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Windows Defenderでスパイウェアを検出/削除する

解説をスキップして操作方法を読む

デジタルアドバンテージ 打越 浩幸
2006/12/02
 
対象OS
Windows XP
Windows Server 2003
スパイウェアとは、ユーザーの意図とは関係なく、ユーザーやシステムの情報を収集するソフトウェアである。
Windows Defenderは、マイクロソフトが無償で提供しているアンチスパイウェア・ソフトウェアだ。
Windows Defenderをシステムにインストールしておくと、スパイウェアや迷惑ソフトウェアなどを検出し、その実行を禁止することができる。
 
解説

 スパイウェアとは、ユーザーの同意を得ずに(もしくはその意図を明確に示さずに)、ポップアップ広告などを表示したり、ユーザーの情報(Webサイトの閲覧履歴など)を収集したり、システムの設定を変更したりするソフトウェアのことを指す。Webサイトに仕込まれており、(その分かりづらい同意ダイアログなどにより)ユーザーが知らず知らずのうちにダウンロードしてインストールされていることが多い。このスパイウェアを検出し、削除するソフトウェアはアンチスパイウェアと呼ばれる。

 Windows Defenderは、マイクロソフトが無償で提供しているアンチスパイウェアである。Windows Defenderをダウンロードしてインストールすることにより、スパイウェアや迷惑ソフトウェア(ワームやウイルスほどの破壊は行わないが、システムの正常な稼働を阻害するソフトウェアのこと)のスキャンや実行の防止、削除などが行える。スキャン方法は、指定したときに行うほか、夜間に実行するようにスケジューリングしたり、リアルタイムでスキャンさせたりすることもできる。なおWindows Vistaには、このWindows Defenderの機能強化版が標準で搭載されているので、ユーザーがインストールする必要はない。なお通常のウイルス対策ソフトウェアと同様に、スパイウェアなどを検出するためのデータベースはオンラインで提供/更新されているので、インターネットに接続された環境で利用する必要がある。

 Windows Defenderと悪意のあるソフトウェアの除去ツール、アンチウイルス・ソフトウェアなどとの違いについては、以下のページにある比較表を参照していただきたい。ウイルス対策の機能が欲しい場合は、TIPS「無料のウイルス検出/除去ツール(Windows Live OneCare PC セーフティ)を活用する」も併用するのがよい。

 Windows Defenderが問題のある挙動を検出すると、例えば次のようなメッセージが表示される。

問題のある挙動を検出した場合の例
例えばWebブラウザのホームページ設定を変更しようとすると、このようなバルーンが表示される。
  検出した挙動。

 このバルーンをクリックするか、Windows Defenderのアイコンをクリックすると、次のようなダイアログが表示される。Windows Defenderが何を検出し、どのようなアクションをとるべきかを問い合わせるダイアログである。ユーザーは適切な操作を指定し、不正な挙動を防止することができる。

Windows Defenderによって検出された挙動
あらかじめ設定されたスパイウェア(もしくはそれに類するもの)の挙動を検出すると、それをユーザーに提示し、実行を許可するか、禁止するかなどを確認できる。
  検出された挙動。
  発生したイベント。
  その操作を許可したり、禁止したりできる。
  挙動の詳細。これはWebブラウザのホームページの設定を変更しようとした場合の例。
 
操作方法

 Windows Defenderは以下のページからダウンロードできる。

 インストール・ファイル(windowsdefender.msi)をダウンロード後、ダブルクリックして実行し、インストールする。インストール直後にシステムをスキャンするかどうかを尋ねられるので、一度スキャンしておくとよいだろう。

Windows Defenderの動作設定

 Windows Defenderをインストールすると、デフォルトでは毎日午前2:00に「クイック スキャン」し、さらに「リアルタイム スキャン」も有効になっている。

 クイック・スキャンとは、ディスク上のWindowsシステム・ファイル領域やプログラム・ファイル領域など、スパイウェアが仕込まれる可能性の高い場所だけをスキャンするオプションである。これをフル・スキャンに変更すると、ディスク上のすべてのフォルダを調べ、スパイウェアに感染していないかどうかが調査される。またリアルタイム・スキャンとは、例えばWebブラウザでのアクセスなどを常に監視し、不正な挙動を見つけ、実行を防止する。

 Windows Defenderの設定などを確認、変更するには、[スタート]メニューに登録された[プログラム]−[Windows Defender]を起動して行う。

Windows Defenderの起動画面
Windows Defenderは基本的にはサービスとして常に実行されている。この画面では、Windows Defenderの各種設定やログの確認などを行う。
  この初期画面を表示させる。
  今すぐスキャンを実行する。
  いままでの動作/検出履歴を表示させる。
  オプションなどの設定を行う。
  現在の稼働状況。
  動作状態の簡易ログ。最後のスキャン時刻や、定義ファイル(データベース)のバージョンなどの情報。

 Windows Defenderの設定を変更するには、この画面の[ツール]ボタンをクリックする。

Windows Defenderの設定画面。
オプション設定やシステム状態の確認などが行える。
  オプション設定画面の起動。
  検疫されている(実行が禁止されている)項目の表示。
  許可されている項目の表示。
  起動時に実行されるプログラムやサービス、現在実行されているプログラム、ネットワークを使用している(通信機能を利用している)プログラム、Winsockを利用しているプログラム(このようなプログラムはシステムの基幹部分にアクセスすることが多いため、スパイウェアやウイルスなどで利用されると危険性が高い)の表示。不正なプログラムを見つけるのに役立つ。

 [オプション]をクリックすると、スケジュールやWindows Defenderで監視する項目などの設定が行える。

Windows Defenderの実行オプション
スケジューリング機能を利用するかどうかなどを設定する。
  スケジュールによるスキャンの有無、スキャン方法などを設定する。デフォルトでは毎日午前2:00にクイック・スキャンするという設定になっている。
  不正な挙動を見つけた場合の動作。デフォルトでは、Windows Defenderのデータベースに登録されたとおりに動作する。このデータベースはマイクロソフト社が維持管理しているが、ユーザーからのフィードバックなども参考にして構築されている。
  リアルタイム・スキャンをするかどうかの設定。

 より詳細な情報や利用方法については、Widows Defenderのホームページや添付のヘルプ・ファイルなどを参照していただきたい。End of Article

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