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RISC (Reduced Instruction Set Computer)

【リスク】

最終更新日: 2002/10/30

 サポートする命令セットを最適化してごく限定されたものだけにし、代わりにそれらを高速に実行できるようにしたコンピュータ・アーキテクチャ。米IBM社のジョン・コック(John Cocke)によって1974年に考案され、1990年代に入ってから各種の高性能プロセッサのための主流のアーキテクチャとして広く普及が進んでいる。

 RISCが登場する以前は、命令の追加や変更が容易なマイクロコード方式のコンピュータが主流であった。この方式では、コンピュータが処理する命令を、コンピュータ内部に用意されたマイクロシーケンサ(制御回路)で逐次解釈実行していた。つまり、与えられたプログラムを解釈・実行するために、コンピュータの中にさらに小型のコンピュータ(ナノコンピュータ)が用意されていたのである。ナノコンピュータが使用するプログラムがマイクロコードであり、マイクロコードを変更することによって、複雑な命令でも比較的容易に実装できた。そのためコンピュータがサポートする命令セットは複雑化・増加の一途をたどっていた。高機能な命令セットをサポートすることにより、1つの処理を記述するために必要な命令が減少し、ソフトウェア開発は容易になると考えられていたのである。しかしその一方で、マイクロコード方式のコンピュータでは、コンピュータ内部にマイクロコードを解釈し、実行するコンピュータ(ナノコンピュータ)が組み込まれている形式になり、この部分でのオーバヘッドが生じていた。

 これに対してジョン・コックは、コンピュータでどのように命令が使用されているかを調査し、大部分の処理においては、ごく限られた命令しか使われていないことを発見した。この研究成果は、「20%の命令が、コンピュータの80%の処理を行っている」という「20/80ルール」として知られている。

 こうしてサポートする命令を使用頻度の高い20%のものに限定し、代わりにコンピュータ内部の実行回路をハード・ワイヤード・ロジック(布線論理)で実装することで、命令を高速に実行できるRISCコンピュータが誕生した。使用頻度の低い80%の命令に関しては複数の命令を組み合わせて実行する必要があるが、このオーバーヘッドはそれほど多くない。むしろ、固定長命令や固定的な命令実行サイクル、ロード/ストア・アーキテクチャなどの採用により、パイプライン処理などが円滑に進み、より高速化が可能になっている。

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