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Hyper-Vの内部ネットワークでDHCPを利用する

解説をスキップして操作方法を読む

デジタルアドバンテージ 打越 浩幸
2010/02/19
対象OS
Windows Server 2008
Windows Server 2008 R2
Hyper-Vの内部仮想ネットワークでは、DHCPサービスが利用できない。
DHCPサービスを利用したい場合は、親パーティションのOSにDHCPサービスを導入し、内部仮想ネットワークにバインドすればよい。

解説

仮想ネットワークの種類を知る(連載 仮想PCで学ぶ)

 Windows Server 2008/R2上で利用できるHyper-Vでは、仮想ネットワークの種類として「外部仮想ネットワーク」「内部仮想ネットワーク」「プライベート仮想ネットワーク」の3種類が利用できる。このうち「内部仮想ネットワーク」は、仮想マシン間やホストOSとの通信にのみ利用できる仮想ネットワーク・インターフェイスである。この内部仮想ネットワークを利用すると、仮想マシン間で通信しながらも、さらにホストOSとも通信可能な、閉じたネットワークが実現できる。

内部仮想ネットワーク・インターフェイス
内部仮想ネットワーク・インターフェイスを利用すると、ホスト・コンピュータの内部にのみ存在する仮想的な内部ネットワークに接続される。このネットワークは外部とは隔離されており、通信することはできない。ただしホストOSとは通信できる。ホストOSとの通信も禁止したければ、プライベート仮想マシンネットワーク・インターフェイスを利用する。複数の内部仮想ネットワーク・インターフェイスを作成しておけば、仮想マシンをネットワークでグループ化できる。

 従来のVirtual Server 2005 R2にも同様のネットワークが存在したが、Hyper-Vのものでは、DHCPサービスが利用できないという違いがある。そのため、このネットワークに接続されたインターフェイスでは、IPアドレスの自動割り当てを受けることができず、通常は「169.254.*.*」というアドレス(APIPAという)を利用することになる。

 だがAPIPAのままでは、各仮想マシンに割り当てられるIPアドレスがランダムになり、特に複数台の仮想マシンをまとめて利用する場合に面倒になる。やはりDHCPなどでIPアドレスを集中管理しておきたいところである。本TIPSでは、Hyper-Vの内部仮想ネットワークに対してDHCPサービスを提供する方法を解説する。

操作方法

 Hyper-Vの内部仮想ネットワークでDHCPを利用するには、ホストOS(親パーティションにインストールされているWindows Server 2008/R2)にDHCPサービスを導入し、それをHyper-Vの内部仮想ネットワーク・インターフェイスにバインドすればよい。以下、その手順を解説する。

手順1――内部仮想ネットワークに固定IPアドレスを割り当てる

 まずHyper-Vの管理ツールの[仮想ネットワーク マネージャ]を起動して、新しく内部仮想ネットワークを作成する。今回は次のように、「ローカル エリア接続4」という仮想インターフェイスを作成した。

Hyper-Vサーバ上のネットワーク・インターフェイスの一覧
Hyper-Vをインストールすると、元からあったネットワーク・インターフェイスのほかに、新しい外部仮想ネットワークが作成される。今回はそれ以外に、さらにもう1つ内部仮想ネットワークを作成している。ネットワークの種類については、冒頭の関連記事を参照のこと。
最初から存在していた物理的なネットワーク・インターフェイス。Hyper-Vのインストール後は、Hyper-Vのハイパーバイザにのみバインドされている。
ホストOSはこの外部仮想ネットワーク・インターフェイスにバインドされる。
新しく作成した内部仮想ネットワーク。どこにもバインドされていないので、デフォルトではAPIPAによって、169.254.*.*というIPアドレスが割り当てられている。

 内部仮想ネットワークでDHCP機能を利用するためには、まずこのインターフェイスに対して新しいネットワーク・アドレスと固定IPアドレスを割り当てておく。ここでは、「10.1.1.1/16」という固定IPアドレスを割り当て、DHCPで割り当てる範囲は「10.1.1.100〜10.1.1.254」とする(今回はIPv4のみを対象とする)。

 固定IPアドレスを割り当てるにはTCP/IPのプロパティを開いて設定するか、コマンド・プロンプト上で次のようなコマンドを実行する。netshについてはTIPS「netshコマンドでTCP/IPのパラメータを設定する」を参照していただきたい。

netsh interface ip set address "ローカル エリア接続 4" static 10.1.1.1 255.255.0.0

手順2――DHCPサービスを導入して内部仮想ネットワークにバインドする

 次はWindows Server 2008/R2にDHCP役割を追加して、先ほど設定した内部仮想ネットワークにバインドする。

 DHCPサービスを導入するには、サーバ・マネージャで「役割の追加ウィザード」を起動し、[DHCP サーバー]のチェックボックスをオンにしてウィザードを進める。

 ウィザードの最初のステップで、DHCPサービスをバインドするネットワークを選択する画面が表示される。この画面では、新しく作成したネットワーク(「10.1.1.1」と表示されている方のネットワーク)のチェックボックスだけをオンにして、先へ進む。

ネットワーク・インターフェイスの選択
DHCPサービスをバインドしたい方のネットワークを選択する。
これはホストOSがもともと利用していたインターフェイスのIPアドレス。こちらのチェックボックスはオフにすること。
これが新しく作成した内部仮想ネットワーク・インターフェイス。こちらのチェックボックスをオンにする。

 次の画面では、DHCPのクライアントに渡すドメイン名とDNSサーバを指定する。ここでは、ローカルにDNSサーバがインストールされているものとして「127.0.0.1」というIPアドレスを設定している(必要ならローカルにDNSサービスをインストールすること)。ほかのIPアドレスにすることも可能だが、その場合は、この10.1.0.0/16という内部仮想ネットワークとDNSサーバのネットワーク間でルーティングを有効にしておかなければならない。具体的にはこのWindows ServerにRRASサービスを導入する必要がある。本TIPSでは、DHCPサーバの設定のみを解説する。ルーティングを許可する方法については今後別TIPSで解説する。

DNSドメイン名とDNSサーバの設定
ここで設定した値はDHCPのパラメータとしてクライアントの仮想マシンに渡される。
ドメイン名。
DNSサーバが必要ならローカルにインストールしておくこと。組織内にあるほかのDNSサーバを指定してもよいが、その場合はルーティングを有効にしておく必要がある。

 「DHCPスコープ」の画面では、新しいDHCPのスコープとそのパラメータを定義する。

DHCPスコープの定義とそのパラメータの設定
DHCPのスコープを定義する。この作業はDHCPサービスのインストール後に行ってもよい。
デフォルトではスコープは何も定義されていない。
今回は、これをクリックしてここでスコープを追加してみる。

 [追加]ボタンをクリックすると、スコープのパラメータを入力するダイアログが表示されるので、ここで入力しておこう。

DHCPスコープの定義
内部仮想ネットワーク用に新しいスコープを定義する。
DHCPサーバで利用する、スコープの名前。ここでは内部ネットワークということが分かる名前を付けている。
リース開始IPアドレス。
リース終了IPアドレス。
ネットワークの種類を変更すると、リース期間のデフォルト値が変わる。有線の場合は8日だが、無線LANの場合は8時間となっている。リース時間は後でオーバーライドできる。実験環境にしか利用しないのであれば、もっと短くしてもよいだろう。
スコープの作成後、すぐにアクティブにする。
サブネットマスクの指定。
ゲートウェイの指定。本サーバ自身(10.1.1.1)を指しておけばよい。

 以上でIPv4に関する設定は終了である。この後、IPv6のドメイン名などを入力する画面が表示されるが、上と同様に、「example.com」などをセットしておけばよいだろう。

 最後に[インストール]ボタンをクリックしてウィザードを終了させると、DHCPサービスがインストールされ、利用できるようになっているはずである。

DHCPマネージャ
インストールが完了するとこのようになっているはずである。
IPv4のスコープ定義。
スコープのオプション。必要に応じてさらにオプションを追加する。

 内部仮想ネットワークに対するDHCPサーバの設定は以上である。次はHyper-Vの管理ツールで仮想マシンを作成し、作成した内部仮想ネットワークをバインドして起動してみよう。10.1.1.100〜のIPアドレスが割り当てられていれば成功である。

 複数の内部仮想ネットワークを作成した場合は、それぞれに異なるネットワーク・アドレスを割り当て、さらに新しいDHCPスコープを定義してやればよい。End of Article

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