製品レビュー
Internet Explorer 6 Public Previewファーストインプレッション

1.IE 6 PPの入手とインストール

デジタルアドバンテージ
2001/04/05

 前述したとおり、IE 6 PPはマイクロソフトのホームページからダウンロードすることができる(マイクロソフトのIE 6 Public Previewのページ)。ダウンロードを行うと、ローカル・ディスクに“ie6setup.exe”というファイル(今回のPublic Preview版では500Kbytes弱)がダウンロードされる。これは、特定のOSに依存しない初期セットアップ・プログラムで、起動すると、現在のOSが検出され、対応するOS用のIE 6.0モジュールがインターネットからダウンロードされて、IE 6.0 PPのインストールが実行される。これらIEセットアップの基本的なメカニズム自体は、従来のIE 5.5と変わらない。この詳細については別稿「Windows TIPS:Windows 2000でIE 5.5のインストール用コンポーネントのダウンロードだけを行う方法」を参照されたい。

 Windows MeとWindows 2000で試したかぎり、今回のIE 6 PPでは、必要なコンポーネントだけをダウンロードするコンポーネント・ダウンロード(IE 6をインストールするために必要なコンポーネント・ファイルを一括してダウンロードし、後でIE 6をインストールできるようにするオプション)をセットアップ時に選択することはできなかった(Windows Meでは、インストールの初期段階で、Outlook Expressなどを一式インストールする[標準インストール]と、インストールするコンポーネントを選択できる[最小構成インストール]を選択することは可能だった)。したがって複数のPCにIE 6 PPをインストールするには、毎回、必要なモジュールをインターネットからダウンロードしなければならない。

 そこで試しに、前出の「Windows TIPS:Windows 2000でIE 5.5のインストール用コンポーネントのダウンロードだけを行う方法」で紹介した起動時オプションをie6setup.exeにも適用してみた。具体的には、コマンドラインから、ie6setup.exeを以下のオプションをつけて実行する(ie6setup.exeファイルが“C:\WINNT\Windows Update Setup Files”フォルダにある場合)。

"C:\WINNT\Windows Update Setup Files\ie6setup.exe" /c:"ie6wzd.exe /d /s:""#E"""

 ダブルクォートがたくさんあって分かりにくいかもしれないが、要はie6setup.exeに「/c:"ie6wzd.exe /d /s:""#E"""」というオプションを指定して実行しているものだ。ここで「ie6wzd.exe」は、ie6setup.exeのパッケージに含まれるIE 6のセットアップ ウィザードの実行ファイルで、ie6setup.exeを実行すると、テンポラリ・ディレクトリにこのie6wzd.exeが解凍され、それが起動される。そしてこのie6wzd.exeプログラムに対し、「/d /s:""#E""」というオプションを指定している。間違えやすいオプションなので、必要なら上のコード表記からオプション部分をコマンドライン(または[スタート]メニューの[ファイル名を指定して実行]ダイアログボックス)にコピー&ペーストして使用していただきたい。

 このオプションを指定してie6setup.exeを実行すると、次のようにインストール・オプションを選択できるようになる。

上記オプションを指定してie6setup.exeを実行したところ
上記オプションを指定してie6setup.exeを実行すると、このようにダウンロード・オプションを選択できるようになる。ここで必要なOSのチェックボックスをオンにすれば、そのOS用のコンポーネントをローカル・ディスクにダウンロードし、そこからIE 6 PPをインストールできるようになる。
  ダウンロードされたコンポーネントが格納されるフォルダを選択する。
  コンポーネントをダウンロードしたいOSを選択する。チェックボックスをオンにしたOS用のコンポーネントがダウンロードされる。
  上で選択したコンポーネントのダウンロード・サイズ。チェックボックスをオンにすると、サイズの値とダウンロードの推定所用時間の値が変化する。

 コンポーネント・ダウンロードが完了すると、指定したフォルダに、IE 6 PPのインストールに必要なCABファイル(Cabinetファイル。インストール用のファイルをアーカイブしたもの)がすべて保存され、インターネットに接続していない環境でもIE 6 PPをインストールできるようになる。ただしこれは、あくまで編集部で独自にテストしたもので、マイクロソフトが公表している方法ではないので、操作は自分の責任で行うこと。編集部でテストしたかぎりでは、少なくともWindows 2000とWindows Meについては、この方法で問題なくIE 6 PPをインストールすることができた。

IE 6 PPの必要システム構成

 IE 6 PPをインストール可能なOSは、Windows 98、Windows 98 SE(Second edition)、Windows Me、Windows NT 4.0+Service Pack 6a以上、Windows 2000の5種類である。つまり、今回のIE 6 PPからは、Windows 95はサポート対象から除外された。先ごろ報道関係者向けに発表された次期Office XPでも、Windows 95はサポート対象外だと公表された。Windows 95ユーザーは、新しいOSにアップグレードして最新環境を手にするか、それをあきらめて、既存の環境を使い続けるかを選択する必要がある。

 要求されるPCのスペックとして、CPUは最低でもi486-66MHzが必要で、Pentiumプロセッサ以上が推奨されている。とはいえ、Windows 98以上のOSがインストールされているPCなら、実質的にこの条件が問題になることは少ないだろう。

 必要メモリは必要ディスク容量は、使用しているOSによって異なる。

OS 最低必要メモリ フルインストール時の必要ディスク容量(最大)
Windows 98/Windows 98 SE 16Mbytes 25.8Mbytes
Windows Me 32Mbytes 11.6Mbytes
Windows NT 4.0+Service Pack 6a以上 32Mbytes 75Mbytes
Windows 2000 32Mbytes 75Mbytes
IE 6 PPをインストールするための必要メモリ/必要ディスク容量

 各OSを実用的に使える環境なら、最低必要メモリにせよ、必要ディスク容量にせよ、それほど問題になる規模ではないだろう。

関連記事(Windows Server Insider)
  Windows TIPS:Windows 2000でIE 5.5のインストール用コンポーネントのダウンロードだけを行う方法
     
  関連リンク
  Internet Explorer 6 Public Previewのホームページ(マイクロソフト)
  Internet Explorer 6 Public Previewのハイライト(米Microsoft)
  Internet Explorer 6 Public Previewのプライバシ機能(米Microsoft)
     

 INDEX
  [製品レビュー]Internet Explorer 6 Public Preview ファーストインプレッション
  1.IE 6 PPの入手とインストール
    2.UIの改良はわずか。興味深いのはプライバシ管理機能の追加
    3.Webページ上の画像処理を簡略化するイメージ・ツール・バー
    4.エラーの報告と、関連情報の提供を自動化する「エラー情報の収集機能」
    5.Cookieファイルの削除用ボタンを標準で用意
        コラム:P3Pとは何か?
    6.IE 6におけるCookieフィルタの基礎知識
 
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