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Outlookのフルテキスト検索処理を100倍高速化する(MSNサーチを活用する)

解説をスキップして設定方法を読む

デジタルアドバンテージ 小川 誉久
2005/10/15
 
対象ソフトウェア
Outlook 2000
Outlook 2002
Outlook 2003
Outlookの標準検索機能はお世辞にも速いとはいえない。送受信するメールがうなぎ登りに増加する昨今では、到底有効な機能といえなくなってきている。
米Microsoftが公開したLookoutという検索アドインを利用することもできるが、こちらは日本語に対応しておらず、検索もれなどが発生してしまう。
あまり知られていないが、インターネット・ポータル・サイトのMSNで無償公開されているMSNサーチ・ツールバーはOutlookに対応しており、これをインストールすると、正式に日本語対応された高速検索機能がOutlookに追加される。
 
解説

 読者は1日にいったい何通のメールを受信するだろう。社内チームや社外取引先とのコミュニケーションに、メール情報サービスでの情報収集に、日々膨大な量のメールを送受信しているに違いない。送受信メールは、取引相手の住所や電話番号、取引の日付や金額、会議の日時や場所などが保存された重要な情報データベースである。大量の送受信メールの山から、特定の情報を素早く発見できるかどうかは、作業効率に大きな影響を及ぼす重要なポイントになってきている。

 かつて本Windows TIPSでは、「Outlookのフルテキスト検索処理を100倍高速化する(Lookoutアドインを活用する)」として、Lookoutと呼ばれるOutlook用の無償検索アドインを利用して、Outlookデータのフルテキスト検索速度を劇的に向上させる方法についてご紹介した。Lookoutは、Outlookのデータ(やデスクトップ・ファイルなど)のインデックスを定期的に作成しておき、これを利用することで高速検索を可能にするアドインだ。

 しかしLookoutは英語版しか提供されておらず、日本語環境には正式には対応していない。このため大筋では検索がヒットするものの、検索文字列などによっては、検索もれが発生する場合があった(それでも、検索文字列を工夫するなどで、実用に活かすことは十分可能だった)。

 現在マイクロソフトは、情報検索エンジンの開発を強力に推進している。前出のLookoutにしても、もともとはサードパーティ製品だったが、マイクロソフトが開発元を買収し、マイクロソフト・ブランドで無償公開したという経緯がある。

 マイクロソフトは、同社が運営するインターネット・ポータルサイトのMSNにおいて、「MSNサーチ ツールバー」と呼ばれるWindowsの検索アドイン・ツールを無償公開している。このMSNサーチ・ツールバーは、インターネット・サイトに加え、デスクトップ(ローカル・ハードディスク)をも透過的に検索可能にするツールである。

 MSNというと、コンシューマ向けの情報サービスが中心なので、ビジネス・ユーザーにはあまり縁のないものだと思いがちだが、このMSNサーチ・ツールバーには、Outlook(Outlook 2000/2002/2003)に対応した高速検索ツールも包含されており、Outlookユーザーがインストールすると、前出のLookout相当の検索機能がOutlookに追加される(定期的にインデックスを作成しておき、高速検索を実現するしくみも同様)。もちろん、MSNサーチ・ツールバーは日本語に対応しているので、Lookoutのような検索もれはない。

 メール・サーバとしてExchange Serverを利用しており、Exchange Serverの標準アクセス・プロトコルであるMAPIを指定してOutlookをクライアントにしている場合、メールはExchange Server側で保存されるが、この場合でも問題なく検索が可能である(もちろん、POPプロトコルでメールをローカルに取得している場合もOK)。

 Outlookのユーザーで、標準の検索機能が遅いと感じた経験があるすべてのユーザーは、MSNサーチ・ツールバーをダウンロードして、ぜひとも追加インストールすべきだ。筆者のメールボックスには、10万通近いメールが保存されているが、そこから特定の文字列を含むメールをほんの数秒もあれば検索できる。掛け値なしに、すべてのOutlookユーザーにインストールを推奨したい。

 なお誤解のないように申し添えておくが、MSNサーチ・ツールバーは、何もOutlook専用というわけではない。デスクトップ・データの汎用検索機能もあり、Outlook Expressユーザーでも強力な検索エンジンとして利用できる。本TIPSでは、MSNサーチ・ツールバーの持つ機能のうち、「Outlook用サーチ・ツールバー」に注目する。


設定方法

 前述したとおり、MSNサーチ・ツールバーのプログラムは、MSNサイトからダウンロードできる。

 トップページの右上にある「ツールバー」アイコンをクリックすると、ダウンロード・ページに移動する。

MSNのトップページ
「MSNサーチ・ツールバー」は、マイクロソフトのサイトではなく、MSNのサイトからダウンロードする。
  ここからダウンロードする。

 プログラムをダウンロードしたら、実行してインストールする。Outlookがインストールされている環境にインストールすると、以下のように、Outlookのツールバーの1つとして「MSNサーチ・ツールバー」が追加される。

Outlookに追加されたMSNサーチ・ツールバー
インストールすると、OutlookにこのMSNサーチ・ツールバーが追加される。
  MSNサーチ・ツールバー。ここからOutlookメールの高速検索ができる。

 このテキスト・ボックスに検索したい文字列を入力し、Enterキーを押すか、右の[検索]をクリックする。ただし当然ながら、インストール直後はインデックスが作成されていないので、これを作成しなければならない。

 インデックスの作成は、標準では、自動的/定期的に実行されるのだが、必要ならマニュアルでインデックス作成を実行できる。これには、MSNサーチ・ツールバーをインストールするとインジケータ領域に追加されるアイコンをマウスでクリックする。

インジケータ領域のMSNサーチ・ツールバー・アイコン
インデックス作成のマニュアル指定や各種設定の変更などがここから実行できる。
  MSNサーチ・ツールバー・アイコン。

 インデックス作成をマニュアルで起動するには、メニューの[今すぐインデックスを作成]を実行する。

 デフォルトでは、Outlookメールだけでなく、ハードディスク上のファイル全部のインデックスが作成されるが、必要なら、Outlookメールのみに限定するなどが可能だ。こうした設定変更には、上記メニューの[デスクトップ サーチ オプション]を実行する。

MSNサーチ・ツールバーのオプション設定
MSNサーチ・ツールバーの各種設定を変更できる。
  インデックス化の対象を選択する。Outlookメールだけに限定したければ、3番目の[カスタム フォルダと〜]を選択し、右の[参照]ボタンをクリックし、対象フォルダを指定する。
  メールの添付ファイルに関するインデックスも作成するかどうかを指定する。これをオンにしておくと、添付ファイルもフルテキスト検索の対象になる。

 Outlookメールだけ、または特定のフォルダだけをインデックス化の対象にしたい場合には、上記ダイアログで[カスタム フォルダと〜]を選択し、右の[参照]ボタンをクリックする。

インデックス作成の対象を指定する
ここで指定すれば、インデックス化の対象をマニュアルで指定できる。

 デスクトップ・ファイルの検索などが不要なら、メールだけに限定して、インデックス作成にかかる負担を軽減できる。

 インデックスの作成が完了したら、検索を実行してみよう。検索を実行すると、次のような別ウィンドウが表示され、検索結果が表示される。このように、メールの内容をこのウィンドウ内でプレビューすることができる。もちろん必要なら、検索結果一覧から適当な項目をダブルクリックすることで、そのメッセージをウィンドウで表示できる。End of Article

MSNサーチ・ツールバーの検索結果
検索を実行すると、このような別ウィンドウが表示され、結果が一覧される。
 
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