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システム管理者のためのXP SP2展開計画

―― 企業内クライアントに対し、安全・確実にXP SP2を展開するための知識とテクニック ――

第1回 Windows XP SP2の導入・展開

デジタルアドバンテージ
2004/09/15

 9月2日未明より、Windows XP Service Pack 2日本語版(以下XP SP2)の一般向け公開が開始され、すでに多くのユーザーがXP SP2の導入を進めている。

 今後マイクロソフトや、Windows対応のハードウェア/ソフトウェアを販売するサード・ベンダは、OSバージョンとしてXP SP2を前提にした製品開発を進めるものと思われる。Windows XPユーザーは、XP SP2の適用を避けて通るわけにはいかない。しかしその一方で、XP SP2の適用に伴う不具合も少なからず報告されており、問題発生が業務に大きな影響を及ぼす企業内クライアントに対する適用は、慎重にならざるをえないのが実情である。

 修正プログラム適用による問題発生のリスクを低減させるには、事前のテストが欠かせないわけだが、これとてすべてを完全に検証できるわけではないから、影響の少なそうな部署から段階的に適用を進めるとか、何か起こっても自分で対処できる、コンピュータ・スキルの高いユーザーが多い部署から適用を進めるなどの戦略が必要になる。一般論として、コンピュータ・スキルが高くないエンド・ユーザー向けには、より強制力の強い中央での管理(XP SP2の適用を完全に中央で制御する)が必要だし、他方コンピュータ・スキルが高いユーザーなら、XP SP2の適用プランのアナウンスだけをして、後はユーザー任せにしてもよい。管理者は、ユーザーの業務や技術レベルなどに応じて、複数の適用方法や適用時期、管理手段などを組み合わせて利用することになるだろう。

 マイクロソフトは、ユーザーのシナリオに応じて適切なXP SP2の展開ができるように、異なる複数の方法で提供しており(CD-ROM、Windows Update、自動更新など)、管理者向けの支援ツールなども用意している。本稿の前編(今回)では、これらの適用方法と特徴を整理し、それらをどのような場面で使い分けたらよいかを整理する。また後編では、XP SP2の目玉でもあり、互換性問題対応の要でもあるWindowsファイアウォールについて、集中管理の具体的な手順をご紹介する予定である。

XP SP2関連情報

 まず最初は、XP SP2に関連する本フォーラムの過去記事、マイクロソフトの情報ページなどへのリンクをまとめておこう。

 またXP SP2ではシステムをよりセキュアにしたため、既存のアプリケーションと一部互換性がなくなっている部分もある。詳しくは次のようなドキュメントを参照していただきたいが、管理者としてはこれらのことも考慮しつつ、今後の導入計画を立案、実施する必要があるだろう。

 

 INDEX
  [運用]システム管理者のためのXP SP2展開計画 
第1回 Windows XP SP2の導入・展開
    1.XP SP2導入の概要
    2.XP SP2の導入手順

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