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Windows 98

【ウィンドウズ・キュウジュウ・ハチ】

最終更新日: 2001/07/26

 Windows 95のメジャーバージョンアップとして、Microsoftが1998年6月25日に販売を開始したオペレーティングシステム(日本語版の販売開始は1998年7月25日)。

 Windows 98は、基本的に前バージョンのWindows 95をブラッシュアップしたもので、OSのコア部分などはWindows 95から大幅な変更は加えられていない。このためWindows 98もWindows 95と同じく、OSの一部には16bit時代のコードがそのまま残されている。Microsoftによれば、この16bitアーキテクチャを受け継ぐWindows OSはこのWindows 98が最後で、次のメジャーバージョンアップでは、完全な32bit環境を実現しているWindows NTのコアテクノロジをベースとしたものになる予定である。

 Windows 98での主要な改良点は以下のとおり。

●インターネットアクセス機能の改良

 Windows 98では、Internet Explorerの機能が標準のシェルソフトウェアとして組み込まれ、Internet Explorer 4.xで追加されたさまざまな機能(Activeデスクトップ、タスクバーの改良、フォルダウィンドウでの「Webページ」表示機能、エクスプローラバー、Webテクノロジを応用したヘルプシステムなど)が標準的に利用できるようになった。ただしこれらの機能を実現する、Internet Explorerのパッケージはインターネット上で無償配布されており、従来バージョンのWindows 95でもInternet Explorerを組み込むことで同様の機能を持ったシェルを利用できる。

●性能および信頼性の向上

 Windows 98では、Windowsシステムのスタートアップにかかる時間の短縮(起動時に不要なデバイスドライバを読み込まないなど)、アプリケーションの起動にかかる時間の短縮(Intel Application Launch Accelerator。アプリケーション起動時のディスクアクセスを記録し、その記録にしたがって最適なデフラグメント処理を実行する)、シャットダウン時間の短縮(ドライバの再初期化の省略など)、メモリ管理システムの改良による処理の効率/高速化(Map Cache機能の追加)、レジストリチェックおよびレジストリ回復機能の強化などがなされている。

●ハードウェアサポートの拡充

 Windows 98では、電力管理用アーキテクチャであるAPM 1.2、Intel/Microsoft/Toshibaが提唱するPCパワーマネージメント仕様のACPI(Advanced Configuration and Power Interface)に対応したことを始め、IrDA、USB(Universal Serial Bus)、IEEE 1394、AGP(Accelerated Graphics Port)、ICM(Image Color Matching)、DVDなど、さまざまなハードウェアサポートが追加された。また従来どおりのユニバーサルドライバと仮想デバイスドライバに加え、Windows 98では、Windows NTとのドライバの共通化を行うためのWin32 Driver Model(WDM)もサポートされており、前出のような新しいデバイスサポートについては、WDMベースのデバイスドライバが提供されている。

●ネットワーク機能の強化

 Windows 98では、インターネットのインフラを利用して、クローズなLANを実現するためのVPN(Virtual Private Network)用のクライアントサポートが追加された。またWindows 95ではPlus!パッケージで提供されていたダイヤルアップ・スクリプティングも標準で提供されるようになった。さらにDHCPサーバが見つからないときには、適当なIPアドレスを自動的に割り当てる機能が追加された。これにより、ノートPCユーザーなど、さまざまな環境で利用されるPCの使い勝手が向上している。

●マルチモニター

 システムに複数のグラフィックスカードを追加し、それぞれにディスプレイを接続することで、1つのデスクトップを複数のディスプレイにまたがって表示できるようにしたものがこのマルチモニター機能である。Windows 98では、このマルチモニターの機能が追加された。

●ツールサポートの充実

 このほかWindows 98では、特にシステムツール関連の標準アプレットが拡充されている。具体的には、従来のFAT16をFAT32ファイルシステムに変換するための「ドライブコンバータ(FAT32)」、インターネット一時ファイルや不要なDLLなどを検出して削除する「ディスククリーンアップ」、指定した時間に任意のプログラムを起動し、自動的なシステムのメンテナンスなどを可能にする「メンテナンスウィザード」などである。またWindows 95でも提供されていたデフラグメントツールには、前出のIntel Application Launch Acceleratorへの対応機能が追加されている。

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