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Microsoft Java VMを手動で削除する方法

解説をスキップして操作方法を読む

デジタルアドバンテージ 小川 誉久
2005/05/21
 
対象OS
Windows XP
Sunとの特許侵害の係争により、マイクロソフトは自社開発のJava VMであるMicrosoft Java VM(MSJVM)のサポート終了を宣言した。
Sun製Java VMを入手してインストールすればよいが、すでにインストールされたMSJVMを正しくアンインストールしてからでないと、両者が競合を起こす場合がある。
必要なら、手作業でMSJVMをアンインストールすることができる。
 
解説

 かつてマイクロソフトは、独自のJavaランタイム・エンジンとしてMicrosoft Java Virtual Machine(MSJVM)を開発し、Windows OSに標準添付していた。しかしJavaテクノロジに関するSun Microsystemsとの係争などにより、マイクロソフトは、自身によるMSJVMのサポート終了を宣言し、今後発表される自社製品からMSJVMを除外することを決定した。当初の予定では、サポートは2003年末で終了し、それ以後はMSJVMに脆弱性が発見されても修正を公開しないと公言していたが、米Microsoftと米Sunは2004年4月に係争に関する和解に合意し、マイクロソフトは2007年末までMSJVMのサポートを継続すると発表した(この合意に関するニュース・リリース)。

Microsoft VMのサポート継続について(HotFix Briefings)

 とはいえマイクロソフトは、新たな機能拡張などをMSJVMに対して実施する予定はないと明言しており、サポートが終了する2007年末までに他社製Java VM(Sun Microsystems製など)へ移行することを推奨している。マイクロソフトのMSJVMに対するサポート・ポリシーは、以下のサイトで確認できる。

 Sun Microsystems製のJava VMは、以下のサイトから入手できる。

 マイクロソフトは、Windows環境からマイクロソフト製のMSJVMを削除するためのツール(MSJVM削除ツール)を開発した。このMSJVM削除ツールは、当初はダウンロード・センターからだれでもダウンロードできたのだが、その後ダウンロード・センターの登録は抹消され、有料サポートに問い合わせて入手しなければならなくなった。マイクロソフトの説明によれば、MSJVM削除ツールを安易に使うとシステムに重大な影響を及ぼすため、システム管理者やネットワーク管理者など、技術スキルが高いユーザーにのみ提供することに方針を変更したためとしている。

 このため、すでにMSJVMが組み込まれたシステムからこれを削除するのは簡単ではなくなった。困ったことに、MSJVMを正しくアンインストールせずに、Sun Microsystems製Java VMをインストールして併存していると、両者で競合が起こり、Internet Explorer(IE)がハングアップするなどの障害が発生する場合がある。

 少々面倒ではあるが、必要なら、手作業でMSJVMを削除することができる。


操作方法
 
[注意]

レジストリに不正な値を書き込んでしまうと、システムに重大な障害を及ぼし、最悪の場合、システムの再インストールを余儀なくされることもあります。レジストリ エディタの操作は慎重に行うとともに、あくまで御自分のリスクで設定を行ってください。何らかの障害が発生した場合でも、本Windows Server Insider編集部では責任を負いかねます。ご了承ください。

 MSJVMをアンインストールする以前に、現在コンピュータにインストールされているJava VMのバージョンなどを確認する必要があるなら、マイクロソフトが提供している「Microsoft VM診断ツール」を利用すればよい。

 また最後に述べるとおり、すでにSun製のJava VMが共存している状態でMSJVMを削除すると、Javaアプレットが表示されなくなるので注意すること(詳細後述)。

 手動でMSJVMを削除(アンインストール)するには次のようにする。

1.[ファイル名を指定して実行]でコマンドを実行する

 [スタート]メニューの[ファイル名を指定して実行]をクリックし、表示されるダイアログで次のコマンドを実行する。

RunDll32 advpack.dll,LaunchINFSection java.inf,UnInstall
 
[ファイル名を指定して実行]でコマンドを実行する
少々長いコマンドだが、スペースなどを間違えずに入力する。

 するとアンインストール処理を続行するか、中止するかを確認するダイアログが表示される。[はい]を選択すると、アンインストール処理が続行され、システムが再起動される。

2.フォルダ/ファイルを削除する

 ステップ1が正常に完了したら、以下のフォルダ/ファイルを削除する(%SystemRoot%はWindowsのシステムがインストールされているハードディスク上のディレクトリ)。

%SystemRoot%\java
%SystemRoot%\inf\java.pnf
%SystemRoot%\system32\jview.exe
%SystemRoot%\system32\wjview.exe

3.レジストリを編集する

 レジストリ・エディタ(Regedit)を起動し、以下のキーを削除する。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Java VM
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Internet Explorer\AdvancedOptions\JAVA_VM

 以上でMSJVMの削除は完了である。Java VMが必要なら、前述したSun MicrosystemsのサイトからSun製のJava VMをダウンロードしてインストールする。

 なお編集部で実験したところ、マイクロソフト版のMSJVM(5.0.3805)とSun版のJava VM(1.4.2.06)の双方がインストールされ、Sun VMをIE上で使用しているWindows XP(SP1およびSP2)環境で、前述の方法でMSJMをアンインストールしたところ、IE上でJavaアプレットが表示されなくなった。この場合は、Sun VMをいったんアンインストールして、再インストールすれば、正常に表示されるようになる。End of Article

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