server 2000でも同様の目的で利用できる「プロファイラ」が提供されていた。業務システム構築において、データベース性能がシステム全体に及ぼす影響は非常に大きい。いわゆる「データベースのチューニング」が必要になるわけだ。このチューニング作業で活用するのがプロファイラである。実際にシステムを稼働させて、プロファイラを使ってSQL Serverの内部を監視することで、ボトルネックを探るなどが可能だ。

 SQL Serverの監視を目的とする点は同じだが、SQL Server 2005のSQL Server Profilerは、SQL Serverエンジンと密接に連携し、より精度の高いシステム監視を、より小さい負荷で実行できるように改良されている。SQL Server 2000のプロファイラは負荷が大きく、プロファイラによる監視の負荷がプロファイル結果に影響を及ぼす場合があったが、SQL Server 2005のSQL Server Profilerでは、データベース・エンジンとの連携が強化され、わずかな負荷でプロファイルを取得できるようになったため、より実システムの実行結果に近い状態を取得可能になった。

データベース・エンジン・チューニング・アドバイザ

 データベース・エンジン・チューニング・アドバイザは、稼働システムのワークロード(データの読み取りやストアド・プロシージャの実行などの一連の処理)を解析し、性能向上のために推奨されるインデックスや、インデックス・ビュー、パーティショニングなどを管理者に通知してくれるツールである。これは、SQL Server 2000の「インデックス・チューニング・ウィザード」の後継となるツールである。

 一般にデータベースのチューニングでは、データベース・システム内部に対する深い知識とノウハウが必要になるのだが、そうした知識がなくても、性能向上のためのガイドラインを与えてくれるツールだ。

 SQL Server 2000のインデックス・チューニング・ウィザードに比較し、SQL Server 2005のデータベース・エンジン・チューニング・アドバイザでは、スケジュール実行や複数データベースにわたる分析機能などが追加されている。

SQL Serverセキュリティ構成

 セキュリティ上の理由から、SQL Server 2005を新規インストールした直後は、いくつかの機能やサービスが無効になっている。これらを必要に応じて有効化したり、サービスの開始や停止などを制御したりするためのツールが「SQL Serverセキュリティ構成」である。

SQL Serverセキュリティ構成
SQL Server 2005の機能やサービスを必要に応じて有効化したり、サービスの開始や停止などを制御したりする。

 3回にわたり、マイクロソフトが5年ぶりに投入した新しいデータベース・システム、SQL Server 2005について、主にシステム管理者の視点からその概要をまとめた。しかしこのわずかな紙数では語り尽くせない多数の新機能、機能強化がSQL Server 2005には加えられている。

 今後Windows Server Insiderでは、SQL Server 2005の各機能に注目し、さらに掘り下げた解説記事を提供していく予定である。End of Article

 

 INDEX
  [運用]ITProから見たSQL Server 2005
  第3回 SQL Server 2005の管理ツール
    1.Configuration Manager
    2.SQL Server Management Studio(1)
  3.SQL Server Management Studio(2)
 
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