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Windows Live Meshを使ってインターネット経由でリモート・デスクトップ接続する

解説をスキップして操作方法を読む

デジタルアドバンテージ 小林 章彦
2010/12/10
対象OS
Windows Vista
Windows 7
リモート・デスクトップ機能を使うと、リモートのコンピュータにログオンして、GUI操作を行うことができる。
しかしインターネットを介して遠隔地のオフィスや自宅にあるコンピュータの操作をするには、事前にVPN接続を確立しておく必要がある。
Windows Live Mesh 2011をインストールしておくと、インターネットを介したリモート・デスクトップ接続が可能になる。

解説

 Windows XP/Vista/7などに標準搭載されているリモート・デスクトップは、ネットワークで対象のコンピュータに接続し、そのデスクトップを手元のコンピュータのウィンドウ内に表示、操作可能にする便利なツールである。しかし接続できるのは、ローカル・ネットワーク内だけであり、インターネットを介して対象のコンピュータの操作を可能にするためには、事前にVPN接続を行っておく必要がある。しかしVPN接続環境を構築するのは簡単ではない。そのため、外出先から社内のコンピュータにリモート・デスクトップで接続して作業を行いたいと思っていても、断念している人も多いのではないだろうか。

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 実はLogMeInTeamViewerなど、VPN接続しなくてもインターネットを介して対象のコンピュータの表示・操作ができるツールが提供されている。マイクロソフトからも、同様のツール「Windows Live Mesh 2011(以下、Live Mesh)」が提供されている。Live Meshでは、Live Meshのサーバを介して通信を中継しているため、直接のVPN接続なしでもリモートのコンピュータを操作できる。本稿では、このLive Meshの利用方法を紹介する。

  操作方法

■手順1――操作対象のコンピュータにWindows Live Meshをインストールする

 Live Meshを利用するためには、操作対象のコンピュータにあらかじめLive Meshをインストールして、有効にしておく必要がある。また、Live Meshをインストール/利用するためにはWindows Liveのアカウントが必要になる。アカウントがない場合は、まず以下のWebページでWindows Live IDを取得しておく。

 次に、操作対象のコンピュータ(Windows Vista/7のみサポート。Windows XPは対象外)にLive Meshをインストールする。以下の「Windows Live Mesh 2011」のWebページで[今すぐダウンロード]リンクをクリックし、インストール・パッケージ「wlsetup-web.exe」をダウンロードする。

マイクロソフトのWindows Live Mesh 2011のWebページ
ここで[今すぐダウンロード]をクリックすると、Windows Live Essentialsのインストール・パッケージがダウンロードできる。
ここをクリックし、Windows Live Essentialsのインストール・パッケージ「wlsetup-web.exe」をダウンロードする。

 wlsetup-web.exeを実行すると、インストール・ウィザードが起動するので指示に従って進めればよい。Live Meshは、Windows Live Essentials(旧名:おすすめパック)の機能の1つとして提供されているので、Live Meshのみをインストールしたい場合は「インストールする製品の選択」を選んで、「Windows Live Mesh」以外のチェックを外す必要がある。なおLive Meshのインストールには管理者権限が必要となる。

Windows Live Essentials 2011のインストール・ウィザード画面
ここでWindows Live Essentialsのすべてのツールをインストールするか、インストールするツールを選択するかを選ぶ。
「Windows Live Essentialsをすべてインストールする」を選択すると、MessengerやBingバー、Liveメールなど、Windows Live Essentialsで提供されているすべてのツールがインストールされる。
「インストールする製品の選択」を選択すると、次の画面でインストールするツールが選択できる。→

Windows Live Essentials 2011のインストール・ウィザードの[インストールするプログラムの選択]画面
ここで必要なツールのみチェックを残す。当然ながら「Windows Live Mesh」にチェックを入れておく。
  ここにチェックが入っていることを確認する。

 これで操作対象のコンピュータへのLive Meshのインストールが完了する。続いて操作対象のコンピュータでLive Meshを起動し、Live Meshにサインインしておく。それには、Windows LiveのIDとパスワードを入力し、[サインイン]ボタンをクリックする。なお、継続的に(再起動などしても)Live Meshに接続しておくには[IDとパスワードを保持する]と[自動的にサインインする]にチェックを入れておくこと。

Live Meshのサインイン画面□
Windows LiveのIDとパスワードなどを設定する。
Windows LiveのIDとパスワードを入力する。
再起動後もLive Meshに接続するには[IDとパスワードを保持する]と[自動的にサインインする]にチェックを入れておく。

 これで操作対象のコンピュータでLive Meshのサービスが起動した状態となるが、この状態ではまだほかのコンピュータからこのコンピュータは操作できない。そこで、インジケータ領域に常駐している[Live Mesh]アイコンを右クリックし、メニューから[Windows Live Meshを開く]を選択する。すると以下の画面が表示されるので、Live Meshによるリモート接続を許可する。

Windows Live Meshの画面
ほかのコンピュータからこのコンピュータの操作を可能にするには、[リモート]をクリックし、リモート接続の許可を行う。
ここをクリックする。

Windows Live Meshのリモート接続の許可画面
ここで[このコンピューターへのリモート接続を許可]をクリックする。
  ここをクリックし、Live Meshによるリモート接続を許可する。

■手順2――ほかのコンピュータから操作する

 通常のリモート・デスクトップ機能では、操作対象のコンピュータを表示・操作するためにクライアント・ソフトウェアとしてリモート・デスクトップ接続を利用する。これに対しLive Meshでは、Internet Explorer(IE)上に表示・操作のための「リモート接続用のWindows Live Mesh ActiveXコントロール」をインストールすることで行う。クライアント用のActiveXコントロールは、IE 6以降(32bit版のみ)にインストール可能である。編集部で試したところ、Windows XP上のIE 6でも操作可能であった。IEがあれば、特別なクライアント・ソフトウェアが不要なので、例えば一時的にほかの人のコンピュータを借りて、操作対象のコンピュータを表示・操作するといったことも容易に行える。

 では、ほかのコンピュータから操作対象のコンピュータに接続し、表示・操作をしてみよう。IEでWindows Liveを開き、操作対象のコンピュータのLive Meshに設定したWindows Live IDでサインインする。続いて、ページの左上にある[Windows Live]をクリックし、メニューで[Devices]を選択する。

Windows Liveの初期画面
[Windows Live]をクリックし、メニューで[Devices]を選択する。
メニューで[Devices]を選択する。 →

 [デバイス]ページが開くので、ここで操作したいコンピュータ名の下にある[このコンピュータに接続]をクリックする。初回のみActiveXコントロール(前述の「リモート接続用のWindows Live Mesh ActiveXコントロール」)のインストールが求められるので、[インストール]ボタンをクリックする。ActiveXコントロールのインストールが完了したら、自動的に操作対象のコンピュータの画面がIEの中に表示され、操作可能になる(初回のみ操作対象のコンピュータにおいてリモート接続の許可を確認するダイアログが表示されるので、事前に接続して許可しておいた方がよい)。

Windows Liveの[デバイス]画面
操作したいコンピュータを選択する。コンピュータ名の下にある[このコンピュータに接続]をクリックする。
  ここをクリックする。→
  前述のリモート接続の許可が実行されていないと、コンピュータ名の下に[このコンピュータに接続]が表示されない。

Live Meshによる操作画面
操作対象のコンピュータの画面がIEの中に表示される。操作対象のコンピュータの画面解像度が高い場合は、縮小表示されるが、[表示]ダイアログのスライダーを操作することで、画面を拡大(スクロールしながら利用することになる)させることも可能だ。

 前述のとおりLive Meshでは、VPN接続せずにインターネットを介して操作対象のコンピュータへ接続し、表示・操作が行える。壁紙が表示されない、サウンドが転送されない、といった制限はあるが、基本的な操作はリモート・デスクトップ接続と同様に行える。ただし企業においては、インターネット越しに社内のコンピュータが操作可能になってしまうため、情報漏えいなど危険に十分注意する必要がある。場合によっては、Live Meshのインストールを禁止するなどの措置を施した方がよいだろう。End of Article

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このリストは、デジタルアドバンテージが開発した自動関連記事探索システム Jigsaw(ジグソー) により自動抽出したものです。

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