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Connectifyツールで仮想無線LANルータを構築する

解説をスキップして操作方法を読む

デジタルアドバンテージ 小林 章彦
2010/07/16
対象OS
Windows 7
Windows Server 2008 R2
iPod Touchなどの携帯情報端末を無線LANでインターネットに接続したい。
身近に無線LANアクセスポイントがない。
Connectifyツールを利用すれば、インターネットに接続しているノートPCを仮想無線LANルータにして、携帯情報端末をインターネットに接続できる。

解説

 「Windows TIPS:Virtual Routerで仮想無線LANルータを構築する」では、Virtual Routerツールを利用して仮想無線LANルータを構築する方法を紹介した。同様のツールがConnectifyから「Connectify」として無償で提供されている。

 Connectifyツールは、Virtual Routerツールと同様、Windows 7/Server 2008 R2のVirtual Wi-Fi機能を利用して、仮想無線LANルータを構築するものだ。そのためWindows 7/Server 2008 R2でのみ動作し、Virtual Wi-Fiに対応した無線LANアダプタと対応デバイス・ドライバが必要となる。ただしConnectifyツールは無線LANのAd Hoc(アドホック)モードにも対応しており、このモードなら、Virtual Wi-Fiに対応していない無線LANアダプタでも仮想無線LANルータの構築が可能だ。なおWindows 7 StarterエディションはVirtual Wi-Fi機能が無効化されており、Connectifyツールを利用できない。

 原稿執筆時点のバージョンはConnectify 2.0.1であるが、このバージョンではクライアントに対してIPアドレスの配布が正常に行えない場合があるようだ。そこで本稿では、動作が安定しているConnectify v.1.2を取り上げる。

  操作方法

 Connectifyツールは、以下のWebページの「Community Update」にある「Connectify v1.2」のリンクをクリックすると、インストール・パッケージ(ConnectifyInstaller.exe)をダウンロードできる。これを適当なフォルダに保存する。

 インストール・パッケージを実行するとインストール・ウィザードが起動するので、License Agreementに合意([I agree]ボタンをクリック)するとインストールが始まる。インストールが完了すると、Connectifyツールが起動し、設定ウィザード(Connectify Hotspot Setup Wizard)が起動する(ウィザードの最後でチェックを外さなかった場合)。

 設定ウィザードでは、SSID(デフォルトは「Connectify-me」)とパスワード(8文字以上63文字まで)、インターネットの接続先ネットワーク名(ローカル エリア接続など)、インターネット共有の有効化([Enable Inernet Sharing]のチェックが入っていることを確認)すれば設定が完了だ。

Connectifyの設定ウィザードの画面
設定はウィザードで行う。SSID(デフォルトは「Connectify-me」)とパスワード(8文字以上63文字まで)、インターネットの接続先ネットワーク名(ローカル エリア接続など)を入力または選択し、インターネット共有の有効化([Enable Internet Sharing]のチェックを確認すればよい。このウィザードは、Connectifyの画面の[Easy Setup Wizard]ボタンをクリックすることでも起動できる。

Connectifyの画面
この画面で仮想無線LANルータの起動/停止などを行う。
[Start Hotspot]ボタンをクリックすると、仮想無線LANルータ機能が動作する。→
[Easy Setup Wizard]ボタンをクリックすると、設定ウィザードが起動する。
このボタンをクリックすると、Connectifyの画面が閉じる。

 仮想無線LANルータ機能を開始するには、[Start Hotspot]ボタンをクリックすればよい。無線LANクライアントは、設定したSSIDで、Connectifyを経由してインターネットに接続可能になる。その際、IPアドレスやゲートウェイアドレスなどは、ConnectifyがDHCPサーバになって配布する。

 Connectifyの画面は、右上の[▼]ボタンをクリックすると閉じて、通知領域(インジケータ領域)に常駐する。再度、画面を開きたい場合は、通知領域のConnectifyのアイコンをダブルクリックすればよい。

クライアントが接続済みのConnectifyの画面
[Start Hotspot]ボタンをクリックすると、仮想無線LANルータ機能が動作するので、クライアントでConnectifyに設定したSSIDを探す。
  接続したクライアントは、ここにマシン名などが表示される。
  [Stop Hotspot]ボタンをクリックすると、仮想無線LANルータ機能が停止する。

Connectifyに接続したiPod Touchの無線LAN画面
SSID「Connectify-me」に接続し、IPアドレスなどが設定されていることが分かる。検索ドメインは「mshome.net」に設定される。

 なお、Virtual Routerと同様、Connectifyも暗号化方式の選択肢はなく、「WPA2」が設定される。そのため、WPA2に対応していない無線LAN機器は接続できないので注意が必要だ。

 Connectifyを使うと、Windows 7/Server 2008 R2+無線LAN環境で簡単に仮想無線LANルータが構築できてしまう。無線LANのアクセスポイントを構築できるのは便利なのだが、Connectifyが社内システムへの侵入経路になってしまう危険性もある。利用する場合は、必要なときだけ仮想無線LANルータ機能を動作させ、接続しているクライアント(Connectifyの「Connected Clients」に表示される)を常に確認するようにしよう。End of Article

「Windows TIPS」


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