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KVMスイッチ (Keyboard/Video/Mouse switch)

【ケー・ブイ・エム・スイッチ】

別名
コンピュータ切り替え器 (computer switch) 【コンピュータ・キリカエキ】
CPUスイッチ (CPU switch) 【シー・ピー・ユー・スイッチ】

最終更新日: 2004/01/07

 コンピュータにおける基本的なユーザーインターフェイス・デバイスであるキーボード、ビデオ(モニタ)、マウスの3つ(これらをまとめてKVMという)を切り替えて使うための装置。例えばラック・マウント型のサーバ・システムや多数のコンピュータ・システムを同時に使う場合、それぞれのシステムにキーボードやマウス、モニタを接続するとその使い分けや操作、配線などが非常に煩わしくなる。このような場合には、1セットのキーボードやマウス、モニタだけを用意して、システム間で切り替えながら使うと便利である。このような目的のために使われる切り替え装置をKVMスイッチと呼ぶ。利用するコンピュータ(CPU)を切り替えるので、「コンピュータ切り替え器」とか「CPUスイッチ」などと呼ばれることもある。

 KVMスイッチには、各コンピュータ・システムからのキーボードやマウス、モニタ・ポートを接続するための入力ポートが複数備えられている(PS/2コネクタとD-SUB 15ピンのVGAコネクタが一般的)。接続できるシステムの数は2台から8台程度であるが、サーバ向けでは256台以上のコンピュータ・システムを接続できるようなラックマウント向けのスタッカブルな(複数台組み合わせてポート数を拡張できる)製品もある。さらに最近ではUSBポートの切り替え機能を併せ持っていることもある。

 KVMスイッチの構造は、単に複数のコンピュータ・システムからの信号線を切り替えているだけではなく、キーボード・マウスが擬似的に繋がっているようにエミュレーションしなければならない。現在選択されていないシステムから見たとき、キーボードやマウス、モニタがまったく接続されていないのと同じ状態になってしまうと、システムによってはデバイスが未接続であるというエラーになり、システムが起動不能になったり、OSがエラーを検出して停止してしまったりする。このため、エミュレーションの技術の良し悪しで安定した切り替えができるかどうかが変わってくる。製品によっては、安定性の低い製品もあるので注意が必要である。

 また、ビデオ回路にもきちんとした増幅回路やシールドされた配線などを利用したものでないと、高解像度の場合に表示されるビデオ信号が揺れたり、映像がなまったり(輪郭がはっきりしなくなること)、ゴースト(2重像)が出たりするという不具合が発生することがあるので注意が必要である。

 現在では、安定したモニタ画像を数百メートル程度の距離まで接続可能とするKVMスイッチや、遠隔地からネットワークや電話回線を介して操作可能とするリモートアクセス機能を持ったものまで登場している。KVMをリモートコントロールできると、ソフトウェアによるリモートアクセスとは違い、遠隔地からコンピュータの再起動を行ったり、BIOS設定を行うなどが可能になる(ソフトウェアを利用する場合は、システムが稼働していることが条件になるため、これらの操作は行えない)。

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