製品レビュー
Microsoft Operations Manager 2005

第2回 MOM 2005サーバのインストール

2.MOM 2005の管理パックの導入

デジタルアドバンテージ
2004/12/23

 MOM 2005管理サーバのインストールが完了したら、次は管理パックの導入や、管理対象サーバ・コンピュータの登録、サーバの動作パラメータの設定などの作業を行う。これらの作業はすべて[スタート]メニューに登録されている[Microsoft Operations Manager 2005]−[管理者コンソール](以下「管理コンソール」)を起動して行う。

 管理コンソールで行う作業(タスク)は、トップページにあるタスクの一覧から選べば簡単に実行できる。

管理コンソールの起動画面
管理コンソールのトップページには、管理者が行うべき作業(タスク)の一覧が用意されている。
  MOM 2005のコンポーネントの一覧。大きく分けて管理パックに基づく管理作業と、管理対象のサーバ管理という、2つの作業がある。
  管理作業の一覧。エージェントや管理対象コンピュータの管理を行う。
  管理パックに関する作業。
  オペレータ・コンソールやWebコンソールなどの外部ツールの起動。
  管理パックにインポートなどの作業。

管理パックの追加

 管理コンソールで最初に行う作業は管理パックの導入である。MOM 2005インストール直後のデフォルト状態では、「Microsoft Operations Manager」という管理パックだけが導入されている。これ以外の管理パックはCD-ROMの\ManagementPacksフォルダに収録されているので、これらを導入しておく。管理パックは、マイクロソフト社から今後発売される新しいサーバ製品にもそれぞれ専用のものが付属する予定であるし、サード・パーティからも提供される予定になっているが、いずれも同様の手順で導入することができる。管理パックを追加導入しないと、例えばpingによるサーバの稼働確認といった、非常に基本的な機能しか利用することができない。

 管理パックを導入するには、タスク一覧から[管理パックのインポート/エクスポート]を選ぶか、左側ペインにある[管理パック]アイコンを右クリックして、ポップアップ・メニューから[管理パックのインポート/エクスポート]を選択する。するとウィザードが起動するので、インポート元のフォルダやインポートする管理パックを選択する。

インポートする管理パックの選択
サーバ・アプリケーションごとに管理パックを導入しておく。
  MOM 2005にデフォルトで付属する管理パックの一覧。これらはMOM 2005のCD-ROMに用意されている。
  既存の管理パックを上書きするか、バックアップするか、などの設定。

 インストールされた管理パックの例を次に示す。管理パックには、対象となるサーバ製品ごとに、発生するイベントやパフォーマンスを測定するための手段、オペレータに異変などを知らせるアラート、アラートに対する対処方法、診断方法とそのためのツールなどがナレッジとしてまとめられている。例えばWindows OSに対する汎用的な管理パックである「Microsoft Windows サーバー ベース オペレーティング システム」は、次のように定義されている。

管理パックに含まれる情報の例
これは基本Windows OSに関する管理パックである「Microsoft Windows サーバー ベース オペレーティング システム」の例。管理対象サーバは、インストールされているソフトウェアに応じて、複数の管理パックを組み合わせて管理される。
  管理パック・ツリー。
  導入された管理パックの一覧。
  イベントやアラート、パフォーマンス・カウンタをどのように扱うかのルール。これは「Microsoft Windows サーバー ベース オペレーティング システム」に関する汎用的なルール。
  Windows 2000やWindows Server 2003、Windows NTといった、OSのバージョンごとに異なる部分を処理するためのルール。
  OS内部のネットワークやストレージといったコンポーネントに固有のルール。
  これはWindows Server 2003のネットワークに関する固有のルール。
  ルールのカテゴリ。
  サーバ・アプリケーションやカテゴリごとのナレッジ情報。
  イベント・ルール。これらに合致するイベントが発生した場合、どのように伝えるかを記述したルール。

 管理パックでは、具体的には次のようなルールが定義されている。これは「Microsoft Windows サーバー ベース オペレーティング システム」のうち、「ネットワーク」に関するルールの例である。ここでは、Windows OSのイベント・ログにイベント番号4319番「ネットワーク上で重複する名前」もしくは4320番「TCP ネットワーク上で重複する名前が検出」として記録されるイベントについて記述している。このエラーに対する要約やその発生原因、そして可能な対処方法などがまとめられている。MOM 2005サーバは、管理対象サーバでこのイベントが発生したことを検出すると、「警告」レベルのアラートを生成し、それをオペレータ・コンソールを通じて表示する。管理者がそのアラート項目をクリックすると、このルールで定義されている原因や対策方法などが表示されるというわけである。もし必要ならば、各組織独自のナレッジベース情報をこれらのルールに追加することもできる。

ルールの例
各イベントやアラートごとにこのようなルールが定義されている。生のイベント・ビューア情報よりも分かりやすくなるようにしてユーザーに提示している。
  ルールの名称。これはネットワーク上でコンピュータ名が衝突した場合に発生する可能性のあるイベントに関するルール。
  名前が衝突すると、イベント・ビューアではこれら2つのイベント(4319番と4320番)が発生する可能性があるが、それらをまとめて1つのアラートとして扱っている。
  生成されるアラートの情報。この場合は警告レベルのアラートが発令される。ただし「アラートの抑制」が有効となっているので、連続してイベントが発生しても、最初の1回しかアラートが発生せず、無駄なアラートの繰り返し発生を避けるようになっている。
  概要。
  このイベントが発生する原因を、(イベント・ビューアよりも)分かりやすく解説したもの。
  可能な解決策の提示。これらの記述には、実際の現場の管理者のノウハウなどが盛り込まれている。必要ならば組織独自の情報を追加して表示させることもできる。


 INDEX
  [製品レビュー]Microsoft Operations Manager 2005 
  第2回 MOM 2005サーバのインストール
    1.MOM 2005のインストール
  2.MOM 2005の管理パックの導入
    3.エージェントのインストール
 
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