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Active Directoryドメイン/フォレストの機能レベルを上げる

解説をスキップして操作方法を読む

デジタルアドバンテージ 打越 浩幸
2009/05/29
対象OS
Windows 2000 Server
Windows Server 2003
Windows Server 2008
Active Directoryのドメインやフォレストには、利用可能な機能の範囲を表す「機能レベル」がある。
OSのメジャー・バージョンごとに利用可能な機能レベルには差があるので、ドメインやフォレスト内ではOSの種類にかかわらず、統一した機能レベルで運用する。
古いバージョンのOSのDCがなくなった場合や新OSに更新した場合は、機能レベルを上げて運用することができる。

解説

改訂 管理者のためのActive Directory入門

 TIPS「Active Directoryドメイン/フォレストの機能レベルとは?」では、Active Directoryのドメインやフォレストの機能レベルについて解説した。機能レベルごとに利用できるActive Directoryの機能に違いがあり、新しいものほど高度な機能が利用できる。しかしWindows OSのメジャー・バージョンによってサポートされている機能レベルには差があるので、上位の機能レベルを利用するためには、ドメイン・コントローラ(DC)のOSをすべて更新して、新しいものに揃える必要がある。大まかにいうと、Windows 2000、Windows Server 2003、Windows Server 2008という3つの機能レベルがあるので、例えば「Windows Server 2003」という機能レベルを使いたければ、Windows 2000 ServerのDCを削除する(ドメイン・コントローラから降格する)必要がある。

 DCのOSを新しくするか、古いOSを使っているDCを削除するなどして、必要なバージョンのOSが稼働するDCを揃えたら、次はドメインやフォレストの機能レベルを変更する操作を行う必要がある。新しいDCを導入しても、自動的に機能レベルが変更されることはないからだ。本TIPSでは、この方法について解説する。なお機能レベルを一度上げると、もう降格することはできないので、周到に計画を立ててから実行する必要がある。

操作方法

ドメインの機能レベルを上げる

 ドメインの機能を上げるには、DCに「Domain Admins」グループのユーザーでログオンし、[管理ツール]の[Active Directory ユーザーとコンピュータ]か[Active Directoryドメインと信頼関係]ツールを利用する。以下は[Active Directoryドメインと信頼関係]ツールでの操作例である。管理ツールを起動したら、[Active Directory ユーザーとコンピュータ]のツリーに表示されているドメイン名を右クリックし、ポップアップ・メニューから[ドメインの機能レベルを上げる]を選択する。

ドメインの機能レベルを上げる(1)
これは[Active Directory ユーザーとコンピュータ]ツールでドメインの機能レベルを上げようとしている例。ドメイン名を選んで右クリックするとメニューが表示される。
ドメイン名を選択して右クリックする。
これを選択する。

 [Active Directoryドメインと信頼関係]ツールの場合も同様で、[Active Directory ユーザーとコンピュータ]のツリーに表示されているドメイン名を右クリックし、ポップアップ・メニューから[ドメインの機能レベルを上げる]を選択する。

ドメインの機能レベルを上げる(2)
これは[Active Directoryドメインと信頼関係]ツールでドメインの機能レベルを上げようとしている例。ドメイン名を選んで右クリックするとメニューが表示される。
ドメイン名を選択して右クリックし、ポップアップ・メニューからこれを選択する。

 [ドメインの機能レベルを上げる]を実行すると、次のようなダイアログが表示されるので、希望するドメインの機能レベルを選んで、[上げる]をクリックする。すでに最高レベルの機能レベルで稼働している場合は、「このドメインは、可能な範囲で最高の機能レベルで稼働しています。」というメッセージが表示され、変更できない。

ドメインの機能レベルを上げる(3)
利用可能な機能レベルを選択して、変更する。
対象のActive Directoryドメイン名。
現在の機能レベル。「Windows 2000 混在」は、Active Directoryの中では最も低い機能レベル。このレベルはActive Directoryの導入時にユーザーが指定する。
Windows Server 2003がDCの場合は、このいずれかに変更できる。
これをクリックすると機能レベルの変更作業が行われる。

 確認ダイアログが表示されるので、[OK]をクリックすると、実際に機能レベルの変更が行われる。エラーが起こるとその旨が表示されるが、たいていの場合は、DCと通信できないか、すべてのDCのOSバージョンが、要求される機能レベルのOSバージョンに不足しているといった理由が多い。

 機能レベルの変更要請はすべてのDCへ伝達されるため、規模が大きなサイト(DCが多いサイト)の場合は少し時間がかかるが、たいていの場合はすぐに完了するだろう。終了後、完了したというダイアログが表示されるので、ドメイン名を右クリックしてポップアップ・メニューから[プロパティ]を選択する。すると現在のフォレストやドメインの機能レベルを確認できる。

機能レベルの確認
ドメイン名を右クリックしてプロパティを表示させると、現在の機能レベルが確認できる。
ドメインの機能レベルが上昇している。
フォレストの機能レベルはまだActive Directory導入時のまま。

フォレストの機能レベルを上げる

 フォレストの機能を上げるには、DCに「Enterprise Admins」グループのユーザーでログオンし(「Domain Admins」グループではない)、[管理ツール]の[Active Directoryドメインと信頼関係]ツールを利用する。管理ツールを起動したら、[Active Directory ドメインと信頼関係]というルート項目を右クリックし、ポップアップ・メニューから[フォレストの機能レベルを上げる]を選択する。

フォレストの機能レベルを上げる(1)
ツールのルートにある[Active Directory ドメインと信頼関係]という項目を右クリックする。ドメイン名ではない。
これを選択する。

 これを実行すると次のようなダイアログが表示されるので、希望する機能レベルを選択して、[上げる]をクリックする。すでに最高レベルの機能レベルで稼働している場合は、「このフォレストは、可能な範囲で最高の機能レベルで稼働しています。」というメッセージが表示され、変更できない。

フォレストの機能レベルを上げる(2)
対象となるActive Directoryのフォレスト名。
現在のフォレストの機能レベル。「Windows 2000」は、Active Directoryの中では最も低い機能レベル。
利用可能な機能レベル。
これをクリックすると、確認ダイアログが表示された後、実際の機能レベルの変更作業が行われる。

 変更後の機能レベルを確認するには、このメニュー項目をもう一度実行するか、先の例と同じように、ドメインのプロパティを表示させればよい。End of Article

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