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モデム (modem)

別名
アナログ・モデム (analog modem)

最終更新日: 2001/09/18

 アナログ電話回線を経由して、コンピュータ同士のデータ交換を可能にするデバイス。

 アナログ電話回線では、音声を電気的なアナログ信号に変換し、これを相手に送ることで通話を可能にしている。これに対しコンピュータが扱う信号はデジタルなので、そのままではアナログ電話回線では送受信できない。このためモデムにより、コンピュータからのデジタル信号をアナログ信号に変換して相手に送信し、同時に相手のコンピュータから送られてきたアナログ信号をデジタル信号に変換することで、データの送受信を可能にする。

 デジタル信号をアナログ信号に変換するには、キャリア(carrier)と呼ばれる基準信号に対して振幅を変えたり、位相を変えたりすることで、デジタル情報を信号上に載せる。このような処理は一般に変調(modulation)と呼ばれ、変調された信号から元のデジタル情報を取り出す処理は復調(de-modulation)と呼ばれる。モデム(modem)という呼称は、このMOdulationとDE-Modulationを省略したものである。

 モデムが登場した当初は、300bps(bit per second。1秒間に300bitの転送能力があるということ)程度でしか通信できなかったが、変調方式の改良により、最近では、33600bpsや56000bpsなど高速なデータ転送が可能になった。モデムを利用した通信プロトコルについては、ITU(International Telecommunication Union:国際通信連合)によって国際標準が定められている。ITUで規定された国際標準は、V.32やV.32bis、V.34、V.90などで、コンピュータ同士がモデムで通信する場合には、双方が同じ仕様を満たしていなければならない。ただしモデムは、通信に先だって相手のモデムとネゴシエーションを行い、相手が理解できる最良のプロトコルを自動的に選択できるようになっている(このネゴシエーションに時間がかかるのがモデムの欠点でもある)。

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