第一部 XML文書の作り方XMLの基礎を理解する10のポイント(1)(3/4 ページ)

» 2001年05月08日 00時00分 公開
[加山恵美@IT]

ポイント#2 タグがデータに意味を持たせる

 XMLは「マークアップ言語」である。「マークアップする」とは、データの前後に特定の文字列を使って印を付けることだ。マークアップ言語にはXMLのほかにHTMLやTeXなどがあり、これらはすべてデータをマークアップして、さまざまな属性を表現する機能を備えている。

 マークアップの例として、HTML文書を見てみよう。HTMLでは、文書中の一部を太字で囲むなら、その部分の最初に<B>、最後に</B>を付ける。以下の例なら、「赤い」という文字列が太字で表示される。

HTML文書での記述 彼女は<B>赤い</B>傘を持っていた

Webブラウザでの表示 彼女は赤い傘を持っていた

 XMLのマークアップも、HTMLでの例とほとんど一緒だ。XMLでも各データの意味や属性を示すタグを、そのデータの前後に付与する。

XML文書での記述 <BookTitle>XML基礎講座</BookTitle>

 HTMLと違うのは、HTMLには</BookTitle>というタグは存在しない、という点だろう。XMLならば、自分で<BookTitle>というタグを定義して利用することができる。上記の例では「XML基礎講座」という文字列が本のタイトル(BookTitle)であることが容易に分かるだろう。この場合のタグで囲まれるデータを「内容」という。

 HTMLと同様にXMLでも、タグは「小なり記号(<)」で始まり、「大なり記号(>)」で終わる。この2つの記号に挟まれた文字列が「タグ名」となる。内容の前(左側)に使われるタグを「開始タグ」、内容の後(右側)に使われるタグを「終了タグ」と言う。終了タグにはタグ名の前にスラッシュを入れる。

開始タグから終了タグまでが、1つの要素となる 開始タグから終了タグまでが、1つの要素となる

 開始タグから終了タグまでが、1つの「要素」または「エレメント」だ。もしエレメントが内容を持たないときは、タグ名の後にスラッシュを入れた「空要素タグ」として表すことができる。

<BookTitle></BookTitle>  =  <BookTitle/>

左と右の要素は同じ意味。内容のない要素は、空要素タグで表せる

 要素の中に、さらに要素を入れることができる。こうすることで、より複雑な意味づけを可能にしている。

<Book>
<BookTitle>XML基礎講座</BookTitle>
<Author>Emie Kayama</Author>
</Book>
要素が入れ子になっていることで、ある本の題名と筆者が表現されている

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