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PCカード (PC card)

【ピー・シー・カード】

最終更新日: 2002/06/21

 ノートブック型PCなど、ポータブルサイズのPCで利用されるカード型拡張デバイスの規格。日本の社団法人 日本電子工業振興協会(電子協、もしくはJEIDA(Japan Electronic Industry Development Association)ともいう)が策定していたICメモリカードガイドラインの規格と、米国のPCMCIA(Personal Computer Memory Card International Association)が策定していたPCMCIA Standardの規格の2つをベースにして、両者が共同で提唱、統一した、標準規格。当初は主にメモリカードの製造で先行していた日本のJEIDAと、米国のPCMCIAがそれぞれ別にカードの規格化を進めていたが、1995年3月に両者は統合されてPC Card Standardとなった。このため米国で販売されるPCカードの中には、「PCMCIA準拠」と表記したものもあるが、ほとんどの場合、これらのカードも問題なくPCカードスロットに装着して利用できる。もともとは両者ともノートパソコン用の拡張メモリカードの規格であったが、その後、ディスク機能やネットワーク/通信機能、SCSIなどのインターフェイス機能、マルチメディア機能などを持つ、汎用の規格として拡張さている。

 PCカードは、クレジットカード大の拡張デバイス(85.6mm×54mm)で、厚さの違いにより、Type I(3.3mm)、Type II(5.0mm以下)、Type III(10.5mm以下)の3種類がある。

PCカードの例
PCカードの例
これはTypeII対応の無線LANカード。向かって左側に、PCカード・スロットへ装着するコネクタがある。右側の黒い部分が無線LANのアンテナだ。他のカードの場合、ここには外部ケーブルのコネクタやインジケータLEDなどが配置される。

PCカードのスロット接続コネクタ
PCカードのスロット接続コネクタ
これは16bit PCカードのコネクタ部分。非常に薄いコネクタ部分に、2列の信号端子用ホールが並んでいるのが見える。

 PCカードの多くはType IIの形式である。代表的なところでは、モデムカード、イーサネットカード、SCSIホストアダプタ、フラッシュメモリカード、ISDNインターフェイスなどがある。製品によっては、たとえばモデムとイーサネットを1枚のカードに統合したものも販売されている。Type IIIとしては、ハードディスクなどがある。

 ノートPC側では、Type IIのカードを上下に2枚挿入できる形式になっていることが多い。この場合、Type IIIのカードをスロットに挿入することもできるが、Type IIIは厚みがあるため、Type IIの2スロット分の空間を占有してしまう(つまり、1枚しか挿入できない)。このためカタログ上は、PCカードスロットの仕様として、「Type II×2またはType III×1」などと表記される(Type IIなら2枚、Type IIIなら1枚だけ追加できるという意味)。

 PCカードは、PC本体の電源を入れたまま、ホットインサーションが可能で、カード上に記録されたデバイス情報をPC本体とダイナミックにやり取りすることで、装着/取り外しができるようにしている。

 当初のPCカードでは、16bit幅でコンピュータと周辺機器の間でデータ転送を行っていたが、その後、32bit幅でのデータ転送を可能にしたCardBusや、ビデオチップとPCカードが直接データのやり取りを行えるようにしたZVポート(Zoomed Video port)などの拡張仕様が標準化され、現在ではこれらに対応したポータブルPCが販売されている。

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