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Internet Explorer 6(IE6)とInternet Explorer 8(IE8)とのUIの違いを知る

解説をスキップして操作方法を読む

デジタルアドバンテージ 島田 広道
2011/11/04
対象ソフトウェア
Internet Explorer 6
Internet Explorer 8
Internet Explorer(IE)をバージョン・アップしていないWindows XPからWindows 7に移行すると、IEのバージョンは6から8に変わる。
IE6とIE8ではUIが異なるので、Windows 7の移行後、エンドユーザーがIEの操作感の違いに戸惑うことがある。
IE6とIE8のUIの違いを知れば、より早くIE8の操作に習熟できる。

解説

 Windows XPからWindows 7への移行を妨げる要因の1つとして、Internet Explorer(IE)のバージョンの違いがよく挙げられる。Windows XPはデフォルトでInternet Explorer 6(IE6)が、Windows 7はInternet Explorer 8(IE8)がそれぞれ組み込まれている。IEのバージョン・ダウンはできないので、Windows XPからWindows 7へ移行すると、IEのバージョンは否応なしに8へ上がることになる。

製品レビュー「Internet Explorer 8

 IE6とIE8ではWebアプリケーションの挙動が異なる場合があることが問題視されがちだが、ユーザー・インターフェイス(UI)の違いによる使い勝手の変化も無視できない。例えば、ページ読み込みの中止やページ更新といった基本的な操作のためのボタンですら、位置やデザインが変更されている。こうした違いはシステム管理者ならすぐ慣れることができるかもしれないが、一方でITの専門家ではないエンドユーザーにとっては、Windows 7への移行後、IE8のUIに敷居の高さを感じても、そう不思議なことではない。

 そこで本稿では、IE6とIE8のUIを比較して、その違いをまとめる。UIの違いを把握しておけば、より早くIE8の操作に習熟できるだろう。なお、原則として、IE6に実装されている機能がIE8のどこにあって、どう操作すれば利用できるのか、という観点で説明する。IE6にはないIE8の新機能については、製品レビュー「Internet Explorer 8」を参照していただきたい。また、IE8のプラットフォームはWindows 7を前提としている。

  操作方法

 以下では、各種バー(ツール・バーやエクスプローラ・バー)やメニュー(メニュー・バーにあるメニューと右クリックで表示されるコンテキスト・メニュー)、インターネット・オプションのダイアログについて、IE6とIE8の違いを説明する。そのほかのUIについてはほとんど違いはない。

ウィンドウ上部のツール・バーの違い

 IEのウィンドウ上部にある各種ツール・バーに注目すると、まずIE6にあるメニュー・バーがIE8にはないことに気付く。メニュー・バーの代わりに、IE8では「コマンド・バー」に細かい機能が集約されており、ツール・ボタンもIE6のボタン・バーからこのコマンド・バーに移動している。

 IE8でも、IE6とほぼ同じ構成のメニュー・バーを表示できる。[Alt]キーを押すと一時的に表示される(メニューの操作を終えると再び消える)ほか、ツール・バーの空いているところを右クリックして表示されるメニューにて、[メニュー バー]のチェックをオンにすると、以後はずっとメニュー・バーが表示されるようになる。とはいえ、メニュー・バーを表示させると、それだけウィンドウ上部の面積が増え、ページの表示面積が減ってしまうという欠点もある。

 そのほかのツール・バーやボタン、アイコンも再構成されていて、位置やデザインが変わっている。「リンク・バー」から「お気に入りバー」というように名称まで変わっている要素もある。

■Internet Explorer 6(IE6)
■Internet Explorer 8(IE8)
ツール・バーの違い
IE8ではデフォルトでメニュー・バーが表示されない点がIE6との大きな違いだ。IE8でもIE6とほぼ同じ構成のメニュー・バーが表示可能だが、基本的にはコマンド・バーがメニュー・バーの代わりになる。
メニュー・バー。IE8では[Alt]キーを押すと一時的に現れる。 印刷ボタン。IE8ではメニューを兼ねていて、プレビューも実行できる。
[戻る]ボタン。 ページのソース編集ボタン。IE8でも設定を変えればコマンド・バーに追加可能。
[進む]ボタン。 Messengerクライアント起動ボタン。IE8にはない。
[中止]ボタン。 アドレス・バー。
[更新]ボタン。 リンク・バー。IE8では「お気に入りバー」と呼ばれる。
[ホームページ]ボタン。 タブの見出し。タブを増やすと、これが狭くなりつつ増えていく。
エクスプローラ・バー関連のボタン(詳細はすぐ後で説明する)。 IE8のコマンド・バー。IE6のメニュー・バーの代わりに相当する(詳細は後述)。
メールやネット・ニュース関連のボタン。IE8ではメーラを起動できるだけ。    

 各ツール・ボタン(上記の)の表示/非表示はIE6でもIE8でもカスタマイズが可能だが、IE6にあった次のボタンはIE8で廃止されている(とはいえ、いずれもWebブラウザにどうしても必要な機能とはいえないものばかりだが)。

  • ネットワーク・ドライブの接続/切断
  • Windowsエクスプローラと同じフォルダ・ツリーやファイルの表示
  • Windows Messengerの起動

エクスプローラ・バー(お気に入りセンター)の違い

 IE6では、お気に入りや履歴の一覧がWebページ・ペインの左側に表示される。この枠はエクスプローラ・バーと呼ばれるが、IE8では「お気に入りセンター」に変更されている。またIE8ではお気に入りセンターがデフォルトでページの上に重なるように表示され、ショートカットをクリックするとすぐ消えて、ページ表示の邪魔にならないように改良されている。

■IE6
■IE8
エクスプローラ・バー(お気に入りセンター)の違い
IE6ではエクスプローラ・バーと呼ばれていたお気に入りや履歴の表示枠は、IE8では「お気に入りセンター」に変更された。
IE6では、いずれかをクリックしてオンにするとが表示される。IE8では、まずこれをクリックしてからを選ぶ。
これをクリックすると、にお気に入りが表示される。
これをクリックすると、に履歴一覧が表示される。
エクスプローラ・バー(IE6)またはお気に入りセンター(IE8)。IE8ではショートカットやリンクをクリックすると、この枠は消える。再表示するにはまたをクリックする。
お気に入りの追加や整理のためのボタン。IE8では右脇の▼をクリックすると、整理のためのメニューが表示される。
これをクリックすると、表示中のページのリンクがお気に入りバー(IE6のリンク・バー相当)に追加される。

IE6のメニュー・バーとIE8のコマンド・バーとの対応

 前述のとおり、IE8ではメニュー・バーがデフォルトで表示されず、主にコマンド・バーで代替されている。そこでコマンド・バーを中心に、IE6のメニュー・バーにある各機能とIE8のUIとの対応を調べてみた。コマンド・バーに該当機能がない場合は、別の場所にある同じ機能のボタンあるいはメニュー、ショートカット・キーを記している(背景がオレンジ色の項目)。また、エクスプローラ・バーの[検索]のように、IE6でもう利用できない機能については説明を省いた。

 IE6では利用できてIE8では利用できない機能が意外に多いように思えるかもしれないが、その多くはメールやネット・ニュース、通話といったWebブラウザに直接関係のない機能であり、WindowsエクスプローラなどIE以外のプログラムで代替できる。

■IE6の[ファイル]メニューとIE8のUIとの対応

機能 IE6での操作手順 IE8での操作手順
新しいウィンドウの表示 [新規作成]−[ウィンドウ] [ページ]−[新規ウィンドウ]
メールの作成 [新規作成]−[メッセージ] (なし)
ネット・ニュースへの投稿 [新規作成]−[投稿] (なし)
アドレス帳を開く [新規作成]−[連絡先] (なし)
NetMeetingによる通話 [新規作成]−[インターネット通話] (なし)
ファイルやフォルダ、Webページを開く [開く] メニュー・バーの[ファイル]−[開く]
Webページのソース編集 [Notepad で編集] [ページ]−[メモ帳で編集]
上書き保存 [上書き保存] メニュー・バーの[ファイル]−[上書き保存]
名前を指定して保存 [名前を付けて保存] メニュー・バーの[ファイル]−[名前を付けて保存]
印刷時のページ・レイアウトの設定 [ページ設定] ボタン右脇の▼−[ページ設定]
印刷 [印刷] ボタンをクリック
印刷時のプレビュー [印刷プレビュー] ボタン右脇の▼−[印刷プレビュー]
ページ内容をEメールで送信 [送信]−[ページを電子メールで] [ページ]−[このページを電子メールで送信]
ページURLをEメールで送信 [送信]−[リンクを電子メールで] [ページ]−[リンクを電子メールで送信]
ページのショートカットをデスクトップに貼り付け [送信]−[ショートカットをデスクトップへ] ページ内で画像やリンクを避けて右クリックして[ショートカットの作成]をクリック
お気に入りやCookieのインポートまたはエクスポート [インポートおよびエクスポート] ボタン−ボタン右脇の▼−[インポートおよびエクスポート]
ページ・プロパティの表示 [プロパティ] [ページ]−[プロパティ]
オフライン [オフライン作業] [ツール]−[オフライン作業]
ウィンドウを閉じる [閉じる] メニュー・バーの[ファイル]−[閉じる]、または[Alt]+[F4]キー
IE6の[ファイル]メニューの各機能と、IE8のUIとの対応

■IE6の[編集]メニューとIE8のUIとの対応

機能 IE6での操作手順 IE8での操作手順
カット [切り取り] [ページ]−[切り取り]
コピー [コピー] [ページ]−[コピー]
ペースト [貼り付け] [ページ]−[貼り付け]
全選択 [すべて選択] ページ内で画像やリンクを避けて右クリックして[すべて選択]をクリックするか、または[Ctrl]+[A]キー
ページ内検索 [このページの検索] [Ctrl]+[F]キー
IE6の[編集]メニューの各機能と、IE8のUIとの対応

■IE6の[表示]メニューとIE8のUIとの対応

機能 IE6での操作手順 IE8での操作手順
ツール・バーの表示/非表示 [ツール バー] [ツール]−[ツール バー]
ツール・バー・ボタンのカスタマイズ [ツール バー]−[ユーザー設定] [ツール]−[ツール バー]−[カスタマイズ]
ステータス・バーの表示/非表示 [ステータス バー] [ツール]−[ツール バー]−[ステータス バー]
お気に入り一覧の表示 [エクスプローラー バー]−[お気に入り] ボタン−[お気に入り]タブ
履歴一覧の表示 [エクスプローラー バー]−[履歴] ボタン−[履歴]タブ
Windowsエクスプローラと同じフォルダ・ツリーやファイルの表示 [エクスプローラー バー]−[フォルダ] (なし)
ヒントの表示 [エクスプローラー バー]−[ヒント] (なし)
前に戻る [移動]−[前に戻る] ボタンまたは[Back Space]
次に進む [移動]−[次に進む] ボタンまたは[Alt]+[→]
ホームページの表示 [移動]−[ホーム ページ] アイコン
直近の履歴の表示とジャンプ [移動]をクリックして表示される一覧から選んでクリック ボタン右脇の▼をクリックして表示される一覧から選んでクリック
ページ表示の中止 [中止] ボタン
ページ表示のリフレッシュ [最新の情報に更新] ボタン
文字サイズの変更 [文字のサイズ] [ページ]−[文字のサイズ]
エンコード方式の変更 [エンコード] [ページ]−[エンコード]
Webページのソース表示 [ソース] [ページ]−[ソースの表示]
プライバシー・レポートの表示 [プライバシー レポート] [セーフティ]−[Web ページのプライバシー ポリシー]
全画面表示 [全画面表示] [ツール]−[全画面表示]
IE6の[表示]メニューの各機能と、IE8のUIとの対応

■IE6の[お気に入り]メニューとIE8のUIとの対応

機能 IE6での操作手順 IE8での操作手順
お気に入りの追加 [お気に入りに追加] ボタン− ボタン
お気に入りの整理 [お気に入りの整理] ボタン− ボタン右脇の▼−[お気に入りの整理]
お気に入りの表示 [お気に入り]メニューを開く ボタン−[お気に入り]タブ
IE6の[お気に入り]メニューの各機能と、IE8のUIとの対応

■IE6の[ツール]メニューとIE8のUIとの対応

機能 IE6での操作手順 IE8での操作手順
メーラの起動 [メールとニュース]−[メールを読む] ボタン
メールの新規作成 [メールとニュース]−[メッセージの作成] (なし)
リンクをメールで送信 [メールとニュース]−[リンクの送信] [ページ]−[リンクを電子メールで送信]
ページをメールで送信 [メールとニュース]−[ページの送信] [ページ]−[このページを電子メールで送信]
ネット・ニュース・リーダの起動 [メールとニュース]−[ニュースを読む] (なし)
ポップアップ・ブロックの有効化/無効化 [ポップアップ ブロック]−[ポップアップ ブロックを有効化/無効化する] [ツール]−[ポップアップ ブロック]−[ポップアップ ブロックを有効化/無効化する]
ポップアップ・ブロックの設定 [ポップアップ ブロック]−[ポップアップ ブロックの設定] [ツール]−[ポップアップ ブロック]−[ポップアップ ブロックの設定]
アドオンの管理 [アドオンの管理] [ツール]−[アドオンの管理]
同期 [同期] (なし)
Windows Update [Windows Update] [セーフティ]−[Windows Update]
Windows Messenger [Windows Messenger] (なし)
ネットワーク診断ツールの起動 [接続の問題の診断] [ツール]−[接続の問題を診断]
インターネット・オプション設定画面の表示 [インターネット オプション] [ツール]−[インターネット オプション]
IE6の[ツール]メニューの各機能と、IE8のUIとの対応

■IE6の[ヘルプ]メニューとIE8のUIとの対応

機能 IE6での操作手順 IE8での操作手順
目次とキーワード [目次とキーワード] ボタン−[Internet Explorer ヘルプ]
ヒントの表示 [ヒント] (なし)
オンライン・サポートの表示 [オンライン サポート] ボタン−[オンライン サポート]
バージョン情報の表示 [バージョン情報] ボタン−[バージョン情報]
IE6の[ヘルプ]メニューの各機能と、IE8のUIとの対応

コンテキスト・メニュー(右ボタン・クリックによるメニュー)の違い

 ページ内を右クリックしたときに表示されるコンテキスト・メニューについては、IE6とIE8で大きな違いはない。強いて挙げれば、ページ内の画像などをデスクトップ上に貼り付ける[デスクトップ項目として設定]という機能がIE8で利用できなくなっている。

設定ダイアログ(インターネット・オプション)の違い

 [ツール]メニューの[インターネット オプション]で呼び出せる設定ダイアログについては、まず[全般]タブにて各種履歴情報の削除・消去の手順が変わっている。これはIE6であちこちに分散していた履歴情報の削除・消去用UIが、IE6では[全般]タブ−[閲覧の履歴]−[削除]ボタンに集約されたためだ。

■IE6
■IE8
インターネット・オプションの[全般]タブの違い
IE8では各種履歴情報の削除が簡単になった分、IE6と操作手順が異なる。
IE6でCookieを削除するには、これをクリックする。
IE6でキャッシュ(一時ファイル)を削除するには、これをクリックする。
IE6で閲覧履歴を消去するには、これをクリックする。
IE6でフォーム・データやパスワードを消去するには、このタブにある[オート コンプリート]ボタンをクリックし、[フォームのクリア]ボタンまたは[パスワードのクリア]ボタンをクリックする。
IE8で相当のデータを削除/消去するには、このボタンをクリックして表示されるダイアログで、削除/消去したい項目にチェックを入れてオンにして[削除]ボタンをクリックする。

 また、IE6の[コンテンツ]タブにあるプロファイル・アシスタント(あらかじめ用意しておいた個人情報のセットを、Webサイトからの要求に応じて提供する機能)の設定機能が、IE8では削除された。

 IE6では[プログラム]タブにあった[Web 設定のリセット]ボタンは、IE8では[詳細設定]タブの[リセット]ボタンに変わっている。

 IE6とIE8の各ショートカット・キーの対応については、別の記事で説明する予定である。End of Article

「Windows TIPS」

「Windows XP→Windows 7移行支援記事集」



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