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MVCフレームワーク (MVC framework)

【エム・ブイ・シー・フレームワーク】

最終更新日: 2001/04/17

 グラフィカル・インターフェイスを備えたウィンドウ・プログラムを開発するうえで、操作や見映え(ユーザー・インターフェイス)を司る要素と、プログラムの本質的なデータ処理を明確に分離し、ユーザー・インターフェイスとは独立してプログラムのデータ処理を記述できるようにするために考案されたソフトウェア・フレームワーク。米ゼロックス社のパロアルト研究所(PARC)で進められていたグラフィカル・ワークステーション開発と、そのためのプログラミング言語であるSmalltalkに対し、このフレームワークが実装された。

 Smalltalkでウィンドウ・プログラムを開発するときには、存在(Object)に対し、ビュー(View:視点)とコントロール(Control:制御)を介して、そのオブジェクトに内在するモデル(Model:論理)とのインターフェイスを定義するという指針が考案された。MVCフレームワークとは、これら各要素の頭文字をとって命名されたものである。

 ここで「モデル」は、アプリケーションの本質にあたる部分で、ここに操作対象となるデータや、データに対する操作などが用意される。「コントロール」は、ユーザーによる操作(入力)を解釈して、モデルまたはビューに対して適切な調整を加える。そして「ビュー」は、ディスプレイ・デバイスなどを通じて、モデルからユーザーへの情報を表示する。MVCフレームワークでは、これら3つの要素が、必要に応じてメッセージをやり取りしながら動作する。その目的は、操作や見映えを司るユーザー・インターフェイス部分(「コントロール」と「ビュー」)と、アプリケーションの本質的なデータ処理(「モデル」)を分離することで、双方を独立して設計できるようにすることだ。つまりこのMVCフレームワークでは、「モデル」はユーザー・インターフェイスを意識することなく本質的なデータ処理に専念でき、また必要ならば、同一の「モデル」に対して異なるユーザー・インターフェイス(「ビュー」と「コントロール」)を適用することも可能である。

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