そこで、ダウンロードしたインストール・イメージをネットワーク共有フォルダに保存してLANに公開し、そこからセットアップ・プログラムを実行してインストールできれば、いちいちインストール用DVDメディアを作る手間が省ける。テストPCにWindows OSが未インストールの場合でも、Windows PE 2.0で起動すれば、数ステップの操作でネットワーク共有フォルダにアクセスできるようになる(Windows PE 2.0については関連記事を参照)。新しい版のインストール・イメージに差し替える場合も、共有フォルダにコピーし直すだけで済む。
本稿では、Windows OSをインストールするテスト用PC(以下、テストPC)で、いったんWindows PE 2.0を起動してから、インストール対象のWindows OSのセットアップ・プログラムを起動する。Windows PE 2.0の起動にはUSBメモリを利用する。その容量は256Mbytes以上が望ましい(詳細はTIPS「Windows PE 2.0のブータブルUSBメモリを作成する」を参照)。
テストPCとは別に、Windows PE 2.0のブータブルUSBメモリ作成や、Windows OSのインストール・イメージからのファイル展開のために、作業用PCが必要となる。さらにネットワーク共有フォルダを公開するWindowsマシンも必要だが、これは既存のファイル・サーバを流用してもよい。
注意が必要なのは、インストールするWindows OSに合わせて、Windows PE 2.0のアーキテクチャ(x86/x64)を選ばなければならない点だ。x64版のWindows OSのセットアップ・プログラムは、x86版のWindows PE 2.0上では実行できないし(エラーが発生する)、その逆もまた同じである。Windows PE 2.0のx86版/x64版それぞれの起動イメージ作成方法は、TIPS「Windows PE 2.0のブータブルUSBメモリを作成する」を参照していただきたい。
Windows PE 2.0のブータブルUSBメモリを作成したら、テストPCに装着して電源をオンにし、BIOSセットアップを呼び出してUSBメモリから起動できるように設定する(設定方法の例はTIPS「diskpartを使ってWindows Vista/7のインストールUSBメモリを作る」参照)。PCを再起動してWindows PE 2.0がUSBメモリから正常に起動されると、以下の画面が表示されるはずだ。
Windows PE 2.0の起動後の画面
Windows PE 2.0のネットワーク接続状況を確認する
Windows PE 2.0が起動したら、次のようにipconfigコマンドを実行してネットワーク・インターフェイスの状態を確認する。
Windows PE 2.0には、ネットワーク・インターフェイス・カード(NIC)を含む代表的なデバイスに対応するドライバが標準で組み込まれている。多くの場合、起動するだけで適切なNIC用ドライバがプラグ・アンド・プレイで自動的にロードされ、ネットワークが利用可能になる。しかしテストPCに搭載されたNICのドライバがWindows PE 2.0に含まれていなかった場合、ipconfigコマンドを実行しても、次のようにIPアドレスなどの情報がまったく表示されない。
この場合、手動でNIC用ドライバを組み込む必要がある。それにはまず、作業用PCで該当するNICのWindows Vista用ドライバをダウンロードして入手し、アーカイブを展開してブータブルUSBメモリにコピーする。その後、再びブータブルUSBメモリをテストPCに装着してWindows PE 2.0を起動し、次のコマンドラインを実行してドライバをロードする。
drvload D:\Drivers\Nic.inf
「D:」はブータブルUSBメモリに割り当てられたドライブ文字で、「\Drivers」はNIC用ドライバを展開して保存したフォルダのパス、「Nic.inf」はドライバの.infファイルである。それぞれ適宜変更していただきたい。drvloadコマンドの使い方などは「4.Windows PE 2.0による起動ディスクの使い方」の「起動後のWindows PEにデバイス・ドライバを追加する(drvload)」が参考になる。
X:\windows\system32> net use k: \\server1\discimages\x86\win7\rc\win7x86rc /user:example\user01 *……
'\\server1\discimages\x86\win7\rc\win7x86rc' のパスワードを入力してください。: ……
コマンドは正常に終了しました。 ……
X:\windows\system32>
ネットワーク共有フォルダをマウントするコマンドライン
下線部分を入力して実行する。
「k:」はマウント先のドライブ文字。「\\server1\discimages\x86\win7\rc\win7x86rc」はインストールしたいOS(Windows 7 x86 RC)用フォルダへのUNCパス。「example\user01」は共有フォルダにアクセス可能なアカウント。最後の「*」はパスワード入力を促すためのもの。いずれも適宜変更していただきたい。