[基礎解説]
「第3世代Coreプロセッサ・ファミリ」はどこが進化したのか

2.Ivy Bridgeの製品ラインアップ

デジタルアドバンテージ 小林 章彦
2012/04/26
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Core i3/i5/i7の違いは

 Ivy Bridgeは、Sandy Bridgeと同様、機能/性能によってCore i3/i5/i7の各モデル名で提供される(将来的にはPentiumやCeleronも、Ivy Bridgeコアがリリースされるはずだ)。2012年4月24日の発表日時点では、Core i5/i7のクアッドコア製品のみが先行して出荷となる。Core i3などのデュアルコア製品については、第2四半期中(2012年6月末まで)に出荷される予定とのことだ。

 Core i3/i5/i7は、3次キャッシュの容量とサポートするスレッド数、Turbo Boostのサポートの有無などが異なっている。Core i5/i7には、コア数が少なかったり、3次キャッシュの容量が小さいモデルがあるが、これらはTDPがほかのモデルに比べて低く設定されている。またCore i7では内蔵のグラフィックスが性能の高いIntel HD Graphics 4000が標準であるのに対し、Core i3/i5はIntel HD Graphics 2500(一部のモデルでは4000を内蔵する)となっている点なども異なる。

  コンシューマ向け 企業向け
機能 Pentium Core i3 Core i5 Core i7 Core i5 Core i7
コア数/スレッド数 2/2 2/4 4/4
(2/4)
4/8
(2/4)
4/4
(2/4)
4/8
(2/4)
3次キャッシュ容量 3Mbytes 3Mbytes 6Mbytes
(3Mbytes)
8Mbytes
(4Mbytes)
6Mbytes
(3Mbytes)
8Mbytes
(4Mbytes)
Intel Turbo Boost Technology 2.0
DirectX 11サポート
Intel Response Technologies
Intel Secure Key
Intel OS Guard
Intel Anti-theft Technology
Intel vPro
Intel Small Business Advantage * * *
Coreプロセッサ・ファミリの製品ブランド別の主な機能
* Intel B75チップセットとの組み合わせの場合

 それぞれの位置付けだが、Core i3は比較的廉価なモデル、Core i5はメインストリームとして価格/性能比が優れたモデル、Core i7は性能は高いものの、価格もプレミアが付けられたハイエンド・モデルとなっている。ビジネス・ユースであれば、Core i3でも十分な性能が提供される。より高い性能を求めるのであればCore i5を選択するのが無難で、ゲームやグラフィックス(ビデオ編集やビデオ・フォーマットの変換)などのさらに性能を必要とする用途ではCore i7を選ぶことになる。

 下表は、2012年4月24日発表時点で出荷される製品の一覧だ(製品の正式出荷は4月29日からとなる)。企業向けに出荷されるモデルでは、遠隔管理機能をサポートする「Intel vPro」が実装される。一方、一部のモデルでは仮想化支援機能の「Intel VT-d」がサポートされていない(仮想化支援機能のIntel VT-xは、すべてのモデルでサポートしている)。Intel VT-dは、ゲスト・マシンからの物理デバイスを直接利用可能にするもの。Intel VT-dは、仮想化ソフトウェアで必須の機能とはされていないが、I/O性能の向上に寄与するものである。

ブランド Core i7
プロセッサ・ナンバ i7-3720QM i7-3820QM i7-3920XM
価格(1000個ロット時) 3万1840円 4万7850円 9万2330円
TDP 45W 45W 55W
コア数/スレッド数 4/8 4/8 4/8
CPUのベース動作周波数 2.6GHz 2.7GHz 2.9GHz
ターボ時の最大周波数 シングル・コア 3.6GHz 3.7GHz 3.8GHz
デュアル・コア 3.5GHz 3.6GHz 3.7GHz
クアッド・コア 3.4GHz 3.5GHz 3.6GHz
サポート・メモリ(DDR3) 1600MHz 1600MHz 1600MHz
3次キャッシュ容量 6Mbytes 8Mbytes 8Mbytes
Intel HD Graphics 4000 4000 4000
グラフィックスのベース動作周波数 650MHz 650MHz 650MHz
グラフィックスのダイナミック動作周波数 1250MHz 1250MHz 1300MHz
PCI Express 3.0
Intel Secure Key
Intel OS Guard
Intel vPro
Intel VT-d
Ivy Bridgeの主な仕様(ノートPC向け)

ブランド Core i5
プロセッサ・ナンバ i5-3450 i5-3450S i5-3550 i5-3550S i5-3570T i5-3570K
価格(1000個ロット時) 1万5500円 1万5500円 1万7270円 1万7270円 1万7270円 1万8960円
TDP 77W 65W 77W 65W 45W 77W
コア数/スレッド数 4/4 4/4 4/4 4/4 4/4 4/4
CPUのベース動作周波数 3.1GHz 2.8GHz 3.3GHz 3.0GHz 2.3GHz 3.4GHz
ターボ時の最大周波数 3.5GHz 3.5GHz 3.7GHz 3.7GHz 3.3GHz 3.8GHz
サポート・メモリ(DDR3) 1600MHz 1600MHz 1600MHz 1600MHz 1600MHz 1600MHz
3次キャッシュ容量 6Mbytes 6Mbytes 6Mbytes 6Mbytes 6Mbytes 6Mbytes
Intel HD Graphics 2500 2500 2500 2500 2500 4000
グラフィックスのベース動作周波数 650MHz 650MHz 650MHz 650MHz 650MHz 650MHz
グラフィックスのダイナミック動作周波数 1100MHz 1100MHz 1150MHz 1150MHz 1150MHz 1150MHz
PCI Express 3.0
Intel Secure Key
Intel OS Guard
Intel vPro
Intel VT-d
Ivy Bridgeの主な仕様(デスクトップPC向けCore i5)

ブランド Core i7
プロセッサ・ナンバ i7-3770 i7-3770S i7-3770T i7-3770K
価格(1000個ロット時) 2万4770円 2万4770円 2万4770円 2万7970円
TDP 77W 65W 45W 77W
コア数/スレッド数 4/8 4/8 4/8 4/8
CPUのベース動作周波数 3.4GHz 3.1GHz 2.5GHz 3.5GHz
ターボ時の最大周波数 3.9GHz 3.9GHz 3.7GHz 3.9GHz
サポート・メモリ(DDR3) 1600MHz 1600MHz 1600MHz 1600MHz
3次キャッシュ容量 8Mbytes 8Mbytes 8Mbytes 8Mbytes
Intel HD Graphics 4000 4000 4000 4000
グラフィックスのベース動作周波数 650MHz 650MHz 650MHz 650MHz
グラフィックスのダイナミック動作周波数 1150MHz 1150MHz 1150MHz 1150MHz
PCI Express 3.0
Intel Secure Key
Intel OS Guard
Intel vPro
Intel VT-d
Ivy Bridgeの主な仕様(デスクトップPC向けCore i7)

【コラム】プロセッサ・ナンバの見方

 Intelのプロセッサでは、動作クロックやサポートする機能によって「プロセッサ・ナンバ」と呼ぶ型番が付けられている。第2世代Coreプロセッサから4けた+アルファベットによるナンバとなっており、第3世代Coreプロセッサ(Ivy Bridge)でも同じルールによるナンバが付けられている。第2世代Coreプロセッサは2000番台が付けられていたが、第3世代Coreプロセッサでは3000番台となり、百の位以下は動作クロックや機能などによって番号が振られている。

 モデルによっては、数字の後にさらにアルファベットが付けられる。デスクトップ向けの「K」が付くモデルは、オーバークロック動作に対応した製品(アンロック対応)で、対応マザーボードを利用することで動作クロックを規定値よりも引き上げて利用できる。「S」はTDPが65W(通常モデルは77W)でかつパフォーマンスを重視したモデル、「T」はTDPがさらに低い35〜45Wとした消費電力を重視したモデルである。

 モバイル向けは、「XM」がエクストリーム・エディション(クアッドコアの最速のモデル)、「QM」がクアッドコア、「M」が通常のモデルとなる。

プロセッサ・ナンバの意味

 インテルによれば、「同一の電力(TDP)とパフォーマンスのクラス内では、大きい数字はパフォーマンス関連機能が多く搭載されていることを示しているが、プロセッサ・ナンバが大きくても、必ずしもすべての機能が強化されているわけではない」という。そのため、プロセッサ・ナンバからは機能や性能を単純に判断できないので、購入前には必ず以下のインテルのWebページで、モデル・ナンバから機能や動作クロックを調べた方がよい。

対応チップセット「Intel 7シリーズ」

 デスクトップPC向けIvy Bridgeのパッケージは、Sandy Bridgeと同じLGA1155で、Sandy Bridge世代のチップセット「Intel 6シリーズ」にも実装可能だ。またIvy Bridgeに対応するチップセットは、4月8日にIntel 7シリーズとしてすでに発表済みである(Intel 7シリーズは、Sandy Bridgeの実装も可能)。

Intel 7シリーズ・チップセットの主な機能
Intel 7シリーズ・チップセットでは、USB 3.0やThunderboltのチップセットでのサポートが行われる(Intelのプレゼンテーション資料より)。

 Intel 6シリーズ・チップセットを搭載したマザーボードはMini-ITX形状のものなど、すでに多くの種類が販売されている。Sandy Bridgeとピン互換で、これらのマザーボードが利用できるのは大きなメリットといえるだろう。ただ、Ivy Bridge+Intel 7シリーズならば、ThunderboltやUSB 3.0、3画面出力などの機能が利用できるが、Ivy Bridge+Intel 6シリーズでは、ThunderboltやUSB 3.0のサポートには別チップが必要になったり、2画面出力に制限されたりすることになる。Ivy Bridgeの機能を生かすならばIntel 7シリーズ・チップセットと組み合わされたPCを選んだ方がよいだろう。

 4月24日時点では、クアッドコア・プロセッサのみがリリースされたが、今後、Core i3やデュアルコア製品、Ultrabook向けの低消費電力版、Pentiumブランド製品などが追加される予定となっている。Intelのロードマップによれば、2012年第3四半期には、Core i3の一部を除き、Core i3/i5/i7はIvy Bridgeへ移行する予定となっている。

 すでにメーカー各社は、Ivy Bridgeを搭載したUltrabookを開発している聞く。2012年末から2013年初頭には、Windows 8がリリースされることから、Windows 8+Ivy Bridgeが2013年のPCの主流となることだろう。End of Article

 

 INDEX
  [基礎解説]「第3世代Coreプロセッサ・ファミリ」はどこが進化したのか
    1.第3世代Coreプロセッサ・ファミリの機能変更点
  2.Ivy Bridgeの製品ラインアップ

 基礎解説

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