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Office向けパッチの適用失敗の原因をログ・ファイルから解明する

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デジタルアドバンテージ 島田 広道
2007/11/30
対象ソフトウェア
Office 2003
Office向けパッチの適用に失敗しても、原因が分からないことがある。
Office向けパッチが生成するログ・ファイルに記録されたエラー・コード/メッセージから、適用に失敗した原因をある程度解明できる。
エラーの原因としては、Officeのインストール元の参照失敗や、適用対象のOfficeのService Packレベル不足などが多い。

解説

 Microsoft Update/Office Updateや自動更新、あるいはそのほかのパッチ管理ソリューションでも、Office向けパッチの適用時にエラーが発生し、適用に失敗することがときどきある。しかし、TIPS「自動更新で修正プログラムがインストールできない場合の対処方法」に記されているように、エラーの原因が分かるほど詳細な情報が得られないことが多い。

 このような場合、Office向けパッチが生成するログ・ファイルが適用失敗の原因を特定する有力な手がかりとなる。ただ、Office向けパッチのログ・ファイルは難解で、エラーの原因となる情報を抽出するのは厄介な仕事だ。またログ・ファイルそのものが生成されないこともある。本稿では、Office向けパッチのログ・ファイルを生成させ、ログ・ファイルを解析して代表的なエラーの原因を特定する手順を説明する。

操作方法

ログ・ファイルの有無を確認する

 Office向けパッチのログ・ファイルは、%Temp%中のOHotFixというフォルダに「OHotfix(数字).log」「OHotfix(数字)_Msi.log」というファイル名で生成される(「数字」はパッチを適用するたびに00001、00002、……と増加していく)。複数のログ・ファイルから適用に失敗したパッチのものを特定するには、OHotfix(数字).logを対象に、そのパッチに割り当てられたMSKB番号を検索すればよい。findコマンドを用いた検索例を以下に記す。

C:\....\temp\OHotfix>find /I "kb907417" ohotfix(*).log

---------- OHOTFIX(00001).LOG

---------- OHOTFIX(00002).LOG
        MessageTitle="Office 2003 更新プログラム (KB907417)"

---------- OHOTFIX(00003).LOG

C:\....\temp\OHotfix>
findコマンドでログ・ファイルを特定する
これはMSKB番号「907417」のパッチのログ・ファイルを探した例。ohotfix(00002).logがKB907417のパッチのログ・ファイルであることが分かる。

ログ・ファイルが見つからなければ、あらためて生成させる

 しかし、特にMicrosoft UpdateやOffice Updateなどマイクロソフトのパッチ管理ツールでOffice向けパッチを適用した場合、ログ・ファイルOHotfix(数字)*.logが生成されないことがよくある。もしログ・ファイルが1つも検索にヒットしない場合は、パッチを手動で適用してログ・ファイルを生成させる。

自動更新で修正プログラムがインストールできない場合の対処方法

 パッチを手動で適用するには、マイクロソフトのダウンロード・センターをWebブラウザで開き、パッチのMSKB番号で検索してダウンロード・ページを見つけ、パッチのインストール・パッケージをダウンロードする。

ダウンロード・センターでパッチを検索する
ダウンロード・センターには、マイクロソフト製品のパッチが数多く登録されている。
ここにパッチのMSKB番号を入力し、[検索]ボタンをクリックしてしばらく待つとを含む検索結果が表示される。
このリンクをクリックすると該当のパッチのダウンロード・ページが表示されるので、そのインストール・パッケージをダウンロードし、ローカル・コンピュータ上の適当なフォルダに保存する。

 ダウンロードしたパッチのインストール・パッケージは、ローカル・コンピュータの適当なフォルダに保存する。これをダブルクリックして実行すると適用が始まる。もし途中でOfficeのインストールCDを要求するダイアログ・ボックスが表示された場合は、あらかじめ設定されているはずのOfficeのインストール元へのパスが誤っている可能性がある。いったん適用をキャンセルした後に、後述する「Officeのインストール元の参照失敗」に従ってインストール元へのパスを修正するなどの対処をすればよい。そのほかのダイアログ・ボックスやエラー・メッセージが表示されたら、指示どおりに操作して適用を終了させる(エラー終了でもよい)。

パッチを手動で実行した場合の例
使用許諾などのダイアログ・ボックスの後、適用の実行状況などが刻々と表示される。またエラーがあればその内容も表示される。
適用の実行状況が表示される
エラーが発生すると、その内容が表示される。いちおうメモしてから[OK]ボタンをクリックしていくと、適用を終了できる。インストールCDを要求するダイアログ・ボックスが表示された場合は、いったん適用をキャンセルした後に、後述する「Officeのインストール元の参照失敗」を参照して対処する必要がある。

 以上の操作で該当パッチのログ・ファイルが生成されたはずだ。「ログ・ファイルの有無を確認する」の手順でOHotfix(数字).logを再度検索してログ・ファイルを見つけよう。

ログ・ファイルからエラー・コードを特定する

 ログ・ファイルを特定したら、次は適用失敗の原因の手がかりとなるエラー・コードを特定する。それには、ログ・ファイルをメモ帳などのテキスト・エディタで開き、末尾付近にある「Encountered error」から始まる行でエラー・コードを見つける。

……
The update failed.
Finished processing the update on 05/15/2007 at 12:14:24.
Encountered error 1603 while updating.
Error 1603 not ok to report to Setup Watson
エラーで終了したOffice向けパッチのログ・ファイルの例
これは末尾から数行を抜き出したもの。「Encountered error」に続く下線部分がパッチのエラー・コードである。

 筆者の経験上、Office向けパッチが発するエラー・コードはほとんど「1603」か「1642」のいずれかである。これらの意味は下表のとおりだ。

エラー・コード 意味
1603 適用中に致命的なエラーが発生した
1642 適用対象のアプリケーションが見つからない、またはアプリケーションのバージョンが異なる
Office向けパッチの代表的なエラー・コード
「1603」は適用を継続できない重大なエラーに割り当てられたエラー・コードで、その原因は複数考えられる。「1642」の原因は、適用対象のOfficeのService Packレベルが低いことが多い。

 エラー・コードが「1603」の場合、エラーの原因は複数考えられるため、さらに細かく解析する必要がある。「1642」の原因は、適用対象のOfficeのService Packレベルが低いことが多い。このほかのエラー・コードについては、以下のWebページを参照していただきたい。

エラー・コード1603の対処方法

 OHotfix(数字).logでエラー・コード1603を特定できた場合は、OHotfix(数字)_Msi.logを調べてエラーの原因を特定する。それにはOHotfix(数字)_Msi.logをメモ帳などで開き、「エラー」で始まる行を検索して手がかりとなるエラー・メッセージを見つける。

■Officeのインストール元の参照失敗
  OHotfix(数字)_Msi.logに以下のようなエラー・メッセージが記録されていた場合は、Officeのインストール元の参照に失敗したのがエラーの原因と考えられる。

……
エラー 1309. ファイル \\Server1\DiscImages\OfficePro2003\A2561407.CAB からの読み込みに失敗しました。 システム エラー 53 ファイルが存在するかどうか、また、このファイルへのアクセス権があるかどうかを確認してください。
……
Officeのインストール元への参照に失敗した場合のエラー・メッセージ例(その1)
これはOHotfix(数字)_Msi.logにて、「エラー」から始まる行を検索して見つかったエラー・メッセージ。下線部分はアクセスに失敗したパスを表していて、ネットワーク共有フォルダへのアクセス時にエラーが発生していることが分かる。

……
エラー 1311. ソース ファイルが見つかりません。(キャビネット): E:\E3561410.CAB ファイルが存在するかどうか、また、このファイルへのアクセス権があるかどうかを確認してください。
……
Officeのインストール元への参照に失敗した場合のエラー・メッセージ例(その2)
これもOHotfix(数字)_Msi.logで見つかったエラー・メッセージ。下線部分を見ると、ローカル・ドライブ(おそらくはCD/DVDドライブ)へのアクセス時にエラーが発生していることが分かる。

パッチ適用時にOfficeのインストールCDを要求されないようにする方法(Office 2003編)
Office 2003のインストールCDを「完全」にキャッシュする方法

 Office向けパッチは、適用中にOfficeのインストールCD(インストール元)に格納されたファイルを参照することがある(関連記事参照)。もしファイルを参照できないと適用は失敗してしまう。これはOffice向けパッチで最も発生しやすいエラーといえる。

 上記のようなエラー・メッセージが確認できたら、まずログ・ファイルに記録された参照先パスが意図したとおりか確認する。明らかに間違っている場合は、関連記事を参考にしてインストール元へのパスを修正すればよい。逆にパスが正しい場合は、そのパスにインストールCDの内容がすべて正しく格納されていること、アクセス権が適切に設定されていること、アクセスが集中しても安定してアクセスできることを確認する。

■Office Source Engineサービスの起動失敗
  OHotfix(数字)_Msi.logに以下のようなエラー・メッセージが記録されていたら、Officeのインストールや更新にかかわるOffice Source Engine(OSE)サービスが起動できなかったことがエラーの原因として考えられる。

……
エラー 25090. インストール時に、Office Source Engine の問題が発生しました。システム エラー: -2147023838  この問題を解決するには、C:\Program Files\Microsoft Office\OFFICE11\1041\SETUP.CHM を開いて、"Office Source Engine" に関する情報を参照してください。

……
Office Source Engineサービスの起動に失敗した場合のエラー・メッセージ例
これはOHotfix(数字)_Msi.logに記録されたエラー・メッセージ。下線部のエラー・コードは状況によって変化する。

 この場合は、まず管理者権限で[管理ツール]−[サービス]を起動し、Office Source Engineサービスのスタートアップが「無効」であれば「手動」に変更する。さらに、このサービスを手動で開始してみて、もしエラーが発生したら以下のサポート技術情報を参考にしてOffice Source Engineサービスを修復する。

エラー・コード1642の対処方法

 OHotfix(数字).logにエラー・コード1642が記録されていた場合は、OfficeのService Packレベルを調べて、該当パッチを適用するための必要条件を満たしているかどうか確認する。それにはまず、OHotfix(数字).logをメモ帳などで開き、「Needs patch」で検索して以下のような行を見つける。

……
        Product {90110411-6000-11D3-8CFE-0150048383C9} Microsoft Office Professional Edition 2003 Version 11.0.5614.0: Needs patch.
……
OHotfix(数字).logに記されたOfficeのバージョン番号の例
これはService Pack未適用のOffice Professional 2003がインストールされたPCで記録されたログ・ファイルの一部。下線部分は該当パッチが認識したインストール済みOfficeのバージョン番号である。これからOfficeのService Packレベルを導き出す。

 インストール済みOfficeのバージョン番号が判明したら、下表と照らし合わせてService Packレベルを導き出す。

Office 2003ファミリ製品 Service Pack未適用 Service Pack 1 Service Pack 2 Service Pack 3
Office 2003スイート 11.0.5614.0 11.0.6361.0 11.0.7969.0 11.0.8173.0
Access 2003 11.0.5614.0 11.0.6355.0 11.0.7969.0 11.0.8173.0
Excel 2003 11.0.5612.0 11.0.6355.0 11.0.7969.0 11.0.8173.0
FrontPage 2003 11.0.5516.0 11.0.6356.0 11.0.7969.0 11.0.8173.0
InfoPath 2003 11.0.5531.0 11.0.6357.0 11.0.7969.0 11.0.8173.0
OneNote 2003 11.0.5614.0 11.0.6360.0 11.0.7969.0 11.0.8173.0
Outlook 2003 11.0.5510.0 11.0.6353.0 11.0.7969.0 11.0.8173.0
PowerPoint 2003 11.0.5529.0 11.0.6361.0 11.0.7969.0 11.0.8173.0
Publisher 2003 11.0.5525.0 11.0.6255.0 11.0.7969.0 11.0.8173.0
Word 2003 11.0.5604.0 11.0.6359.0 11.0.7969.0 11.0.8173.0
Project 2003 11.0.5614.0 11.0.6707.0 11.0.7969.0 11.0.8173.0
Visio 2003 11.0.3216.5614 11.0.4301.6360 11.0.7969.0 11.0.8173.0
Office 2003ファミリ製品の各Service Packとバージョン番号の関係

 前述のログ・ファイルを例に挙げると、バージョン番号が「11.0.5614.0」なので、インストール済みのOffice Professional 2003(Office 2003スイート)はService Pack未適用である。従ってOffice 2003 Service Pack 1/2/3を必要とするパッチは適用できない(エラーになる)。

 Office向けパッチに必要なService Packレベルは、前述のダウンロード・センターのページかまたはサポート技術情報のページで確認できる。もしインストール済みOfficeのService Packレベルが足りなければ、新たなService Packを適用する必要がある。Office 2003の各Service Packについては、以下のサポート技術情報を参照していただきたい(ただし、Office 2003 Service Pack 1はすでにサポート終了)。

 「1642」のエラーは、複数のOfficeファミリ製品がインストールされていて、かつそれぞれのService Packレベルが異なる場合によく発生する。このときOHotfix(数字).logには、「Needs patch」にヒットする行が複数存在することがあるので、よく確認すること。End of Article

  関連リンク
  [OFF2003] Office 2003 製品のバージョンを確認する方法(サポート技術情報)
     
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