Outlook ExpressはPOP before SMTPに対応していない。しかしタイミングによってはエラーが表示される場合はあるものの、実用上は問題なく送受信できるように設定できる。
解説
メールの送受用プロトコルであるSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)は、もともとは認証機能を持たないプロトコルであった。インターネットの初期には、迷惑メールのように無差別にメールが送信されるということはほとんどなかったので、メール送信の認証を行う必要がなかったからだ(※)。
しかし電子メールが広く普及し、迷惑メールのような強引なマーケティング手法が社会問題化すると、誰もが実質的に匿名で、無差別にメールを送信できるSMTPの仕様や、それを許すISP(Internet Service Provider)のSMTPサーバの存在が問題になった。
この問題を解決する1つの方法が、POP before SMTPと呼ばれる認証方法である。メール受信用のPOPプロトコルではユーザー認証が必須なので、POPの認証にパスしたクライアントのIPアドレスをメール・サーバ側で覚えておき、その後一定時間はそのIPアドレスからのSMTPを許可するというものだ。たいていのユーザーは、メール受信とメール送信を連続して実行するので、これで問題なくメールを送信できるようになる。
ただしこの説明からも分かるとおり、POP before SMTPは、送信元ユーザーを厳密に認証しているわけではない(POPで認証されたユーザーと同一ユーザーである可能性が高いというだけ)。そこで現在では、SMTP自体に認証のしくみを組み込んだSMTP Authenticationが開発され、これを実装したメール・サーバが増えている。しかしいまなお、POP before SMTPを認証方式として採用しているISPは少なくない。
OfficeのOutlook 2003はPOP before SMTPに対応しているが、残念ながら、ユーザーの多いOutlook Express(以下OE)はPOP before SMTPには対応していない。ここでは、OEでPOP before SMTP仕様のサーバにアクセスする際の対処法を述べる。
POP before SMTPに対応していないOE
OEはPOP before SMTPに対応していない。OEのデフォルトでは、メールの送信ボタンをクリックすると、すぐにメール送信処理を開始する仕様になっているので、その時点でまだPOP認証をしていないと、送信はエラーになってしまう。
またOEで「メールの送受信」(メールの送信と受信の一括実行)を行うと、受信よりも送信を先に実行する仕様になっている。設定でこの順番を逆転させることはできない。このためPOP before SMTP仕様のサーバにメールを送信しようとすると、初回はエラーになる。