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リモート・コンピュータ上の.CHMファイルを表示させる

解説をスキップして操作方法を読む

デジタルアドバンテージ 打越 浩幸
2005/11/12
 
対象OS
Windows 2000
Windows XP
Windows Server 2003
セキュリティの強化により、デフォルトでは、リモート・コンピュータ上の.CHMファイルを表示することができなくなっている。
これはHTMLヘルプの脆弱性によってリモート・コードが実行されないようにするための制限である。
この制限を緩和するためには、レジストリの設定を変更する。
 
解説

 Windows OSでは、アプリケーションのヘルプ・ファイルは.CHM(Compiled Help Module)という拡張子のファイルに保存されている。アプリケーションをインストールすると、この.CHMファイルも同時にローカル・コンピュータ上にインストールされ、アプリケーションから呼び出される。

 だが場合によっては、リモートのコンピュータ上に置かれているアプリケーションのヘルプ・ファイル(.CHMファイル)を参照したい場合がある。例えばある特定のリモート・コンピュータにしかインストールされていないアプリケーションの障害調査をリモートから行う場合(例:サーバにしかインストールされていないアプリケーションや、1人だけしかインストールしていないアプリケーションなど)、そのアプリケーションのヘルプ・ファイルを閲覧するために、リモートからエクスプローラで接続して.CHMファイルを直接開きたいと考えるだろう。

 また、企業内で作成した独自アプリケーションにおいて、バージョン・アップの手間などを削減するために、ヘルプ・ファイルを共有ファイル・サーバ上の特定の場所にまとめて置いてあるような場合も、やはりリモートから.CHMファイルを閲覧する必要がある。

 だがHTMLヘルプ(.CHMファイルの中身)に関する脆弱性を解消するために、現在のWindows OSでは、リモートから.CHMファイルを開いて、その内容を見ることはできなくなっている。具体的には、以下のセキュリティ・パッチを適用した環境やWindows Server 2003 SP1環境(「Internet Explorerセキュリティ強化の構成」機能)では.CHMファイルを開いても、その内容が正しく表示されないことがある。

 これらのセキュリティ・パッチを適用しても、ローカルのコンピュータ上に保存されている.CHMファイルは開くことができるが、ネットワーク上の.CHMファイルを開こうとすると、次のようにエラーとなる。

エラーとなるリモートのHTMLヘルプ(.CHMファイル)の例
これはリモート・コンピュータ(Windows Server 2003)上の%windir%\Help\adminpk.chmファイル(サーバ管理ツールのヘルプ)を表示させたところである。左側ペインは表示されているが、右側ペイン(ヘルプのコンテンツが表示される部分)はエラーとなっている。HTMLヘルプの脆弱性を解消するセキュリティ・パッチをインストールしたシステムでは、このようにエラーになることがある。ローカル・コンピュータ上の.CHMファイルは表示できるので、いったんローカルにコピーすれば表示可能だ。
  ヘルプの目次。この部分は表示される。
  ヘルプのコンテンツ。エラーとなっており、表示できない。

 これらのセキュリティ・パッチを適用した場合でも、ローカル・コンピュータ上の.CHMファイルは正しく表示できる。そのため、いったんローカル・ドライブ上へ.CHMファイルをコピーしてから閲覧するという解決方法もあるが、いちいちこのような操作を行うのは面倒であるし、市販アプリケーションの場合は(ヘルプ・ファイルであっても)コピーは許可されないだろう。なお、たとえローカルのドライブにマップしても(例:\\server1\cをX:にマップする)、この制限を回避することはできず、エラーとなる。これ以外にも、ヘルプ中のWebリンクをクリックしてもリンク先が表示されないとか、ヘルプ・ファイル中にさらにヘルプを含むような構造の場合に、表示が正しくできなくなることがある。詳細については以下の情報を参照していただきたい。

 このような制限を緩和し、ネットワーク上の.CHMファイルを正しく表示させるためは、レジストリ設定を行えばよい。設定により、マイコンピュータ・ゾーン(ローカル・コンピュータ上のリソース)、イントラネット・ゾーン、インターネット・ゾーンなどを区別して、それぞれのゾーンや、特定のUNCごとに、.CHMファイル(HTMLヘルプ)の表示を許可するかどうかを変更できる。


操作方法
 
[注意]

レジストリに不正な値を書き込んでしまうと、システムに重大な障害を及ぼし、最悪の場合、システムの再インストールを余儀なくされることもあります。レジストリ・エディタの操作は慎重に行うとともに、あくまで御自分のリスクで設定を行ってください。何らかの障害が発生した場合でも、本Windows Server Insider編集部では責任を負いかねます。ご了承ください。

方法1―特定のコンピュータ上のリソースのみを許可する方法

 以下のレジストリUrlAllowListを設定すると、特定のリモート・サーバ上に置かれている.CHMファイルに対して、制限を緩和させることができる。

項目 内容
キー HKEY_LOCAL_MACHINEの\SOFTWARE\Microsoft\HTMLHelp\1.x\ItssRestrictions
値の名前 UrlAllowList
REG_SZ
値の内容 \\server1\c\windows\help\;file://\\server1\c\windows\help

特定のサーバ上のフォルダを許可する方法の例

UrlAllowListを定義すると、指定された場所に存在する.CHMファイルを表示させることができる。これは「\\server1\c\windows\help」を指定した場合の例。同じUNC指定を2回繰り返していることに注意(2つ目は「file://」を先頭に付ける)。キーItssRestrictionsも値UrlAllowListもデフォルトでは存在しないので(Windows Server 2003の場合はキーHTMLHelpと1.xも存在しないので)、必要に応じて新規作成すること。複数の項目を並べる場合は「;」で区切る。

 これは、特定のUNCやURLを指定して、その中に含まれる場合に表示を許可する方法である。UNCの場合は、上の例のように、2回繰り返して指定する。URLの場合は「http://server1/helpfile/」といった文字列を追加する。

方法2―ゾーンごとに許可する方法

 ローカル・コンピュータやイントラネット、インターネットといったゾーンごとに許可する場合は、MaxAllowedZoneというレジストリ値を指定する。

項目 内容
キー HKEY_LOCAL_MACHINEの\SOFTWARE\Microsoft\HTMLHelp\1.x\ItssRestrictions
値の名前 MaxAllowedZone
REG_DWORD
値の内容 0〜4

特定のサーバ上のフォルダを許可する方法の例

MaxAllowedZoneを定義すると、ゾーンごとにまとめて制限を解除することができる。キーItssRestrictionsも値MaxAllowedZoneもデフォルトでは存在しないので(Windows Server 2003の場合はキーHTMLHelpと1.xも存在しないので)、必要に応じて新規作成すること。値0はデフォルト値。

 MaxAllowedZoneの意味は次のとおりである。

MaxAllowedZone マイコンピュータ・ゾーン イントラネット・ゾーン 信頼済みサイト・ゾーン インターネット・ゾーン 制限付きサイト・ゾーン
0
許可
1
許可
許可
2
許可
許可
許可
3
許可
許可
許可
許可
4
許可
許可
許可
許可
許可
MaxAllowedZoneの意味
「許可」となっている項目は.CHMファイルが正しく表示されるゾーン、「−」は表示が許可されないゾーン。マイコンピュータ・ゾーンはローカル・コンピュータのこと。それ以外のゾーンは、Internet Explorerのセキュリティ・ゾーン設定と一致する。

 MaxAllowedZoneのデフォルト値は0なので、マイコンピュータ・ゾーン(ローカル・コンピュータ上のリソース)のみが正しく表示できる。イントラネット・ゾーンとは、UNCでいえば「\\server1\c\windows\help」のように、単一ラベル名のサーバ名が使われている場合に該当する。このゾーンに対して許可するならMaxAllowedZoneを1にする。サーバ名をFQDNにして「\\server1.system.mycompany.com\c\windows\help」などとすると、インターネット・ゾーンになるが、このゾーンに対して許可する場合はMaxAllowedZoneを3にする。

 設定が正しく行われると、次のように、ヘルプ・コンテンツが表示されるはずである。End of Article

正しく表示されたHTMLヘルプの例
いずれの方法を使っても、正しく設定が行われるとこのようにヘルプ・コンテンツが表示される。
  表示されたヘルプ・コンテンツ。
 
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