特集
インターネット「常時」接続計画(第1回)

3.SBS 2000の特徴

デジタルアドバンテージ
2001/07/31


 SBS 2000の大きな特徴は、統合スイート・パッケージの強みを活かし、インストールや管理作業を自動化していることだ。各コンポーネントを個別にインストールするとなれば、コンポーネント同士の相互作用などをいちいち気にしなければならないが、SBS 2000では、ウィザード形式で最低限の質問に答えていくだけで、複数のコンポーネントを正しく構成することができる。またSBS 2000には多数のコンポーネントが含まれているが、それらすべてをインストールする必要がなければ、必要なコンポーネントだけを選択的にインストールすることができる。

SBS 2000のインストーラ
SBS 2000のインストーラは、Active Directory設定やメール・サーバの設定、ISA Serverの設定など、ウィザードで入力された情報に従って、複数のコンポーネントの構成を自動的に実行する。実際にインストールしてみれば分かるが、いくつかの質問に答えることを除けば、ほとんどの作業は自動的に進められる。
  インストールの作業項目。緑色のチェック・マークがついた項目は作業が完了したもの、右向きの小さな三角印は現在作業中のもの。
  現在行っているインストール作業の内容。この画面では、Exchange 2000のインストール作業途中で、「Active Directoryのスキーマを更新している」ことが分かる。
  インストール全体の進行状況。

 SBS 2000のインストールを完了したら、ユーザーの構成やネットワーク構成など、システムの初期設定を行う。この作業も、ウィザード形式で行えるようになっている。

各種管理作業のメニュー画面
ユーザー管理やシステム構成の変更など、日常的な管理業務を作業として一覧にしたもの。ここからウィザードなどに従って各種設定変更などを行うことが可能。複数のコンポーネントに渡って設定を行う必要がある場合でも、ツールが自動的にセットアップしてくれる。

 SBS 2000では、管理ツールとして[管理コンソール]と[マイ コンソール]という2種類を用意している。このうち前者の[管理コンソール]は、Windows 2000でもお馴染みのMMC(Microsoft Management Console)スナップイン形式で、各コンポーネント向けの管理・設定作業を行うためのツールである。もともとは、それぞれバラバラに提供されていた各種管理ツールのスナップインを1つのMMCにまとめたものだ。こちらは、より強力な管理機能を備えており、多彩な設定が行える代わり、操作はやや煩雑で、Windows 2000システムやネットワークに対する深い知識が必要になる。

SBS管理コンソール
MMC 1.2で構成されるSBS管理コンソール。MMCスナップインによって、コンポーネント単位の完全な管理機能が提供される。非常に強力な管理能力を備えるが、代わりに操作はやや煩雑である。
  各コンポーネントが一覧されたコンソール・ツリー。SBS管理コンソールで設定を行うには、まずここから設定したいコンポーネントを選択する。
  左のツリーで選択している設定の内容。画面はActive Directoryコンポーネントの管理で、「Users」を選択したところ。ドメインに登録されているユーザーがこのように一覧表示される。

 強力な管理機能を持つSBS管理コンソールと別に、SBS 2000では、ユーザーごとに管理可能項目などを制限できる[マイ コンソール]という管理ツールも用意されている。[マイ コンソール]は、ユーザーごとのプロファイル・フォルダにコピーが保存され、ユーザーごとに異なる管理権限を設定したり、管理画面を変更したりすることができる。こちらは前出の管理コンソールとは異なり、SBS 2000にだけ提供される管理ツールである。

SBSマイコンソール
ユーザーごとに管理権限などを変更できる管理ツール。デフォルト設定では、主要なシステム状態のモニタや、メニューから作業を選択し、ウィザードを使って各種の管理業務を行えるようにしている。

 このようにSBS 2000では、管理者の負担を低減させるために、ユーザー管理やネットワーク管理など、定型管理業務をウィザード化し、ユーザーがインタラクティブに質問に答えていくことで、作業を遂行できるように配慮されている。自動化できる部分については自動化されているし、一連の手順が必要な作業についても、ウィザードなら順番を間違わずに作業できる。システムに詳しくない管理者であっても、WindowsネットワークやTCP/IPの基本的な知識さえあれば、定型的な日常の管理業務を行うことができるだろう。


 INDEX
  [特集]インターネット「常時」接続計画
  第1回 接続計画とSBS 2000
     1.Small Business Server 2000を利用したインターネット・ドメイン構築
     2.Small Business Server 2000パッケージの中身
   3.SBS 2000の特徴
     4.SBS 2000の制限
 
 インターネット「常時」接続計画


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