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Intel 810

【インテル・ハチ・イチ・マル】

別名
i810 【アイ・ハチ・イチ・マル】

最終更新日: 2002/05/29

 Intelが開発したPC向けチップセットの1種。Pentium II/Pentium III/Celeron の各プロセッサをサポートする。Intel製チップセットとしては初めて、

・グラフィックスを内蔵
・Ultra ATA/66対応のIDEホスト・コントローラを搭載
・ISAバス・インターフェイスを排除(オプションで追加可能)
・PCIバス・インターフェイスはリビジョン2.2対応

といった機能を持つ。その半面、デュアルプロセッサには非対応で、最大メモリ容量が512Mbytesと小さく、そしてAGPグラフィックス・カードをあとから追加できない、といった制限があるため、Celeronと組み合わせてローエンド向けのシステムに使われることが多い。姉妹製品としては、133MHzのFSBをサポートしたIntel 810Eや、IDEを高速化したIntel 810E2がある。

 Intel 810は、以下のように3つのチップからなる。

・Graphics and Memory Controller Hub(GMCH)
 型番: 82810または82810-DC100
 プロセッサとメモリおよびグラフィックスを制御する。
・I/O Controller Hub
 型番: 82801AA(ICH)または82801AB(ICH0)
 IDEやUSBなどのI/Oインターフェイスを内蔵する。
・Firmware Hub(FWH)
 型番: 82802ABまたは82802AC
 BIOSやPOSTのプログラムを格納する専用フラッシュメモリ。

 GMCHとICHについては、それぞれ仕様の異なる2種類のバージョンがラインナップされており、PCメーカーやマザーボード・ベンダがニーズに合わせて選べるようになっている。

Intel 810チップセット
Intel 810チップセット
右のチップがMCHの82810(GMCH)で、左上がICHの82801、左下はBIOSを格納するFWH(FirmWare Hub)の82802だ。写真提供:Intel

 Intel 810の主な仕様は、以下のとおり。

■対応プロセッサ
 Pentium II/Pentium III/Celeronのうち、FSBのクロック周波数が66MHzまたは100MHzであるプロセッサがサポートされている。FSBが133MHzのPentium IIIにはIntel 810Eが対応している。またプロセッサ数は1つしか接続できず、デュアルプロセッサには対応していない。

■対応メイン・メモリ
 PC100に合致した16Mbit/64Mbit/128MbitのSDRAMが利用できる。たとえプロセッサのFSBが66MHzでも、メイン メモリは100MHzで駆動される。データ バス幅は64bitで、ECCメモリには対応していない。最大容量は512Mbytesである。

■内蔵グラフィックス
 2Dおよび3Dのグラフィックスをハードウェアで高速化するグラフィックス回路をGMCHに内蔵する。2Dグラフィックスでは最大1600×1200ドット(256色、リフレッシュ・レート85Hz)を表示できる。内蔵のRAMDACは、24bitカラーを最大230MHzのドット・クロック周波数で出力できる。映像出力としては、一般的なアナログRGB出力のほか、液晶ディスプレイなどに使われているデジタル出力もサポートしている。  AGPの外部接続はサポートされておらず、AGPカードを追加してグラフィックスをアップグレードすることはできない(PCIカードなら可能)。つまり内蔵グラフィックス回路を代替してグラフィックスの性能を高めることは難しい。  2種類あるGMCHの違いは、ディスプレイ・キャッシュと呼ばれるグラフィックス描画を高速化する専用メモリの有無にある。82810-DC100は100MHzのSDRAMを最大4Mbytesまで接続できる専用バスを備えており、ディスプレイ・キャッシュとして利用できる。82810にはディスプレイ・キャッシュの機能はない。

■PCIバス
 データ・バス幅は32bitでクロック周波数は最大33MHzという、デスクトップPCでは一般的なPCIバスの仕様をサポートする。ただし、対応するPCI規格のリビジョンは従来(Intel 440BXチップセットなど)の2.1から2.2に引き上げられている。

■内蔵の入出力インターフェイス
 IDEは2ポート4デバイスまで、またUSBはリビジョン1.1対応で2ポート、サウンドはAC '97リビジョン2.1対応のものを内蔵する。これらはICHに内蔵されている。  2種類あるICHの違いは以下の3つである。1つはIDEで、82801AA(ICH)はUltra ATA/66まで、82801AB(ICH0)はUltra ATA/33までサポートする。またバスマスタとなるPCIデバイスの最大数は、82801AAが6デバイスなのに対し、82801ABは4デバイスまでとなっている。さらにAlert on LANをサポートするのは82801AAだけである。つまり82801AAが高機能版で82801ABが価格重視版といえる。

■Firmware Hub(FWH)
 FWHはBIOSやPOSTなどのプログラムを格納するフラッシュメモリとしての役割を持っている。こうしたフラッシュメモリはこれまではISAバス(Xバス)経由で接続されることが多かったが、FWHはICHに直結されており、ISAバスを必要としない。2種類あるFWH(82802ABと82802AC)の違いは、このフラッシュメモリの容量であり、82802ABが512Mbytes、82802ACが1Mbytesである。  FWHはフラッシュメモリ以外にRandom Number Generator(RNG)というハードウェアによる乱数発生回路を内蔵しており、暗号化などセキュリティの強化に利用できる。

 Intel 810は、それ以前のIntel 440BXに比べると、アーキテクチャが大きく変更されている。

 1つは、プロセッサやメイン・メモリと接続されるチップ(GMCHに相当)と、各種入出力デバイスを内蔵するチップ(ICHに相当)の間には、PCIバスに替わってHubLinkと呼ばれる専用のインターフェイスが設けられ、転送レートは133Mbytes/sから2倍の266Mbytes/sに引き上げられている。これにより、Ultra ATA/66など高い転送レートを必要とするインターフェイスをICHに集中させても、PCIバスがボトルネックになって性能が下がらずに済む。

 またISAバスはオプションであり、PCI-ISAブリッジ回路を追加しないとIntel 810にISAデバイスは接続できない。シリアルポートやパラレルポートなどのレガシーデバイスは、LPCで接続される。

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