
CEOはどう考えるか
2007/6/11
業務改善のポイント − プロセス
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私の仮説、そしてマイケル・ポーターや恐らく大多数のプロセス志向の人々の仮説は、バリューチェーン(またはプロセス)に着目し、組織の中でいかに業務が遂行されるかに力点を置かなければ、組織のパフォーマンスを最適化することはできないということだ。戦略の結果として「アクティビティのシステム」が競合よりも、よく統合され効率化されなければ、確固たる成果を挙げることはできないだろう。
これは、多くのマネジメントスクールで教えられていないことだ。もし教えられていても、マイナーなカリキュラムに限定されるだろう。シニアエグゼクティブのほとんどは、組織図を作成し、マネジメント上の権限の委譲について記述し、ビジネスユニットと部門長にモチベーションを与えることに重点を置こうとしている。正直なところ、彼らがどうやって部門長たちの目標を決定しているのかよく分からない。
図1に戦略的ゴールを策定する2つの方法を示す。左端に戦略テーマが並んでいるが、ポーターは、具体的な戦略を実現するために、どのアクティビティが実践されなければならないかを議論する方法として、この記法を推奨している。例えば、もし役員会が「XでNo.1の企業」になると決めたのであれば、さらに「XでNo.1の企業」に必要なコア・アクティビティを定めなければならない。ポーターは、この一連のアクティビティを戦略的テーマと呼び、シニアエグゼクティブは企業戦略を実現する方法を組織全員に理解させる“戦略的テーマ”を開発すべきだと論ずる。図の右側では、さまざまなバランスト・スコアカードのプログラムが推奨しているように、生産性戦略と成長戦略を伝統的な会計尺度に分解している。
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| 図1 企業戦略の実現 |
具体的なアクションと結果となるパフォーマンスを関連付ける
高次元のテーマと会計尺度が、具体的な顧客やプロセスレベルのアクティビティとどのように関連するかを理解するのは難しくない。実際、サプライチェーン・カウンシルのSCOR方法論が推奨する詳細なサプライチェーンの尺度を使えば、サプライチェーン上の具体的なプロセスの特定の会計尺度の1つ1つに関連付けることができる。すなわち、もし組織のパフォーマンスを適切なプロセスのパフォーマンスにより計測すれば、組織パフォーマンスの改善のために必要となる社員の具体的なアクションを正確に見極めることができる。逆に、組織のパフォーマンスに欠陥があれば、その原因となるプロセスやアクティビティの欠陥に容易にさかのぼることができる。
もし反対に、基礎となるバリューチェーンを無視して、機能的な組織構造を押し付けたとすればどうだろう? 顧客価値やコスト構造に対して、その責任を担当する部門を定めなければならない。そこで考えられるのは、四半期の売り上げや月産生産量など、企業のパフォーマンスに寄与するかしないか、よく分からない伝統的な機能の尺度を用いるしかない。この責任を精緻に定めるのは困難であり、それはシニアエグゼクティブの間の縄張り争いの一因である。何かうまくいかない場合に、それが誰のどのような責任であるかを特定するのが困難な理由でもある。部門長たちは、こぞって責任を果たしたと主張するだろう。しかし、彼らの多様な部門アクティビティは、どういうわけか、顧客を満足させるプロセスにかみ合わなかったわけだ。
今日、主要企業のほとんどはマトリクス型の組織体制を敷いている。つまり、伝統的な機能組織を持つと同時に、プロセス・マネジメントと同様の構造を持っている。組織の問題の多くは、このマトリクスをいかにバランスしてマネジメントするかというところに本質的な原因がある。ロバーツは、残念ながら、マトリクス型のマネジメントには触れていない。
ロバーツの「The Modern Firm」のような本が、懸命なエグゼクティブの間で人気の読み物であり続ける以上、私たち、プロセス志向の近代的マネジメントを主張する人々は苦労を強いられることになる。そのコンセプトの価値や重要性をまるで理解していない人々に対して、何とかして売り込んでいく努力を続けていかなければならない。われわれは、CEOの組織マネジメントに対する考え方に革命を起こさなければならない。この世にあふれた知恵に打ち勝つための努力は、とてもやりがいのある仕事だ!
では、また。
ポール・ハーモン
Paul Harmon: "How CEO's Think." Business Process Trends, Volume 4, Number 21, December 12, 2006
ビジネスプロセスに関する情報提供を行うBusiness Process Trends(BPTrends)の創立者/エグゼクティブエディター。Enterprise Alignmentの創立者/チーフコンサルタント。
ウルシステムズ株式会社 ディレクター。
スタンフォード大学教授 ジョン・ロバーツの著書「現代企業の組織デザイン」は、英エコノミスト誌が選んだ2004年の最優秀ビジネス書だ。この本は、CEOの従来の考え方を補強するものだ。プロセス・マネジメントを業務とする者は、こうした考え方に革命を起こさなければならない。CEOたちがマイケル・ポーターを読み返し、その考え方を深く理解するように説得しなければならない。
私/ポーターの仮説は、バリューチェーン(またはプロセス)に着目し、組織の中でいかに業務が遂行されるかに力点を置かなければ、組織のパフォーマンスを最適化することはできない、とする。もし組織のパフォーマンスを適切なプロセスのパフォーマンスにより計測すれば、組織パフォーマンスの改善のために必要となる社員の具体的なアクションを正確に見極めることができる。
このコンセプトの価値や重要性をまるで理解していない人々に対して、何とかして売り込んでいく努力を続けていかなければならない。
| Page1 2004年度ベスト経営書 プロセス志向とシニアマネージャの考え方の間にあるギャップ |
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| Page2 業務改善のポイント − プロセス 具体的なアクションと結果となるパフォーマンスを関連付ける |
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- 第2回 CEOはどう考えるか
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